発表!昨年の木材需要と木材自給率
2019年の木材需給と自給率が発表されている。
木材の総需要量は、8190万5000立方メートル。前年と比べて57万3000立方メートル(0.7%)減少したという。内容的には、用材が191万5000立方メートル(2.6%)、シイタケ原木2万3000立方メートル(8.4%)減少している。代わりにと言ってはナンだが、燃料材(おそらくほとんどがバイオマス発電燃料)が136万6000立方メートル(15.1%)増加した。差し引きしても減少局面だ。
ちなみに燃料材需要は1038万6000立方メートル。とうとう大台に乗った記念すべき?年になる。
国内生産量は、3098万8000立方メートルと前年より78万7000立方メートル(2.6%)増加した。用材が12万5000立方メートル(0.5%)、燃料材が68万4000立方メートル(10.9%)増加した。需要も、生産量も、ほとんどをバイオマス発電燃料に負っているわけだ。
木材需要は減ったのに国内生産量が増えたのだから、相対的に国産材のシェアが高まる。おかげで木材自給率は、前年より1.2ポイント増の37.8%。9年連続で上昇した。
なんとなく発表するときは、「木材自給率が9年連続伸びているぞー」と自慢したくなる(^^;)。もうすく4割だ、目標の5割までガンバローと気合を入れる……。が、中身を見たら暗澹たるものだね。燃料材を抜いたら、どうなるか。
しかしバイオマス燃料も、今後は輸入が増えていくはずだ。木質ペレットとかPKSが増加しているから。となると、そのうち自給率も落ちるに違いない。
木材需要の内訳も、需給表を見ると、ほとんどがマイナス。輸出で、かろうじて製材がプラスなのが救い?でも、分母が小さい。
今年は、コロナ禍で需要も生産も縮小するのは間違いあるまい。そのバランスによって自給率は上がるのかもしれないが、もうジタバタせずに、木材需要は減少していくことを前提に対応策を練るべきでしょう。
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