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森と林業と田舎の本

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2020年12月

2020/12/29

改めての「森林」宣言。

今年もあと2日。このブログも今日でお休みすることにする。なんだかルーティンすぎて、書かないと体調悪くなりそうな気もするが……(笑)。

改めて振り返ると、今年は執筆も含めて仕事では新たな分野に取り組むつもりだった。それは『獣害列島』ではない(^^;)。別の分野を考えていたのだが、コロナ禍で取材も何かと止まる中、先にあった予定の『獣害列島』の執筆が大きくなった。なんたって他人に会わなくても書けるから。おかげで早く書き上げてしまい? 出版予定も2カ月早めるほど。

しかもCOVID-19そのものが野生動物によってもたらされた感染症ゆえ獣害なのである。なんだかネタを提供してもらった……もとい、獣害の幅広さを深く考えるきっかけになったような気がする。

思えば『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』を2年前に書いたことで動物ものに手を出し始めたのだが、その総ざらえになってしまった。獣害という切り口は、ちょっと偏っているものの人との接点としてはよかったと思う。今後も動物と人間というテーマも広げていきたい。

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ここで宣言しておくと、改めて私は「森林ジャーナリスト」であり、林業ジャーナリストでも林業ライターでもない、と意を強くした。さらにジャーナリストの肩書を外してもいいかな、とも思う。文筆家、著述家でいい。いずれにしろ森林が核なのだ。たとえば林業もその周辺にあるが、動物も、樹木葬も、森林史も、山村文化も、田舎暮らしも、木工も木育も、みんな核の周りに漂う同列の一要素として捉えたい。

だから林業愛のような業界偏愛は唾棄すべきだ。それが「林業栄えて、山村滅ぶ」「今の林業が盛り上がれば、国の未来がどうなっても知らん」という現実の元だ。そうじゃない。林業は滅んでも山村(住民)と森林が元気ならいいんだよ。もちろん持続的にね。

 

さて、来年はいかなることになるか。COVID-19は、すぐには消えないだろうが、コロナのワクチンが普及しようがしまいが、歴史を振り返ると古今のパンデミックは約3年で収まってきた。じっくり待つしかなかろう。その間に何をするかを考えた方がよい。

私も幾つか考えている。セミリタイヤ宣言をして(⌒ー⌒)、ガツガツせず面白いか否かを基準に取り組んでいこうと思っている。

 

2020/12/28

映画「斧は忘れても、木は覚えている」

斧は忘れても、木は覚えている」という映画がある。ドキュメンタリーである。

このタイトルを「木を伐ったチェンソーを現場に忘れてきて、伐った木は忘れずにトラック積み込んで搬出した」という意味にとって林業映画かあ、と思った人、それは林業人あるあるです(^o^)。

この言葉の元はアフリカの諺で、加害者は忘れても、被害者は覚えている、の意味。木は、自ら伐られたことを覚えているというわけだ。この映画の監督はラウ・ケクファット。マレーシア華人だが、現在は台湾在住。だから、この映画も台湾映画になる。

このほど大阪のシネ・ヌーヴォで上映されることになって誘われたのだが、私はコロナ禍もあって大阪に出たくなかったので(奈良では「大阪に出るな」というのが合い言葉(笑))、パスした。そうしたらDVDを送ってくれた。

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私はオラン・アスリの映画と聞いていた。オラン・アスリとは、マレー半島の先住民であり、森の民のことだ。そこにマレー人が移動してきて支配し、さらにイギリスが入っていて植民地化。そして華人やインド人の移民を労働力として導入した。かくして現在の多民族国家マレーシアができあがったわけだが、肝心の先住民は人口が1%未満となってしまった。ボルネオ側(サバ、サラワク州)は少数民族と言っても結構な人口があるので、まだ存在感があるのだが、半島ではほとんど忘れられている。

私はボルネオの少数民族にはいろいろと関わってきたが、オラン・アスリについてはほとんど知らない。ただ精霊と夢を見る民族として水木しげるなどが紹介していた。この場合の夢とは、「希望」的な夢ではなく、文字通り眠って見る夢であり、彼らは夢と現実を区別していないという。夢の中の出来事も現実として受け入れる精神文化を持っているのだ。そして精霊(というより妖怪か)が見えるらしい。
ただ今や森の民と言っても開発が進んで森を奪われていると聞いていたので、この映画で実情が知れるかもしれないと思って興味があったのである。

映画の内容は、予想とは違った。前半はオラン・アスリが、マレー人に奴隷にされたり子どもをさらわれたり、イスラムへの改宗を迫られてきた歴史の話。後半は、マレー人と華人の暴動(1969年)で多くの華人が殺され権利を奪われた記録であった。いわば「マレー闇の歴史」の映画である。この映画もマレーシアでは劇場上映の見込みは立っていない。

現在のマレーシアではマレー人優遇(ブミプトラ)政策を取っている。これは経済的に強い華人を抑えて国家のバランスをとる(……という名目)ため公職や進学などでマレー人が優遇される政策で、当初は時限的だったのだろうが、そろそろ矛盾が露呈している。だが、なかなかやめられない。マレー人にとって特権と化しているからだ。一般にマレー人は、イギリスの植民地支配を受け、また華人の経済搾取を受ける立場だったのだが゛その内部にはさらに差別階層が設けられている。

オラン・アスリ問題も華人民族暴動も、いわゆるマレーのセンシティブ事項であり、国の統合を保つために触れるには特段の注意を要する。きれいごとの人権とか平等の論理では片づかない。

以前、日本に留学している中華系マレーシア人と、ブミプトラ政策について聞いたことがある。すると、意外や「認める」と言った。なぜか。「保険だ」というのだ。マレー人に特権を与えることで、社会的格差を埋めないと、また華人に対する弾圧が始まるかもしれない、それを抑えるため、自らの安全を得るための「保険」だと捉えていたのである。
もちろん、中華系がすべてそんな意見なわけはない。マレーシアで観光ガイドをしてくれた華人は、こっそり恨み節を語った。

ほかにもイスラムとしての食事や酒の問題などもあって、こちらはマレー人が多民族・他宗教に譲るところもある。我々と同じテーブルで酒を飲んでもいいよ、私は飲まないけど……という態度だ。多分、中近東なら有り得ないだろうが、東南アジアのイスラムは寛容だ。そして実に微妙な、センシティブなバランスでマレーシア社会は成り立っている。それだけに難しいのである。

オラン・アスリに話をもどすと、この政策の中ではオラン・アスリはマレー系に含まれていて優遇されることになっている。一方でイスラム化が強要されたり、彼らの土地(未登記・慣習法による所有)をマレー人が奪うことにもつながっている。彼らの土地は、戦前よりゴム農園に変えられ、さらに現在はアブラヤシ農園に変わり、森は失われ続けている。

それにしても、地球上でもっとも豊かな資源と生態系を持つ森林地帯の民は、世界中を見回しても常に虐げられる側になっているというのは、いかなる人類史の皮肉だろうか。

 

2020/12/27

「スカーレット」の裏側

戸田恵梨香さんが結婚した。

わりと好きな女優だっただけに、おめでとう! と素直に喜んでおく(^o^)。

で、戸田恵梨香の近々の代表作と言えば、NHK朝ドラ「スカーレット」だろう。今年3月まで放映していた。信楽の陶芸家・川原喜美子役を務めて人気を博した。というわけで(関係ないけど)信楽に行ってきた(^_^)/。現在は滋賀県甲賀市信楽である。

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すると、折しも旧産業会館で「テレビドラマの世界」と題して「スカーレット」の展示会を開いている。工房や穴窯のセットや衣装などの小道具が並ぶ。ドラマを見てきた人には懐かしいはず。衣装を見て、戸田さんはこんなに体が小さかったんだ、と妙な感心をしてしまった。

4_20201227160801工房。この角度で眺めると、本物ぽさが強い。

 

ちなみに私もお土産として.鉢を購入した。緋色(スカーレット)をした、ちょいオシャレなもの。ここに冬の間は観葉植物でも植えようかと思っているのだが。

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さて、こんなところも見てきたよ。

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陶土を掘った鉱山跡。信楽焼の誕生は、豊富で優れた陶土があってこそ。古琵琶湖の地層に眠る粘土や長石だ。信楽にはそうした陶土を掘った鉱山がたくさんあるが、ここも最近まで掘っていたのだろう。

実はここの陶土は、日本中の陶芸産地に供給されている。ナントカ焼とか呼んでも、実は地元に肝心の土がないところは多いのだ。

跡地にマツを植林していた。畝をつくって、わりとていねいな植え方だ。砂礫の多い土壌だが、マツなら育つだろう。上の方にはよく育ったマツも見える。上から掘り進んで、順々に植えていった様子がわかる。底部分はまだ苗木そのものだ。

