日本の樹木数は1200種・210億本!
琉球大学理学部の久保田康裕教授がこんな発表をしている。
日本全土の樹木種の個体数:約1200種で約210億本!
ありそうでなかったというか、日本列島に何本の樹木が生えているのか、ちゃんと調べた人はいなかったのだね。もちろん、1本1本数えるものではないが、それなりの根拠とデータを積み重ねて推計するのは結構大変だ。
私の感想としては、樹木数が1200種というのは、意外と少ないような気がした。いや、これでも世界的にはかなり多い方だろう。ヨーロッパなんぞは100種を少し超える程度だというし。ただ私は熱帯雨林にハマっていたので、どうしても森には数千・数万種もの樹木がある世界のイメージがあった(笑)。ちなみに草本も加えると、日本の植物種数は3000くらいだろうか。
一方で210億本というのは、やはり多い。樹木といっても、多くは低木だろうが、こんなにあるか。
ただ、その分布地図が面白い。樹木の個体は、中国地方から北陸地方が赤く染まっている。日本海側の方が多いんだ。そして、各地でも結構偏った分布になっている。厳密に見たら、どこそこの山は樹木が多い、とか言えるのだろう。
一方で樹種分布は、逆に太平洋側、四国、紀伊半島、東海・中部山岳地帯……と赤く染まり、日本海側が少なくなる。北海道は驚くほど青い。意外と関東が多いところを見ると、開発とは関係のない地形要因なのか。
個体数の多い樹木ランキングは、びっくり。
1位)ヒサカキ
2位)イタヤカエデ
3位)ヤマウルシ
4位)クロモジ
5位)ミズナラ
6位)イヌツゲ
7位)リョウブ
8位)テイカカズラ
9位)アオキ
10位)コシアブラ
スギ、ヒノキのような人工林の針葉樹は入らないんだ。森林面積の4割が人工林で、そのうちの7割がスギとヒノキなんだが。たとえば面積にすると700万ヘクタールにスギとヒノキが植えられている。スギの方が多いから、ざっと500万ヘクタールということにして、そこに平均1500本/haとしたら、7億5000万本くらい。これぐらいの本数は多い方ではないわけか。
それにしてもヒサカキが一番とは意外。庭園木にも使われているが……。クロモジとかコシアブラ、リョウブが多いのも意外。森でそれほど日常的に見る樹種ではないと思うのだが。
こんなデータを見たら、何をどう読み取るか、結構楽しめる。しかも、この研究を行った琉球大学の研究室は、研究室の企業化を行っているそうだ。株式会社シンクネイチャーである。
昨日の「自己肯定感の低い」「変化を好まず挑戦しない」沖縄人と若者の話をしたが、一気に独創的な挑戦の話になってしまうなあ(笑)。
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