どこでも起きる、無断伐採
久しぶりに健康診断を受けているのだが、私の行きつけ?いやホームドクターは無駄話ばかりする。
「妻の実家が龍神でな」。これ、和歌山県龍神村のことである。
「結構、山を持っているんだけど、久しぶりに見に行ったらバッサリ伐られているねん」。おや、それは盗伐か!?
どうやら山の管理を頼んでいた親戚が勝手に伐ったらしい。金が必要だった、と。まあ、在り来たりの言い訳である。そんな金ならいくらでも都合つけたるのに、よりによって山を伐ってしまうとは……と嘆いているそうである。つまり、現金より、長い年月をかけて育てた木に価値を感じているのだろう。(もっとも、最近は、伐採しても搬出に経費がかかって利益が出ないことも嘆いていた。)
身内で、しかも管理を委託していた相手となると、簡単に訴え出るのも難しいだろうが、やはりこれは犯罪行為、窃盗に当たる。こうした無断伐採は、表に出づらいだけに結構多いのではないか。
というわけで、手元に届いた「旬刊宮崎」紙の一面を紹介しよう。
「旬刊宮崎」は、唯一宮崎県で盗伐問題を追及し続けている地域紙。今回は1、2面で盗伐問題を大きく取り上げている。これに目を通せば、今も続く盗伐と、それに対する役所や警察の対応もわかるだろう。
どうも、上は知事から、下は自治会まで、ほとんどグルで動いているようだ。告発したら、どうにも都合の悪いことになることを皆がわかっていて、握りつぶそうとしているのか。それだけ宮崎には林業に関わる人が多いのだろうが、網の目のように人間関係(というより盗伐ネットワーク)が築かれていると思うとウンザリする。
もしかして、宮崎は声を上げる人が出てきただけマシなのかもしれない。こっそり内輪で処理されて、泣き寝入りになっている山主も全国的には多いのではないか。
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