こんなにていねいな植え方をするのは、林業関係者ではないな、と感じる(笑)。林業的には、畝を作って、苗をきっちり等間隔に整列させることはないだろうから。園芸業者かな。さて、どうだろうか。

2020/12/26

どんぐり騒動

一部で騒がれているのが、「どんぐりすてーしょん」のクラウドファンディングである。

クマ(この場合はツキノワグマ)が飢えている、彼らにドングリを! という運動が始まり、ドングリと金を集めているのである。そのためのクラファンも行われて、目標20万円に対して100万円以上集まったとか。どんぐりも数百キロ集めたよう。それを山に運んだという。

NHKでも紹介されたことが大きいのか。主催は日本ヴィーガン協会。ヴィーガンとはベジタリアンの一種と思えばよいが、食生活とクマがなぜ結びついたのか。

詳しくはこちらを。

なお集金は終わっている。

またぞろ、これか。。。と徒労感に包まれる。昔からやっていたのは日本熊森協会だが、そことヴィーガン協会の会長が結びついたらしい。彼らの行為には批判が昔からあるのだが、聞く耳持たない連中なので、絶対やめませんなあ。基本の主張は、クマは絶滅寸前! 飢えているから人里に出てくる! の一点張りなのである。彼らに『獣害列島』を読んでほしいが、読んだら怒髪天をつくかもしれない(笑)。

どうも彼らに対しては、学者も及び腰のようで、目立った批判は出さない。マスコミなどにもドングリを山に運んでも効果は「よくわからない」と逃げ腰のコメントで終わりがちだ。一方で、ネットなどではアマチュア?を中心に批判が行われる構図か。

で、私もアマチュアなので(⌒ー⌒)、先日某メディアにこの問題に対してコメントを求められたから、きっちり批判しておいた。どう載るかわからないが、新春号らしい。

このブログでは、この問題そのものには深入りしないつもりだが、私が昔から持っている疑問は、「なぜクマなの?」である。シカやイノシシは増えていることを認めて、駆除されても文句をつけないのに、なぜクマなのか。彼らは野生のクマに対峙したことがあるのか。
クマは、彼らにとってネコと同じなのかもしれない。理屈抜きで「カワイイ」もん。。。とか(笑)。理論よりイメージの中の動物になっているのではないだろうか。

そしてもう一つの疑問は、同調者が多いというか、ドングリだけでなく寄付金がよく集まる。たいていの動物保護団体は、運営資金集めに四苦八苦している中で、熊森協会は山を何百ヘクタールか購入しているほど、潤沢な資金を持っているようだ。そして芸能人や金満家の参加も多いと聞く。まあ、実際の運営や経理状況は「よくわからない」。

私は、以前取材を申し込んだことがあるが、拒否された。その後も折に触れて批判をしているから、いよいよ受け付けられないだろう。まあ、私もこんな連中を取材しても楽しくなく徒労だと思うから敬遠しているけどね。

2020/12/25

生き残る枝

先に週刊新潮に書いた記事で、私も森で自ら遊んでいることを記した。その記事では苦労話を抽出したが(^^;)、それなりに楽しんでいる。

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現在では、文中で触れたデッキや階段、木登り用に建設したものは、ほとんど放置か撤去した。人手が入った部分を消しつつある。古くなったとか森全体が台風で倒木が相次ぎ荒れてしまったせいだ。その代わりに、もう誰も来ない所を選んで寝転がれる場をつくった。こじんまり孤独を楽しめるように……。

そこに寝転がると、空が見える。

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こんな枝が伸びている。大きなコナラの木の枝である。周辺の木や、ほかの枝はナラ枯れしたが、これだけ負けずに生き残った。ナラ枯れの猛威は、数年前まで生駒山系でひどかったが、今は収まったようだ。3年ぐらいかかったか。不思議と、どんな病気もそれぐらいで飽和してしまうよう。スペイン風邪も3年で収束したし、今回のCOVID-19も、ワクチンのあるなしに関わらず3年ぐらいでおさまるのではないかね。

もっともナラ枯れは、地域を移してまだまだ広がっていくのだろう。

ナラ枯れの元であるナラ菌を運ぶカシノナガキクイムシが北海道で発見されたそうだ。道南の松前町と福島町の4カ所の森林でオス・メス5個体だというから、迷い込んだというより、完全に生息しているといえるだろう。いよいよ津軽海峡を超えたか。北海道のミズナラがやられないか心配だが、今のところナラ枯れそのものは見つかっていないという。

温暖化が進むと生息域を広める種もある。滅ぶ種もある。現在の環境にしがみついて生き延びる種や個体もある。

せめて1本の枝だけでも残したいものだ。

 

2020/12/24

『獣害列島』東京新聞書評とオンライン講演

東京新聞12月19日の書評欄に『獣害列島』が取り上げられた。

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新書の扱いは小さいが、掲載に感謝。年末年始を過ごす読書の1冊にどうぞ(^^;)。

そして、同じく『獣害列島』をテーマに講演が決まった。主催は、ナレッジキャピタル。大阪駅前のグランフロントを拠点にする。ただし講演はオンライン。全国が対象である。当たり前だけど。zoomのアプリで行う。

なぜ野生動物が都会に出没するのか

開催日2021年1月23日(土)
開催時間15:00〜16:00
開催形式Zoomによるオンライン開催
参加費1,000円(税込)支払い方法クレジットカード決済による事前支払い(参加申し込み時)
受付締切2021年1月22日(金) 12:00

獣害そのものというより野生動物が増えた理由、そして都会(というより人里)にまで出没するようになった理由に焦点を当てます。……といいつつ、今後詳しい内容を考えます(^^;)。zoomだから、質疑も受け付けます、というか、双方向性じゃないと価値がない。

ちなみに私はオンライン講演は苦手だ~と口外しているが、数をこなせば慣れてくるだろうか。頑張りま~す。


『獣害列島』をテーマにした講演依頼は増えている。ほかにも市町村の首長会関係の団体からも声がかかっている。それだけ感心を集めているのだろう。ただ、こういってはナンだが、なんとなく他人事の気配がある(^^;)。直接獣害被害を受けている農林業関係以外は、やはり切実感がないのかなあ。ぜひ、それを乗り越えてほしいのだが……。

 

 

2020/12/23

アカシア薪

ホームセンターで見かけた薪。

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何といっても目新しいのは、アカシアという木の薪であること。私は初めて目にした。価格も、全体で上昇している中ではマシなほうだろうか。
先日はもっと本数の少ない薪束で、1000円近い価格だったので仰天した。以前は500円以下で、それでも高いと感じていたのだから。

アカシアは、一時期特定外来種扱いされかけたほどで、その成長力から在来植物を押し退ける脅威があると伐採が進められた。ただ花は美しく蜜源になるほか、緑化木としても優秀ということで、かろうじて駆除されるまでには至っていない。ただ新たに植えるのは厳しいだろう。ここに伐採後の用途として薪という用途が生まれたわけか。
材質は硬いから火持ちはよいように思う。生長が早いことも考えれば、しっかり管理することを前提に薪炭林にできるかもしれない。(脱線するが、林野庁は早生樹、早生樹と言いつつもアカシアは含めない。コウウヨウザンのような外来種は奨励しているのに。)

見た目は赤い色合いが強いから、ナラの薪を至上のものとするユーザーに受け入れられるかどうか(^^;)。

とはいえ、本来はどんな木でも薪になるのがよいのだけど。商品として扱うのは、それなりの量が入荷でき、安定的に供給するルートがあることだろう。この薪はどこから調達したのかわからないが、一過性だろうか、今後もずっと供給されるのだろうか。

2020/12/22

週刊新潮の記事と新潮社の思い出

以前にも予告した週刊新潮に、「森林買収とプライベートキャンプ場づくり」の記事が掲載された。

木曜日発売の雑誌だから、この号が購入できるのは明日(23日)までた。興味のある方はお早めに(^^;)。

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週刊誌、とくに新潮社だから、ちょっと気にかけたのは文体かな。なんと言っても新潮社は「女子どもは相手にするな」が社是だったそうで。週刊新潮もあくまで大人の男性がターゲット。だから、男向きの文体とネタを盛り込んでいる。私も文体を変化させられるのだよ。
まあ、そんな社是はあっても、そもそもは純文学を始めとする文学系の出版社だし、今はマンガ誌も発行しているし、小学生女子、中学生女子ファッション誌も出しているが……v(^0^)。

ところで、かつて「シンラ(SINRA)」という自然系ライフスタイル雑誌も出していた。(これは後に編集元を外部に変えて再出発したが、また休刊になっている。)実は「シンラ」とは若干縁があって、今はなつかしいパソコン通信ニフティサーブの時代、フィールド&冒険フォーラムというコミュがあり、私はそこでサブシステムオペレーターをやっていたのだけど、そこで「シンラ」の部屋を設けてあって、私も管轄していたのだ。実際の会議室には「シンラ」の編集部員が入ってもらっていたが……。

いい雑誌だったんだけどなあ。。。。ちょっと売上部数的には厳しかったのかもしれない。休刊が決まったときは、大阪に編集者を呼んで愛読者を集めて「囲む会」を開いたよ。その時に記念にもらった「シンラ」印のメモ帳。今も1枚だけ保管しているという……。

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そして、これも今はなき「新潮OH!文庫」から拙著『「森を守れ」は森を殺す』を出版してもらっている。これは老舗の新潮文庫と違う色を出そうとノンフィクション中心の文庫だったのだけど……今は吸収されてしまったなあ。

とまあ、ちょっと思い出話。

 

 

2020/12/21

木製腕時計ゲット×2!

