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森と林業の本

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2020/09/21

板切れの値段は好きに決められる

地元の百貨店で見かけた板きれ。

Photo_20200921225201

何かわかるだろうか。オリーブの板でつくったカッティングボードだ。というとかっこ良く聞こえるが、ようするにまな板。それも、かなり不定形の荒っぽい作りだ。オリーブの廃木を薄切りにして、表面をプレナーで磨いただけである。まあ、面白い杢が見えるものもあるが……そんなにたいした手間をかけていない。テクニックもいらなさそう。

気になったのは値段である。値札の一つを拡大してみよう。

Photo_20200921225701

4400円。ほかにも4180円、3900円などがあった。なかなかの価格である。それで思い出した。

これはツイッターなのだが、短い(50センチくらい?)の丸太、つまりタンコロを1万円で売りました、という話である。

さらにヒノキの板1枚を1000円で売った人も。1立米で6400枚採れるので1立米単価640万円だ、というのだ。こちらは、料理用だ。板に味噌を塗って焼いて出す旅館の料理用だという。

実は、ウッドプランクという商品もある。これはアメリカなどで流行っているのだが、ワインなどの酒に浸した板切れの上に生の食材を乗せてそのまま火にかける。すると、ちょっと燻製みたいな味付けになるのだ。これが人気バーベキュー料理らしい。こちらの価格も、似たようなものだろう。豪華キャンプ~グランピング流行りの日本でも、潜在的需要は大きいと私は睨んでいる。しかも非日常のキャンプの時なら、1枚で1000円ぐらい痛くもないだろう。

個人の才覚で、木材価格は決められるのではないか。いずれも、加工にすごいテクニックがいるわけではない。そうした売り先を見つけてくる運と営業努力は必要だろうが……。とくに雑木のような捨ててきた樹木をいかなる商品にするか、どこに売るかがポイントだ。営業力に自信がなければある人ある会社を探してきて口説き、組むのもよいだろう。もちろん価格設定には説得力が必要だ。その程度の努力はしなさいよ。

私は、林業による地域振興なんぞは無理と、ようするに絶望しているのだが、個人の才覚で「稼げる林業」にするのは可能だと信じている。そんな林業家だけが生き残るんじゃないか。

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木製品・木造建築」カテゴリの記事

コメント

山主はj-クレジットとかカーボンオフセット関係で収入を得る活動をした方がいいのになと思います。キャッシュフローをよくしないとそりゃあ倒産するよなと思います。

山主も、林業家も、木材業者も、いろいろなやり方があると思います。
ただ、これまでのように木材生産一本で全員が潤うことはないだろうし、政策で地域全体が振興することも有り得ない。個々人の工夫と努力で、各人が豊かになることをめざすべきですね。結果として林業が盛り上がるのならなおよし。

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