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森と林業の本

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2020/08/22

デ・レイケではなかった「これは滝だ」

日本の川を見て、「これは川ではない、滝だ」という有名な話がある。語ったのは明治期に日本を訪れて砂防や治山に大きな貢献をしたというオランダ人の土木技師デ・レイケだとされてきた。

日本の川がいかに急流ばかりで、ヨーロッパ人から見たら滝のように流れているか、ひいては砂防が難しいかということを説明する事例としてよく使われている。

ところが、この言葉はデ・レイケではなかったらしい。

「川ではない、滝だ」実は別人 明治の技師デ・レイケ発言論争決着か

元記事は、富山の北日本新聞のようだが、当時の県会議事録からデ・レイケより前に来日したムルデルの言葉だったらしいことが突き止められたという。これは砂防史の観点では大きな発見だろう。

ただムルデルもオランダ人で、結局はオランダのような平坦な国の人にとって、日本の高低差の激しい川は想定外だったということか。しかし、そんな国の技師が、まったく地形の違う日本の砂防や土木を指導したというのは不思議ではある。

 

ちなみに私が初めて見たヨーロッパの滝は、スイスのライン瀑布である。まあ、観光半分に訪れたのだが、とくに期待はしていなかった。どうせヨーロッパの滝なんて、たいしたことねえ、と思っていたのだ。それはデ・レイケ発言が身に沁みていたからかもしれない。

ただ、実際は結構な迫力であった。なぜかと言えば、落差よりライン川の幅が広いから。

8_20200822230401

たしか落差も20メートルぐらいはあったはずだが、一目で見えるのはたいしたことない。ただ幅が150メートルもあるので水量が多く、なかなかの迫力なのであった。

この滝も水が滝の部分の地層を削るので、年々後退しているという。そのうちのっぺりとして日本の川ぐらいの落差になるかもね。

 

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