私は、基本的に衝動買いをしない人間だ。十分に考え、本当に購入して後悔しないか、コストパフォーマンスは釣り合っているか、熟考した上で決める。またネット購入もあまりしない。ある程度使うのはAmazonぐらいで、これまた十分に発売元が怪しくないかチェックする。

そんな私が、スマホで衝動買いしてしまった。

たまたま何のページだかについていた広告に木製腕時計が表示されたので、内容を眺めたのだ。ちなみに、ここまではよくある。木製腕時計は私のトレードマークにもしているわけで、見るだけなら興味がある。まあまあ、見た目はよろしい。が、目を見張ったのが、とんでもセールをやっていたこと。たしか1万9000円ぐらいのが1万円そこそこに値引きされており、さらに1つ購入したら2つ目は無料! なんだ、そりゃ。

気がついたらクリックしていた(^^;)。そして、気がついた。このメーカーと販売店、アメリカだわ。日本語表記だったのに、購入したとたん、英語のメールがどどどと押し寄せる。これは大丈夫なのか。騙されていないか?

なお現在の木製腕時計は5代目なのだが、ここに至るまで結構苦労している。

最初のは、これも偶然のように手に入れた。何のポイントだったか忘れたが、結構たまっていたのでそれで買えるものを探したのだ。するとポイントを使えば残金が3000円程度で手に入る木製腕時計を見つけた。それこそ玩具程度のつもりで、話のネタになるかな、と思って購入した。それが抜群によかった。軽いし、触り心地がいい。デザイン的にもよかった。そのうち話のネタではなく、日常的に身につけて自身のトレードマークになったのだ。

それを旅先で盗まれて(置き忘れて取りに帰った5分ぐらいの間になくなった)、しょうがいなしに2代目を探す。その時は一応国産にこだわった。ところがあっと言う間に壊れるのだ。マシンがイカれたものもあったが、肝心のバンド部分の木が割れてしまう。国産と思って注文したのに中国製だったこともあり、どれもこれもできそこないばかり。

結局、多少値は張ったが、イタリア製のアバテルノにして落ち着いた。バンドもマシンも壊れない5代目に至ったのである。(それ以来、私は国産のものづくりを信用しなくなった。)

ただ、先日ザックを背負うときにバンドをひっかけてピンが外れてしまった。そこで修理に持っていったら、わずかにピン穴の部分が欠けていますよ、と言われた。仮にピンをはめても、すぐ外れてしまいかねない、と。しかも、ピンの種類が日本製と違って細い代物で、すぐにはできません、と言われたのだ。

それが頭にあったからだろうか、今回の衝動買いは。

それから毎日のように英語のメールは届くが、いったいいつになったら商品は届くのか。価格もドル表示に変わってしまって、ちゃんと真っ当な金額を引き落とされるのか。トンデモ金額を請求されないか。ドキドキである(^^;)。

それが、ついに届いた。ちゃんとアメリカから。

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竹製の器に入っているのにはちょっと驚き。これまで購入した時計でもっともパッキングが立派だ。
が、私の衝動クリックどおりの2つの時計が入っていたよ。これが実質1万円程度か。送料も込みだから、いったいどうなっているんだ。一つ5000円以下の品なの? 見たところは悪くない。材質はなんだろうか。黒いけどウォールナットと書いていたような記憶があるんだが。マシンはたいしたことなさそうだが、狂わなければいいや。

ともあれ、私のトレードマーク、復活。

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そうそう、忘れていた。メーカーは、TruWood である。

 

2020/12/20

Y!ニュース「子どもの挑戦に「お口にチャック」。」書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「子どもの挑戦には「お口にチャック」。焚き火は脳活性化の教育に最適だ!」を書きました。

実はネタとしては前から温めていたのだけど、まず林野庁の検討委員会の内容を読んでいて「?」と思ったのが最初。そこにブログに「焚き火ネタ」をいくつか書いて、ぐつぐつと煮詰めた?上でのYahoo!ニュースへアップでした。

それと、毎年年末の初冬になると、これまでは薪ストーブいじりをしていた(^^;)。薪ストーブにいちゃもんつけると、必ず反発してくる人間がいて、それが面白かったので……。
さすがにネタ切れになってきたところに、たまたま焚き火を目にして、次は焚き火で行こう、と思ったというのもある(笑)。

とはいえ、実はここ数年焚き火ブームだそうである。焚き火グッズも次々と開発され、販売も伸びているらしい。これまで焚き火は自然破壊だとか地面を汚すと言われていたり、結構着火が難しかったりで敬遠されてきたのが、焚き火台を始めいろいろグッズが出てきて解禁になったのではないか。焚き火台も、最初はバーベキュー台で焚き火が行われていたのを見て専門に作り出したという。

さて、「やはり子どもに焚き火をさせるなんて」「火傷したら、どう責任をとるんだ」とか「子どもがマッチを擦るのを覚えたら、何にでも火をつけてしまう」などと文句をいう人が出るだろうか。これからの反響が楽しみである。

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でも、こうして火を囲んでいる子どもたちって、いいよなあ。。。ここから森林理解の一歩が始まるんじゃないか。

 

 

2020/12/19

#麒麟がくる~承認欲求は恐い

NHK大河「麒麟がくる」を見ていて感心した。

もともと歴史ものは好きだが、それをドラマにすると、登場人物(とくに戦国大名など)のキャラクターをどう設定するかが重要となる。ありきたりというか、世間のイメージのままの人物像にしてしまうと、つまらない。その点「麒麟がくる」は、そもそも謀反人としての人格が焼きついている明智光秀を主人公としたところからちょっと期待していたのだが、ほかにも影が薄く薄っぺらな扱いをされがちな足利義昭などもていねいに描くなど、なかなか見せる。

が、何といってもうなるのが、織田信長だ。たいてい常識外れの発想を持つ暴君的に描かれてきた信長をメンヘラに設定した (゚o゚;) 。ちょっとメンタルヘルスのイカれた不安定な精神状態の若者としたのだ。そして承認欲求が強く、それを求めることが世間の常識から外れてしまう元という人物造形だ。

最初は母に、父に求めた承認欲求が、やがて帰蝶(妻)に、そして公方様(征夷大将軍)に向ったのだが、ちゃんと承認してくれないと思えば、次はである。将軍を見限り、より上位の天皇こそ、自分の実力を認めてくれると接近するのだが……。

ここからは、私の予想、いや妄想。次は帝を見限るぞ。そして誰でもない、神に承認してもらう欲求が頭をもたげるのではないか。さらに進むと、いっそのこと天皇家を根絶やしにし、自ら天皇になるか、自らが神になればいいと気がつく。自分(神)が自分を承認すればいい。となると邪魔なのは帝。そこで御所の焼討を計画する。実働部隊として期待するのは、息子・信忠と、もっとも信頼する光秀だ。ほかの家臣は全国に散っている中で、光秀だけを京に配置していたのもそのためだ。
となると、同じく公方様より帝に心酔していた光秀は焦る。そこで信長を止めようとして引き起こしたのが本能寺の変。おおお、ぴったり納まるではないかv(^0^)。ようは信長の子ども時代の不遇に原因があったのだね。

ま、こんな夢想をしていたのだが、話をもどすと人間にとっての承認欲求とは何か。

どうやら人間の持つ欲求のかなり上位に位置づけられるようだ。生理的欲求や安全性の欲求などより後に現れる強い欲求らしい。社会で自分のいる位置、そして価値を求める心理的な根源だ。逆に見ると、始めから自らの存在価値に自信を持っていたら承認欲求は強くならない。すでに承認されていると意識するからだ。

たまたまた読んだマンガで、起業したたくましい女性が「なぜ私が自信満々なのか」という理由を語る。それは「親に愛されたから」。小さな頃から両親に徹底的に愛されたから、自分の(精神的な)居場所ができた。自分は存在してもいいんだ、という思いが強いから、何をするにしても自信が湧くのよ、と語るのである。これは、わりと心理学でも指摘されていることだ。

