「山林購入ブーム」番組の裏側
今日が祝日なんて、すっかり忘れていたよ……。
しっかり朝から仕事をしていたわけだが、夕方にふとテレビをつけると、ローカルニュース番組でいきなり「山林購入ブーム」をやっていた。
まだ続いているのか、このネタ。9月10月はこのネタで私も結構アチコチコメントしまくったが……そして今度は私自身に執筆依頼が来て、今朝書いていた原稿も「山林購入」についてなのだが(^^;)、全国版のテレビで取り上げたのをローカルが後追いするのは、ちとみっともなくない?
とはいえ、見てしまう。私の原稿のネタになるかもしれん(笑)。
しかし、あけすけなほどキャンプ目的の山林購入を持ち上げているのにあきれた。みんな山を買って、そこでキャンプしてハッピー! みたいな例ばかりを紹介する。価格も〇〇〇坪で、何百万円と安い! と連呼。いや、本当の山林価格はもっと安いよ。それ、業者を通しているから高くなっているよ、と私は心の中で叫ぶ(笑)。そして最後に山を持つことのリスクを十数秒しゃべらせたかな? という程度。
そして気づいた。ようするにこのテーマで取材するディレクターが、「山を買って、そこをプライベートキャンプ場として楽しむ」人たちに憧れているんだ。取材しながら「楽しい」「山を買ってよかった」と言わせようとしている。できれば自分も山を買おうかな、と密かに思っているのかもしれない。自分の願望を反映させている番組なんだな。
私だったら、そこを突っこめば、山を買ってからの大変さ、ちょっと後悔していることを聞き出すのにな、と見ていて思ってしまう。
ただ、すでに山林売買は「個人の夢」から「事業対象」に移っている。こんな「山林購入がブーム」という番組や記事を読んで、それなら彼ら向きのキャンプ場を建設したら一発当たるんじゃないか、と事業欲で山林購入が動き出している。だから番組の中には、自分たちだけがキャンプするのではなく、キャンプ場を建設して事業として行うために購入した人も登場していた。
でも、キャンプブームも移り変わるからね。現在は、グランピングのような豪華キャンプと、他人と接触しないソロキャンプにブームが分かれているが、さて、生き残るのはどちらだろう。
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