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森と林業と田舎の本

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2020/09/24

ナラ枯れを活かす方法

このところ、立て続けにナラ枯れの話題が私の耳に入るようになった。私にとってのナラ枯れは、数年前に生駒山全域で起きて、枯れる木は枯れて、もう終わった気分なのだが……。

まず奈良県川上村で広がっているとのこと。今春にはなんともなかった神社の境内で軒並み枯れ始めたそうだ。もっとも枯れているのはカシだというが……。カシノナガキクイムシはその名の通り、カシの木も食うのだろうが、これまでナラばかりが指摘されてきた。もしカシやシイも枯れているなら、一度見に行きたいと思っている。

次に東京。町田などの近隣の山のコナラがかなり大規模に枯れてきたそう。NHKの人から電話があって、なんやかんやと説明したが、果たして番組になるかね。まあ、全国でナラ枯れが猛威を奮っていたときも、それが地方ならテレビ番組にはならなかったが、足元の東京で枯れ出したのなら注目してほしい。

そして先日の北海道でも、広葉樹のフローリングでもっとも人気のある木はナラ(この場合はミズナラ)だそうだが、ミズナラはナラ枯れにもっとも弱い樹種だ。もしカシナガが北海道に侵入したら大変なことになる、という話題が上がった。

私もだが、いざ枯れ始めるとびっくりする。いきなり葉が赤茶けて真夏に紅葉のようになるのだ。そして根元には虫が入った小さな穴と、フラス(木屑)がばらまかれた状態になるからだ。大木ほど枯れるというのも、情けない気分になる。これほど太くて大きく枝葉を伸ばしていたのに……。なんとかならんか?   と頭の中がぐるぐる回る。

が、ナラ枯れが大変だ~という話になると、すぐ防除方法になるのだが、正直無理だろう。単木、この木だけは枯らしたくない、というのならまだしも、全山を救うのは不可能だ。いや単木でも、幹をビニールでグルグル巻きにしたり、捕虫器をずらりと並べたり……というのは気持ちよくない。なんだか全身包帯を巻いて点滴している重病人みたいだ。

一つの手としては、まだ枯れる前の太い木を先に伐ってしまい、拡散を防ぐという考え方もある。これも全山の太いナラをせっせと切り倒すというのは現実的でないし、太い木がなくなれば、カシナガだって細い木にだって付くかもしれない。。また「まだ枯れていない木」しかも「大木」伐ると言えば抵抗感を持つ人も多いはず。

利用という点からは、枯れた木を木材にすることも考えられるが、多分小さな穿孔がいっぱいあるから、あまり高価にならない。やはりカシナガがもぐり込む前に伐るのが木材として使えるという点でもよいのだろう。

子どもたちの木育に使えないか、という声もあるのだが、難しいなあ。防除を手伝わせても、結局枯れるかもしれないし、農薬を散布するのを喜ばないかもしれない。枯れていくところをじっと観察しなさい……というのは切ない(笑)。

むしろ枯れて倒れた跡地に次の世代の木が育つ様子を見せて、植生遷移を感じてもらうぐらいか。

ちょうど訪れた生駒の某ため池。ナラ枯れ現場を見てしまった。

20200924_144920

ナラ枯れで枯れたのは、数年前。その枯れ木が、昨年から今年になって次々と折れて池に倒れ込んだ。台風の風もあるが、やはり枯れて徐々に強度が落ちてきたのだろう。池に浸かった木は腐って、水の富栄養化が進むかもしれない。魚類への影響は出るか。水草が繁茂するか。こうした変化を追うのがよいと思う。

 

 

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

初めてナラ枯れを見ました。胸高径50センチ以上のコナラの大木で、高所作業車も入れない林の奥にあります。林野庁のマニュアルでは、伐倒してその場でNCS剤で燻蒸する事を勧めているのですが、燻蒸後の材が、薪として使える物なら活用の道が開けると思うのですが、どこにも安全だとは書いていないんですね。

それはどこですか? 東京?
枯れたばかりの木は、中にカシナガの幼虫がいて、飛び立とうとしているから燻蒸しないといけませんね。でも、枯れて1年ぐらい経っているなら、もう構わないから薪にしちゃいましょう(^_^) 。あるいは枯れる前にさっさと伐ってすぐに燃やすんなら、絶好のカシナガ退治なんだけどな。

町田市の隣の多摩市です。コナラ林はほとんどが市有地にあるので、多摩市と東京都で対策を検討しているようです。
初めて今年ナラ枯れを見つけたので、今年冬の対策が重要だと思っています。なにしろ大木ですし、林の奥にあるので、伐倒することも搬出することもかなり困難です。最後は人力に頼ることになると思うので、玉切りして運び出すことになるのでしょう。だったら、薪にならないかな思う次第です。燻蒸後、1年くらい乾燥させたら、ガスが抜けて利用できないかなと思っています。

ナラ枯れは大木から被害を受けるので、それがあらかたなくなれば一時は落ち着くのですが、当時生き残った若い木が10年20年して大きくなると同じ山でまた被害が出ます。忘れた頃に第二次ブームがくるのでなかなか終息しないんですよね。マツクイムシと違って枝の先まで入っていることはほぼ無いので、枝なんかはキノコ原木や薪で使っても良さそうなのですが...

多摩市ですか。
もう枯れているのなら諦めた方がよさそうですね。道側に倒れる恐れがなければ放置もありです。枯れた木を伐るのは危険ですから。
燻蒸までするのなら、いっそ大木だけに彫刻(チェンソーアート)の素材にするのもありですよ。

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