承認欲求が強いというのは、裏返して自分の居場所に安心感がないからかもしれない。だから自分のすること、口にしたことにも(潜在的に)自信がない。それゆえ異論をぶつけられるとキレる。現状(自分の意見)に固執する。客観的な状況より、自分が提案したという事実にしがみついて、それを変更すると、自身が侮辱されたように感じ、変更すると自分が崩れてしまうと感じるのだ。でも、固執するから事態は悪化していく。そうして自滅するのだね。

……そんなことを、昨今の政治家を見ていて、感じたのだよ。愛されていなかったんだなあ。

 

2020/12/18

ノネコ騒動から「カワイイ」正体を考える

SNSでは、よくネコやイヌの動画を流している。私も、つい見てしまう。1行程度のコピーに騙されて……もういいよ、いつも同じだよ、と思いつつ、見てしまう(泣)。そして一つ見たら、次から次へと現れる。連動広告というヤツか。もういいって。ヤメロ~!(と言いつつ見る。)

とまあ、辟易しているのだが、そのSNSでノネコを巡って騒がしいと思ったら、環境省の奄美群島ノネコ捕獲作戦のことだった。それに予算が増額されて(たかだか1億円程度)3000頭の捕獲を計画しているとかで騒いでいる。そこに衆議院議員が口をはさんで余計に火がついた……という構図。ああ、維新の会か。。。。

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環境省も、ちゃんと解説したりしているのだが……希少種とノネコ・ノラネコ

そんなていねいな説明を一切気にしないのが、ネコに心を奪われた連中(笑)。ここに知性は見られない。ネコを殺すな、の一点張り。

シカやイノシシは大量に捕獲殺処分されているし、ネコがアマミノクロウサギやオオミズナギドリを獲って食べている(殺している)ことにはまったく言及しない。いや、アマミノクロウサギが減ったのはマングースのせいだ、マングースを退治しろという主張もある。ネコさえ助かればほかの動物のことなんかシッタコトジャネエ、ということか。
クマの場合は、「殺すな」と「危険だから殺せ」と意見がほぼ真っ二つに分かれるのだが、ネコになると「殺すな」が99%になるのはなぜか。

動物は野生と家畜とペット……だいたいこの3つに分かれるが(ほかに展示動物とか実験動物など)、なぜ野生動物が家畜になったのか。さらに愛玩動物(ペット)が登場するのか。結構、昔から考えているのだが、ペットはもっとも不可解な存在だ。

その点を『獣害列島』の末尾で論じたのだが、そこには「カワイイ」という感情が横たわる。これが曲者で、何をもってカワイイのか定義づけるのが難しい。詳しくは読んでもらいたいが、ローレンツの「ベビースキーマ」理論とかを取り上げたものの、思索はまだ続いている。残念ながら結論は出ていない。「カワイイ」と「萌え」の関係とか、キャラクターに対する「カワイイ」感情と共通点はあるのかどうか。
この点を詰めないと、頭空っぽの反知性的「ネコを殺すな」連中に対抗できないのではないか。。。

で、こんな本も読み始めた。

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この本についてはまた改めて。ただ、ひっくり返して考えた。異種にカワイイという感情が芽生えたから、人間は人間になった……カワイイという感情こそ、動物と人間の境界線にある。

もっとも、現在は乱用気味だろう。ネコだけを殺すな、という声もその一つだろう。いつか「カワイイ動物」から一大論考を展開してみたい。

 

2020/12/17

倒木の根に地層を見る

たまたま歩いた山は、倒木だらけだった。まあ、ここ数年、各地の山は台風のせいか倒木が多いのだけど。

それも根っこごと倒れている。道沿いの木だったら、道を抉り、巨大な穴を開けているものもある。

で、こんな根っこの裏の写真。

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なんか、ミョーな模様になっていることにお気づきだろうか。根っこが表土を抱えて倒れたのだけど、その表土に見事な地層(の断面)が見える。しかし、あくまで表土をめくったのであって断面じゃないはずなのだが。これ、どんな状態だったのか。

ブラタモリ流?に推理すれば、地層が横倒しになってその上に表土が堆積していたのか。そこに樹木が繁っていた? 根っこは地層の断面と積もった表土の境目に細根を伸ばしていたので、倒れる際にきれいに表土を引き剥がし地層の筋を転写した……。

ま、いろいろ地質の成り立ちを考えてみるのも面白い。

 

 

2020/12/16

国民森林会議の提言に「恒続林」

国民森林会議が、2020年度の提言を公表している。国民森林会議は、今風にたとえれば、日本学術会議の林業板みたいなものか。会長は藤森隆郎氏、提言委員長は泉英二氏となっている。

肝心の提言は、「持続可能な森林の管理(経営)」を論じた第1提言と、「法正林思想」や「恒続林思想」の現代的意義を論じた第2提言に分かれる。なかなか読みごたえある。大部なもので、とても全部は紹介できないが、たとえば第1提言。

日本も加盟しているモントリオールプロセスについて述べると、「持続可能であるか否か」を判断するためには、「生物多様性」、「生態系の生産力」、「社会・経済的便益」など 7 つの基準と、それらを具体的に示す複数の指標の動向によって総合的に判断していくものとしている。この仕組みはヨーロッパ起源の民間主導による「森林認証制度」の枠組みと共通性が高い。

後半では、人材育成を論じている。

ヨーロッパのフォオレスターのような優れたリーダーとなる技術者が、日本でも地域ごとに必要である。経験則や科学的根拠に基づいた森林施業の技術指導から、経営の指導、流通の調整、都市部と山村の交流への貢献など、現場に立って林業と一般社会を結ぶ重要な役割を果たす存在が必要である。そのような林業技術者のリーダーを育成し、活躍できるシステムを築けば、それぞれの地域の林業家の経営力、技術力のレベルは向上し、「持続可能な森林の管理(経営)」の必要条件は高められる。

さて、私が注目したのは第2提言だ。法正林思想と恒続林思想が登場するのである。

両者は名前は似ている?が、正反対の思想と言っていい。前者は数学的に森林の収穫物を扱っているのに対して、後者はある意味フリースタイル。そして法正林思想を歴史の中で否定されたとし、世界の林政は恒続林思想の流れに乗ったとしている。ところが政府は、いまだに前者を推進しているのである。

そういや、もう10年以上前になるが、たまたま林野庁の若手?ベテラン?と飲む機会があって、私が恒続林の話を話題に振ったが、まったく無反応(おそらく「恒続林」という言葉自体を知らなかったのだろう)だったのを思い出す。

ただ、難しい林業理論や林政はさておき、日本の林業の政策の変遷の歴史みたいなのが描かれているから、(私的には)面白かった。

ちょうど『森と日本人の1500年』(平凡社新書)を執筆の際に、この手の林政史の資料をひっくり返し、悪戦苦闘したことが記憶から蘇った。ただ、それをそのまま紹介しても一般向きではないからと、それこそ誤解を恐れず換骨奪胎? いやかみ砕いて説明し直し、いかに一般人に森林と林業の関わりが変遷していったか、林業思想の流れを示したのだが、それでも「難しいよ」と編集者に言われた……のだった(^^;)。

ここでは全体の趣旨を要約した形になっている「おわりに」を引用しておこう。

以上、本第 2 提言では、ここ 10 年来の林野庁の「短伐期皆伐方式」林業は、実は、本家のドイツにあっても既に 100 年以上前に批判にさらされた「法正林思想」に基づいていることを明らかにするとともに、ドイツにおいて、この「法正林思想」がどのような背景と経緯で登場し、どのような機能を果たしたかを明らかにした。次に、「法正林思想」に基づく人工林が、人間にとって都合のよい森林を画一的、機械的、演繹的に作り出そうとしたことに対して、「自然からの厳しい反撃」にあったことを明らかにした。そこで、ドイツでは、「恒続林思想」が登場して、「法正林思想」を全面的に否定したのであった。さらに、20 世紀半ばを過ぎる頃から、ドイツを中心とするヨーロッパでは、多機能林業論、多目的林業論、さらには近自然林業論などへと進化してきたことを明らかにした。
日本の林政は、「法正林思想」を背景に、「持続可能な森林経営」論さえも方便として駆使し、結果として、大量で安価な木材の安定供給だけを目的として、非持続的な荒く粗雑な施業を山元に強いているのである。

どうせなら、日本の動きを林野庁サイドだけでなく、地方の動きも取り入れてほしかったな。奈良県が恒続林を取り入れると宣言したことも含めて……(^^;)。宣伝足りなかったか。

ともあれ、ご一読あれ。

2020/12/15

ジャパンタイムス、そして週刊新潮

今年の私の執筆した記事の中でエポックだったのは、『獣害列島』……ではなく、「プライベートキャンプ場のための森林購入」であった。
(いや、『獣害列島』というか獣害の話題は十分に大きな割合を占めているんだけど、何年も前から取り組んでいたテーマだからね。)

