尾根に並ぶ風車と発電規模
これ、和歌山県から大阪南部の上空。
尾根筋に白く点々と立っているものが見えるだろう。これは風力発電の風車のよう。
ここまで並んでいるのは思わなかった。数えてみると、その時は48まで見つけたが、もっと周辺にありそうだ。
最近は風力発電公害を言われるようになったが、私は風力発電にそんなに忌避感はない。原子力はダメ、石炭火力もダメ、ダムを築く水力発電もダメ……と言い出すと、もはや発電方法がなくなってしまう。そして私は木質バイオマス発電の危険性を訴えている立場だ。
その中で太陽光発電や風力発電はマシな方だと思っている。ただ立てる場所と規模だろう。風力発電は、景観が悪くなるというのは主観的だが、低周波音を出すとか、鳥類の衝突事故が多いことが問題となっている。また台風などの強風で壊れるケースもある。ただ人が滅多に近づけない尾根筋なら低周波などはさほど心配なくなるのではないか。
管首相……(カン直人である、現在のスガ義偉首相ではない)は、尾根筋に林道を伸ばして、そこに風力発電を築くことで林業と電力の複式経営を提案していた。私はなかなか面白いアイデアと感じた。森林経営を多角化することになる。尾根筋の林道で集材等施業をしつつ、風車の保守点検もできる。また電力収入で森林整備を支えられる。そりゃ、いくつか難関はあるだろうが、政治力と技術力があれば解決するだろう。
ただ、上記の写真ほど規模が大きくなるとなあ……。愛媛に行った際に、見たかったものの行けなかったものの一つに内子バイオマス発電所があるが、ここは熱を回収して発電に回す方式で、効率を30%台まで高めているそうだ。しかも、当初は5000キロワット級の規模を予定していたが、地元からそれだけの燃料材を集められないと注文が入って、持続的に経営するために半分以下の2000キロワット級に下げたという。収支は悪くなっただろうが、地元の意見を聞いて小規模にするという点では、模範的な木質バイオマス発電所だろう。
何事も、持続的な規模というものがあるのだよ。山の上の多数の風車に何か不都合があるとは聞かないが、慎重にね。
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