「プライベートキャンプ場のための森林購入」は、Yahoo!ニュースへの執筆がきっかけだが、これまでにないヒットを記録した。単にアクセス数のことだけでなく、テレビ局を中心にメディアの二次取材(つまり私への取材)が多かったことがエポックなのである。

かなりの番組に(声だけも含めて)出演したり、コメントとして画面で扱われたが、それを見てさらに取材を申し込むところもあった。

そのトリを飾るのが、今週立て続けに登場する。

まずは「The JapanTimes」だ。そう、英字紙なのである。メールで取材申し込みがあったが、送り主は外国人名。でも流暢な日本語だった(^^;)。そして電話取材で受けたのだが、流暢な日本語であった。なんでも日本育ちで母が日本人なのだそうである。おかげで安心して取材を受ける。それが10月。

その記事がようやく発行になったようである。

https://www.japantimes.co.jp/life/2020/12/12/lifestyle/escaping-covid-19-nature/

英語で頑張って読もうかと思ったが、ここは自動翻訳で(笑)。わりとよくわかる。山林が三林となっているのはご愛嬌だが。私は後半に登場する。かなり幅広く取材したようだ。このテーマが在日外国人にも興味が持たれるという点で、私の方も興味深い。

Photo_20201215222201 冒頭部。

さて、お次が「週刊新潮」である。実は、当初に取材を受けたのだが(新人記者だった)、それはボツになったよう。ところがその後、私自身に執筆しないか、という依頼が来たのである。

これは願ったりかなったり。取材を受けて何時間もしゃべったり森の中を案内しても、使われるのは10秒程度……となると、なかなか私の真意というかもっとも言いたかった部分を採用されるとは限らない。自分で書くなら全部自分の判断だ。しかも4ページもある! これは破格だ。週刊新潮はわりと1本の記事が長いし、写真などビジュアルより文章、という方針のようで、たっぷり書ける。

当初は私がブームの火付け役であるヒロシに取材するという話もあったのだが、アチラが拒否してきた(-_-;)。ちょっと残念。その代わり、自分の体験談を十分に盛り込める。

しかもしかも、締め切りまで1カ月もあるのだ(その分、校閲も厳しい。)。これも破格だなあ。週刊誌だったら2日ぐらいで書かないといけないかと思ってしまった。読み物記事はサイクルが違うらしい。

こちらは今週発行、つまり17日(木)のはずだ。皆さん、乞う、ご期待。

 

 

 

2020/12/14

Y!ニュース「鳥インフルエンザが人に感染するとき。…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「鳥インフルエンザが人に感染するとき。森林破壊がパンデミックを誘発した」を執筆しました。

本当に鳥インフルは大変なのだよ。西日本ばかりに広がっているから、東日本の人はピンとこないかもしれないが、次々と広がって終息が見えない。これは大変なことかもしれない……。単に卵と鶏肉の価格が上がるだろう、なんてレベルではない。
それなのに東京マスコミめ、まったく報道しやがらないが……と思って、なんとか書けないかと思っていた。しかし、鳥インフルに関することだけの記事を書いてもつまらないし、Yahoo!は意外と専門外(私の場合は森林や自然以外)のことを書くとうるさい。

吉川元農相へのアキタフーズグループの違法献金(というより賄賂)問題と絡めることも可能だが、これまた森林から離れる。本当は、賄賂目的が海外から批判の多いケージ飼いを継続してもらおうという意図なので、アニマルウェルフェアとつながるのだが……。ちょっと生臭い話になって裏取りが難しい。

そんなところに「nature digest」に森林破壊からパンデミックという研究発表を発見。森林破壊が生物多様性を減少させるが、そこから感染症につながるのだから、もってこい! しかも今年は2020年、愛知のCOP10から10年目ではないか。

本当は、今年最後、コロナ禍の1年の締めくくりの記事にしようかと思っていたのだけど、まだ早すぎわな。それに月に1本しか書かないと、これまたYahoo!の目がうるさい。。。。

というわけで、またネタ探しをしなければならないのであった。

2020/12/13

ラクウショウ地蔵

生駒山の公園には、なぜかラクウショウがよく植えられているのを見かける。

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ラクウショウ。落羽松と記すように、外来の落葉性のマツだ。細い羽のような葉を秋になると散らす。すると地面が赤黄色く染まるのだが……そこに飛び出してくるものがある。気根だ。その形から膝根ともいう。

ヌマスギとも呼ぶように湿地を好むのだが、沼では土壌に通気性がないから根っこは息ができない。根が息をするというと驚かれるが、呼吸は必要なのだよ。そして地面から根を盛り上げてくるのだ。もこもことタケノコのごとく地面から顔を出す気根は面白い。

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私は、この気根の中に仏様のような顔をしたものがないか探す癖がある。なかには先が丸く膨らんで、いかにもお地蔵様のような姿になるのだよ。見つけると縁起がいい(^o^)。たくさん飛び出して密集している気根は、集まって相談事をしているお地蔵様に見立てる。「今は密になるのはイカン」と言っているのかもしれないが。


ちなみに日本のスギも気根を出す場合はあるが、それは幹から細い根を出すことで、これがあると木材は黒い斑点みたいなのができるから、材価が一気に下がってしまう。あげくにB材扱い。

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この板の表面にある斑点が気根跡だろう。実は、CLTの表面なのだ(^^;)。

2020/12/12

「池の水」抜くのは誰のため?~相互誤解のススメ

「池の水」抜くのは誰のため? ~暴走する生き物愛~ 小坪 遊著 新潮新書

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拙著『獣害列島』の発行をほぼ同時期(拙著は10月10日、こちらは10月20日)に発行された、同じ動物問題を扱う新書。もっとも正確に言えば、動物というより植物も含めた「生態系」だろうか。

ちょっと目次を引用する。

はじめに――生き物ぐせの悪い人
第1章 「元気でね」放った先は深い闇
第2章 生き物ととるべきディスタンス
第3章 「池の水」は何回も抜こう
第4章 ダークサイドに堕ちた人たち
第5章 悪事を取り締まる難しさ
第6章 あれもダメ、これもダメを越えて
おわりに――私の愛も生き物を殺した

小見出しはたくさんあるので一部を紹介すると……

カブトムシで炎上した市議  
コイを放してはダメな理由
シカが減らすチョウ、
「ジビエ拡大、官邸主導で」
ネコは激しく燃える 
いい画(え)を撮るためなら…… 悪質鳥パパラッチ列伝
誰がブラックバスを放ったか 一部の悪質なバサーとの摩擦
「奄美」と「小笠原」は比べられない
……などなど。

だいたいの雰囲気はわかるだろうか。シカやイノシシ、クマが登場し、ジビエにネコの生態系破壊……と並ぶ内容は、拙著でも取り上げたテーマ。私的にはそんなに新しいことはなかった(というか、私も執筆に同じテーマのことを調べたのだから、重なっているのだ)が、ようするに善意だろうが悪意だろうが、生態系を狂わせることを人は多くしているということだ。そして生物多様性は危機に瀕している……その点は、野生動物が増えすぎ人間社会に害を及ぼしている問題にフォーカスした拙著とは切り口が正反対かもしれない。
私自身は、ここにあるような悪意の事例を目にすると頭に血が上るタイプなんで、読むのはちと辛かった。

ところで、私がこの本を読んで考えてしまったのは、実は内容よりも、執筆のスタンスというか心がけだった。

本文にもあるが、「あれもダメ、これもダメ」になると読者は、「生態系を守るなんて、なんと面倒くさいことか」と思って敬遠してしまう。気軽に動物と接する行為でも「ちゃんと勉強して動物を扱わなくては間違える」「助けたつもりが逆に自然を痛めつける」なんて言われるととやってられなくなる。「ええい、自然なんかとうでもなれ!」と思ってしまわなくもない(^^;)。

だからだろうか、本書は非常にかみ砕いて初心者向きに読みやすくしようと心がけたようだ。おかげで、あっと言う間に読み終えた。
全文「~です~ます」調で書かれているのもその工夫の一つだろう。私は対談などの話し言葉でないのに、ですます調というのは苦手なのだが……。
また一つの行為を取り上げる際に、こういう意図もあったのではないか、もしかしたらこんな可能性も……と全方向的?に語る。誤解を招かないようにていねいに記したのだろう。よく科学者は前提条件を重んじてこのような書き方をするが(この実験結果は、これこれこういう条件下で行われたから出たのであって、条件があれこれ変わるとまた別の結果が出て……といった書き方)、それと似ている。でも私は苦手である(^^;)。

いや、腐しているのではなく、わかりやすく書くことに、そして正確に伝えることに著者は腐心したのだな、と感じたのである。私とは、正反対かもしれない(⌒ー⌒)。

私自身は、「読者には完全に伝わらない」という前提に立つ。これはどんなにていねいに伝えても、(私の言い分を)すべて理解されることはない、と思いつつ書いているということだ。もちろん私の書き方(文章、構成)や読者の読解力・性格などに負うところもあるのだが、いかに頑張っても完璧に伝えられないし、読者を納得させられない……というのが私のスタンスなのだ。だから、正確性は二の次ヾ(- -;)オイ じゃなくて、ばっさり書きがち。例外・周辺事例は切り捨て、コアな部分に焦点を当てる。それが誤解を呼ぶことも多い。

これを「相互誤解」と呼ぶ(笑)。相互理解なんかは夢物語で、お互い誤解し続けるものという前提だ。その中で読者対象を見極め、最低限伝えたいコアを押さえること、その部分だけでも記憶に残す方法はないか、と考えてしまう。また「美しき誤解」もあるはずだ。お互いわかった気になる、伝わった気になる……そんなコミュニケーション。

思えば人間と動物の間のコミュニケーションも、相互誤解ではないか。その間で、ぎりぎりお互いの利得のために落としドコロを探りたい。生態系のことも、生物多様性のことも、人間の生活・気持ちも、そうした発想の上に立って自らがとるべき行動の選択をしていく。
イヌやネコの気持ちがわかった、こちらの気持ちをわかってくれた、と人は思いたがるが、本当のところはどうだろう。でも美しき誤解をしておきたい、とも思うのだ。むしろ誤解を美しくするために、最善を尽くした書き方を考えたい。(それが難しい。)

この記事も、誤解されて読まれる可能性大だな……。

 

 

2020/12/11

侮るなかれ、ネコの捕食力

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この写真、よくわからないかもしれないが、近くの山の中にあった鳥の羽根。その散らばり具合から襲われたのだろう。実は一カ所ではなく、ほかにも何カ所かあった。つまり、この山(というより丘)では鳥がよく襲われているらしい。そして、その“犯行”を誰がやったかと言えば……鳥を襲えるような敏捷な動物は、おそらくネコであろう。タヌキ、イタチなども候補に挙げられるが、ちょっと弱い。事実、この近辺にノラネコは多いのである。

山の中で、ネコに出会うことがある。捨てネコからノラネコになりつつある。そのうちノネコとなって野生化する可能性もあるだろう。

これは、また別のところで見かけたネコ。

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拙著『獣害列島でも、イヌ、ネコ、とくにネコの野生化について論じたが、そのために調べているうち「ノネコ問題」に話を絞っても面白いかなあ、と思うほどだった。実に奥が深い。

ネコ科は最強の肉食動物と言われていて、なかでもネコは小型ながら自然界におよぼす影響は大きい。環境に害を与える「世界の侵略的外来種」にネコは認定されているのだ。それなのに人間からは「可愛い」ということで保護されてしまう。駆除に対しても風当たりが強いのだが、少なくてもノラネコ・ノネコ(野生化ネコ)問題はもっと真剣に考える必要はある。

というようなことを考えていたら、森林総研や東大、そして山科鳥類研などによるこんな研究が出ていた。

準絶滅危惧種オオミズナギドリの大規模繁殖地が危機に ―伊豆諸島御蔵島のノネコによる捕食の実態が明らかに―

伊豆諸島の御蔵島でこんなことが起きていたのか。小笠原諸島や奄美群島のノネコ問題は、これまでも多少紹介されていたが、御蔵島はもっと小さな島だから影響は大きいだろう。175万~350万羽もいたとされるオオミズナギドリが、10万羽程度まで減ったというのは大変なことだ。
ノネコ1匹が、平均313羽(年間)捕食しているという推定はすごい。ノネコの推定生息数は書かれていないが、最低でも数百匹はいるんだろうな。

ノネコの狩猟本能は強く、また餌として食べる量からして自然界に与える力は強い。小笠原諸島でアカガシラカラスバト、奄美ではアマミノクロウサギやアマミトゲネズミ、ケナガネズミ……など絶滅危惧種を襲って食べ、生息を圧迫している。世界的にもネコのために絶滅に追い込まれる動物は少なくないのだ。

とはいえ、ノネコ駆除を言い出すと、また反対する連中がわんさかいるんだろう。小笠原諸島からは1000頭以上が捕獲されたが、それらは殺処分せずに東京都獣医師会が引き取って里親探しをしている。東京の人口が多いからできることだが、それでも十分な引き取り手がみつかるわけではないらしい。場合によっては獣医師の手元で飼い殺しになる。これほと捕獲しても小笠原諸島のノネコはいなくならない。捕まらないネコが今も増殖しているのだ。それなのに、御蔵島のノネコまで引き取れないだろう。

本州のような大きな島となると、ネコが鳥獣に与える影響を調べるのは難しいだろうが、決して軽微とは言えない。しっかり研究をする必要があるだろう。

2020/12/10

柵の中のナラシカ

ときどき奈良公園を訪ねる。今年は海外客がほとんどいず、ほどよい感じでゆっくりできる。これが奈良の良さだよ……と言いたくなる。

で、ナラシカも元気だ。鹿せんべいをくれる観光客が少なくたって、焦らないでいい。なんでも食べて生きていくのだ。

そして、こんな光景も見られる。

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ん? 何か……おかしい。どうした、ナラシカ。

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おい、樹木を守るためのネットの中にすっぽり入っているではないか。別にナラシカを閉じ込めたわけではないぞ。自分から入ったのだろうが……ネットの中の芝生は、ほかのシカに食べられていないから草の量が多いのか。しかし……。

こんな光景は、山の植林地に行けば、フツーに見られるけどね。。。

 

 

2020/12/09

CLTの歴史から日本の情報脆弱性を知る

CLTについて調べている過程で、「そもそもCLTは誰が発明したんだ?」と思いついた。

板を張り合わせてパネルにするのは、すでにLVLなどさまざまな建材がある。そして直交させて張るというアイデアも、合板と同じだ。合板のベニヤ板(丸太をかつらむきにした薄板)を直交させることで強度を全方向に増している。それを分厚い板でやっても同じ効果が見込めるし、面になって用途も増える……このぐらいなら誰でも考えつくだろう。だが、実際に商品化したのはどの国の誰だ?

で、少し調べる。残念ながら確定的な情報は見つからなかったのだが……。

CLTを考案したのは、ドイツらしい。1990年代の初頭に産み出したという。ただ接合面をどんな形状にするとよいか解決せず、止まってしまったらしい。ところが1995年ごろオーストリアが成功させた。

CLTの接合にはそんな厄介な問題が含まれていたのか。単に板の表面に接着剤を塗ればOKではなかったのか。これは意外。もしかしてパテントもあるのかもしれない。ともあれオーストリアで実用化してから各国で発展させてヨーロッパ一円に広まった。さらにアメリカ大陸にも普及したらしい。欧米では、すでに住宅やビルにパネル工法が広まっていたので、適合しやすかったのだろう。一気にCLTを使った建築物が増えたわけだ。

1_20201209162701 オーストリアの建築物

では、それがどうやって日本に入ってきたのか。これは銘建工業の中島浩一郎社長の証言が重要だ。それによると1997年にオーストリアに合弁会社をつくっており、そのパートナーから「CLTに興味はないか」と言われたという。これが何年か記載はないが、2000年前後だろうか。
ただその時は忙しくて、とくにCLTをどうこうしようと思わなかったらしい。そして2004年にウィーンで4階建て木造アパートを見た。これがCLTの建築で、新しい木の使い方が生まれていることを再認識した。ただ、それでもすぐに飛びついたわけではない。

ようやく日本にCLTという話になるのは、おそらく2009年だという。国交省に設立された「木の家づくり検討委員会」に中島氏が呼ばれて話をすることになった。たまたま当日はヨーロッパから帰ってきたばかりで、その時にCLTを紹介したそうだ。そこでは、日本でCLTをつくれば木材需要を一気に伸ばせる……いった夢を語った。すると住宅部長が興味を示して本気でやる気はあるか、と聞かれたという。

どうもその時は、中島氏はたいしてやる気はなかったらしい(笑)。が、そうは言えずに「はい」と返事したそうである。すると、2カ月後にCLTの実験用に3億円の予算つけたから、と連絡が来た。しかし11月で年度中には無理ということで8000万円で期日も翌年8月まで伸ばして始めたということだ。これが実質的な日本のCLT事始めだろう。

その後、2013年12月に日本農林規格(JAS規格)が制定され(「直交集成板」という名称もここで決まった)、本格的にCLTが広まっていくのだ。

う~ん、これがCLTの発明と日本伝来の歴史だとしたら、わりとあやふやな状態でスタートしたようだ。本気でCLTに惚れ込んだのは誰だ?本気で林業振興に役立つ建材と思ったのは誰だ? 

気がつくのは、ヨーロッパでCLTが実用化したのが1995年として、日本で動き出すのはなんと15年後なのである。この情報伝達の遅さはなんだ? グローバル化の時代、おそらく中島氏以外にも建材を扱うメーカーや商社、それに研究者なども当時のヨーロッパの動向としてCLTという建材が登場したことを把握していた人はそこそこいたはずだ。だが、政治家も官僚も誰も知らなかったのか? 官僚に具申する人も中島氏以外にいなかったのか。

本当にその内容を煮詰めて、「これは日本では無理だね。導入する必要はない」という結論を出していたというのならまだしも、おそらく何も考えることなく、スルーしたというのが本当のところではないか。
この時代、情報だけなら世界中を瞬時に結んでいる。ヨーロッパに行かずとも、インターネットでCLTの存在を知った人もいただろう。だが政策立案にもビジネスにも反応しなかった。日本人の情報に対する感度の弱さというか脆弱性を感じる。木質建材の将来を読んでいたのは中島氏だけだったのか。また林野庁など林業系の人は食いつかず、国交省から動いた点も面白い。


ところで……実は私も「木の家づくり委員会」には参加したことがある\(^o^)/。12年の末に意見陳述を求められて霞が関を訪れたのだ。たしかに、その場に中島氏もいたなあ。私は何を話したっけ。「木は見た目が9割」というタイトルだった。それにフローリングは建築基準法の穴場!とか口走ったような気がする(笑)。
この会議で印象的だったのは、国交省の委員会とは言いつつも、林野庁の人も出席していたことだ。そもそも「木の家づくり」自体が林業振興を目的としているのだから。ところが一切発言しない。司会者が気を利かせて指名しても、まったく話そうとしなかった。「勉強させてもらいます」とだけ行って発言を拒んだ。私の林野庁に対する絶望は、この頃から始まったのかもしれない。

これは私が幾度も書いていることだが、CLT自体は面白い建材だと思っている。建築系から見ても新しいアイデアがいろいろ湧くはずだ。ただ……林業振興にはならんよ。素材がBC材であることと、その買取価格を知った時点で無理と思った。そういう意見を持っていたようにも見えない。その後林野庁はCLTの推進に邁進するんだからね。

なお、CLT以外にもDLT、NLTなど板の接合の仕方の違い(ダボ、クギ)で新たな建材が誕生しているし、超厚物合板もある。競争は激しくなるばかりだろう。

 

2020/12/08

林業界に脱ガソリン車、脱石油の流れはくるか?

政府は、国内の新車販売を2030年代半ばにガソリンだけで走行する車を禁止する目標を設定する方向で調整に入ったというニュースが流れている。ようは電気自動車とハイブリッド(電気・ガソリン併用)車だけしか販売しないということだ。

そこに東京都の小池百合子知事が、都内で販売される新車について、2030年までに「脱ガソリン車」にする方針を表明した。30年代半ばではなく、30年である。ちなみに二輪車も35年までに脱ガソリン。さて国はどうする?(笑)。都の後塵を拝してはみっともないぞ。

そう言えばガソリンスタンドがどんどん減っているが、単に人口減というだけでなく電気自動車が増えたらガソリンいらないし、ハイブリッド車は燃費がいいから、あんまりガソリン売れない。過疎地ではガソリンスタンドが近くになくて不便だが、それがより電気自動車切り換えを後押ししそうだ。
そういやノルウェーでは、街角の駐車場兼電気スタンドでは、無料で充電できるそうだ。つまり燃料費がタダになる。こりゃ、電気自動車が普及するはずだ。

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ちなみにイギリスは30年でガソリン車販売禁止、35年でハイブリッド車も禁止にするそうだ。フランスでは両方とも40年までに禁止海外の動きも急だ。
なおヨーロッパ最大手の石油会社BPは、2030年までに石油・ガスの生産量を40%削減すると発表している。新たな油田ガスの採掘は行わないとも宣言している。石油会社が石油生産をほぼ半減するというのだから、脱石油時代がくるのは間違いなさそう。

で、気づいたのだが、林業機械はどうなるのだろう。脱ガソリン(脱ディーゼルも含む)の中には入っていないのだろうか。あんまり話題に上がっていないようだが、電動林業機械の開発なんて聞いたことがない。それとも欧米では行っているのか?

電動車に切り換えるにしても、電気でどれだけの馬力が出せて、駆動時間はどれぐらいか、と考えると結構な課題だ。チェンソーだって電動になるかもしれない。それにモーターで動かした方が静かで振動も減って健康にいいように思う。林業機械も、もくもくと排気ガスを出しているのを目にしているが、これがなくなるならバンザイだ。

仮にガソリンに固執しても、燃料売ってる店がなくなればどうにもならないだろう。機械化林業、スマート林業化と言われているわりには、そうした点に触れているのを目にしたことがない。

特殊車両だから……といういい訳はやめてよね。甘やかしてはいけない(⌒ー⌒)。

2020/12/07

稲の二期作が産み出すもの

この写真を見てほしい。

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田植えの後……ではない。稲刈りの後だ。10月撮影である。おそらく稲刈りは9月だったろう。

次は11月末撮影。刈り株(稲茎)から葉が再生して、2カ月でそこそこの高さまで生長している。いわゆるヒコバエだ。そして稲穂までつける。

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ちゃんと稔っているだろう。この再生二期作で2倍の米が採れる。2回目の米の方が美味しいという声も……。過剰な窒素肥料が抜けてよい米が育つのだそう。ようするに二期作だ。ただし昔行われたのは、稲刈り後に再び新たな苗を植えて行った。それに比べてこちらは簡単。放置してもいい。

この方法を取ると、田植えは1回で2回の収穫だから、なかなか効率がよい。地球温暖化も見方をしてくれて、少ない農地で多くの収穫が得られる。この研究も行われていて、福岡で行われた実験では、通常の反量(田んぼ10アール当たり)は500キロぐらいだが、2回の収穫を合わせると1400キロ以上採れたこともあるそうだ。

……減反政策に反しているって? そう、それが問題なのだ。実際には2回目の稔りは放置されることが多い。背の低い稲穂を機械で刈り取るのは難しいこともある。

では、どうなるか? この美味しく稔った稲穂は丸ごと害獣の餌となる。まずはイノシシ。そしてシカ。しかも、11月となると田んぼの周りの柵も外され、中に侵入しても人に追われることもない。食べているところを目撃されても「収穫する気はないので、ま、いいか」と放置される。それどころか、「いっぱい食べて満腹になったら、農作物を食べなくなるんじゃないか」という希望的観測を持つ。

実際は稲の美味しさに味をしめて食べ漁る。そして栄養たっぷりつけて冬を越し、出産もたくさんして、数を増やして餌を農作物に求める。春以降は田植えの終わった水田に照準を合わせるのだけど。

獣害は、こうして発生する。

 

 

2020/12/06

「ロシアの丸太輸出禁止」報道

日経新聞によると、ロシアが2022年から丸太の輸出を禁止する可能性があるそうだ。プーチン大統領が今年9月に、国内の林業育成を目的に22年1月から針葉樹など丸太輸出を禁じると述べたという。

まあ、それはさもありなん、と思ったのだが、この情報に対する分析は、日本はロシア産丸太の輸入量が約11万立方メートルにすぎず、最盛期の1970年代のわずか1%程度だから影響はないだろうとしている。

ただ中国が大量のロシア産丸太を輸入していて、それが無理となったら代替に日本産丸太を調達するようになるのではないか、という予測を掲げた。もともと中国では、輸入丸太を加工してフェンス材や家具などにして再輸出する産業があるので、製材では困るのだ。あくまで丸太を求めるだろうから。

その予測が間違っている、というのではない。私でもそれは考える。ただ言い換えると、日本は丸太を輸出するのね、ということだ。

これまで木材輸出国は、徐々に丸太輸出から製品輸出に切り換えてきた。丸太の次は製材、さらに合板や集成材などの製品、そして可能なら家具などに二次三次加工して最終商品の輸出に向うのである。なぜなら、その方が利益率が高く、国内の木材産業育成にもつながるからだ。また丸太のままより輸出量は減るから森林保護にもなる。日本もかつては輸入木材を加工して再輸出して稼いできた。

すでにロシアは10年以上前から関税をどんどん上げて、実質丸太輸出を縮小させてきた。(だから現在、日本にはほとんど入ってこない。)

今回の禁止措置(予測)は、その最終段階である。ほかにインドネシアも1980年代より丸太輸出を禁止して、今ではインドネシア製合板や家具輸出に切り換えている。ベトナムも、木材木加工業界が勃興して稼ぎ頭になっている。その原料に日本の木材も含まれる。

日本だって、白書には利益率の高い製材を増やすべきという意向を記している。

が、実際に輸出されるのは丸太ばかり。それも安値のBC材中心だ。育林経費を取り返せるような金額ではなく、ほとんど山に還元する利益は出ていないという。(素材生産業者は儲かる。補助金がつくからであり、真っ当に自力で稼ぐわけではない。また輸出業者と港湾関係も稼げるだろう。)今回も、ロシア産の代替として国産丸太を喜んで輸出するということは、加工は諦めて原料輸出に特化するということか。完全に原料輸出国になる。

世界の産業発展段階の逆を行く日本。これぞ潮流の逆張りか。すごいぞ(笑)。日経新聞も、淡々と報道しているが、危機感ないのか?

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富山港で見たロシア材(2009年)。わりと細くて、そろそろシベリアの木材資源枯渇を感じさせたのを覚えている。

 

2020/12/05

CLTビルに反対した理由を探る

某地の木造ビル、CLTによる建築物の見学に行った。

そこはざっと6年ほど前、まだ建築基準法がCLTに対応するよう改正されていない時期に建築計画を出して建てられている。だから建築は、ある種の実験的な意味合いの許可を取っていた。なかなか大変だったらしいが、そのため国を動かし自治体を動かし、各界の協力を得てなんとか建築することができたという。

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ただ、その際にもっとも反対したのは誰か。

単に建築費が高くつくとか、施工業者が初めての工法を嫌がったとかいうのではなく、「何でCLTなんかで建てるんだ……」と言ったのは誰か、という意味である。意外な答えが出ましたね。

それは……林野庁だったというのですよ。えっ、と思うだろう。だって、CLTをもっとも推進していたお役所のはずだから。まあ、正確には銘建工業の猛烈なプッシュがあったからなんだけど、政府も全面的に応援していたはずだ。農林水産大臣はもちろん、内閣府も。もちろん林野庁はその矛先のはず。だから短時間で建築基準法の改正ができたのだ。

どうも幹部らのCLT推進とは別に、現場レベル、おそらく課長クラス以下?が、CLTビルの建設に文句を受けたのではないか。「面と向って言われるとは思わなかった」という。

さて、問題。なぜ林野庁はこのCLTビルの建設に反対したのでしょう。その理由を推理しなさい(^^;)。

① CLTなんか林業振興に役立たないよ、と本音では思っていた。

② 上からやいのやいのと言われて仕事が増えたんだよ。実際に建築となったらさらに仕事が増えるじゃないか。

③ 建築基準法の改正に一生懸命になっているのに、例外的な方法でCLTビルを建てるなんてケシカラン。

④ 林野庁に相談せずにCLTビルの建築計画をつくるとは、民間がでしゃばるな。

⑤ 自分たちが第1号ビルを考えていたのに、先に建てられたら面目が潰れる。

……これぐらいかなあ、思いつくのは。

ま、どれもありそう。もしかしたら全部理由になるのかもしれない。

今は、とくに役所が関わらなくても建てられるようになった。構造計算が楽になったらしい。それでもゼネコンなどは新しい工法は手間が増えるから嫌がるという。それに価格も割高かなあ。

さて、CLT建築は今もさほど増えていない。どこが間違っていたのだろうか。

 

 

2020/12/04

毎日新聞奈良県版に『獣害列島』

載りました(^o^)。毎日新聞奈良県版は、私が連載を持っているページ(隔週)。ここに載らないとねえ。

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若干遅くなったのは、私の入稿担当者が、『獣害列島』発行直前に異動になったこと。そこで奈良支局長宛に送ったのだが、実は私が以前挨拶した支局長も春に異動になっていて、別の人だった(^^;)。新聞業界も、なかなか異動が激しいところであるな。
異動が多いと聞くと、公務員を連想するが、役所ほどバラバラの部署に移ることはなくて、記者職なら舞台は変わっても仕事内容はほぼ一緒だと思うが、全国に飛ぶから大変と言っちゃ大変。

ちょうど奈良支局の近くに行く用事があったので、挨拶してきた。支局長はもちろん支局員のほぼ全員が初対面だった(^^;)。

ともあれ奈良県民にも獣害のことは意識してほしい。とくにイノシシやシカ、クマなどの多くは奈良県の事例。全体を通しても生駒山のケースが多く記されている。あ、最後に奈良のシカも登場する(^o^)。

 

2020/12/03

森のようちえんの焚き火力

森のようちえんにお邪魔した。

私は遠くからそっと見守るというか、眺めているつもりだったのだが、気づいたら子どもらとぐでんぐでんにと遊んでいた……。
思えば20年ぐらい前には私も娘とぐだぐだと遊んでいたのであった。保育園に迎えに行くと、ドトドと子どもらが集まってきて組んずほぐれつ格闘していた。それがフラッシュバックする。トラウマ 今と違うのは体力だな。昔は1時間ぐらい続けても平気だったが、もはや何分持つか。
コロナ禍も考えたら、濃厚接触はマズかったかなあ。まあ、森林療法で免疫力が高まっていたということで。。。

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森のようちえんを一応説明しておくと、屋内施設は使わず野外保育を行う保育活動。主に森というか、自然の中に未就学児童を連れ出して彼らの好きなように過ごさせる。保育スタッフや保護者も交えるが、なるべく、というかほとんど手も口も出さない。危険な行為も、ギリギリまでやらせておく。だからケンカもあれば、転んだり滑ったり、木から落ちたり……。それも、子どもたち自ら経験でルールを決めたり,何をどこまでやってよいのか学んでいくのだという。

で、こんなシーンもあった。

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自分たちで焚き火。ちゃんと燃えるものを集めてきて、マッチで火をつける。大人としては、つい口を出したくなる。「焚き火っちゅーうのはなあ、こうして薪をくべていくんやでえ」。誰も聞いていない(泣)。やっぱり「お口にチャック」なのであった。。。

それでも火は燃え上がり、サツマイモを放り込んで焼き芋にする。想像以上に子どもたちの焚き火力は高い。

森のようちえんの運営者は、「最初は野外保育をやりたくて始めたのだけど、子どもらと一緒に森について学んでいくうちに、日本の森の現状や林業にも興味を持つようになりました」。

私は日本の林業には絶望してしまった結果、これを建て直すには根本の教育からやり直さないといけないのではないか、と思いかけている。そしてそれは、子ども心に焼き付けねば身につかないのではないか、と。

正反対の立場から、同じ所に行き着く。

 

 

2020/12/02

古城の呪い ?

日頃の運動不足を補おうと、今日は古城に登ることにした。椿井城跡。

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おそらくほとんどの人は知らないだろうが、奈良県平群町の矢田丘陵南部に位置する戦国時代の城だ。もっとも、規模からすれば砦と呼ぶべきかもしれない。建てたのは、NHKの大河ドラマ「麒麟がくる」で登場して一躍知られるようになった筒井順慶、その家来とされる嶋左近。平群は嶋氏の土地なのである。地理的には、松永久秀が築いた信貴山城と生駒谷を隔てて向かい合っており、松永勢の大和進出を拒むため迎え撃った城とされる。

ただ、結果的には筒井家は圧されて城は落ちたのか大和は松永支配となった。そして椿井城も松永のものになったと思われる。その後松永家が信貴山城で討ち死にし、筒井氏が大和を握る。そこに豊臣秀長が大和郡山に入って……と続くが、嶋左近は順慶の死後、石田三成の家来として名を馳せて関ヶ原に散る。

さて、この城跡は長く放置してどこにあるのかさえはっきりしない有様だったが、地元の有志が整備して、ようやく町も発掘調査をし始めた。私がたどったのも、そうして開かれた道。標高は高くないし、距離も短いのだが、いざ登り始めるときつい。なんで、こんなに急坂なのか……。山頂は220m。これは我が家より低い(^^;)。

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ところどころにのぼりが立つのは、雰囲気出る。一部にスギが植林されているが、多くは雑木。かつては草山だったと思われるが、今は草木が繁っている。ぜいぜい言いつつ、尾根に出た。すぐに椿井城の南郭に出る。2つの城郭を持った城だったが、今のところ発掘が済んだのは南だけ。

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一部に石垣が残り、掘切、土塁などがあって後期城郭の特徴を残すところからすると、おそらく松永久秀の手によって改修された城ではないか。広くはないが、尾根に砦を築いたのだろう。南も二つに分かれていけ各々に砦があったのだろう。堀切は結構深い。そもそも急斜面なので、ここを攻め上るのはかなり厳しい。それにここに立つと、生駒谷から生駒山~信貴山が一望できる。眼下に戦状況がつかめたのではないか。

ここを守っていた足軽も居たのだろう、どんな戦備えがあったのか、どんな生活を送ったのかわからないが、亡くなった者もいたかもしれない。記録に残らない戦いがあったのかもしれない。と、歴史の一齣を感じて、満足。

その後北郭のあった尾根筋の様子も眺めて下った。今度は急坂を駆けるように下りて、登山口に当たる春日神社に出た。ホッとして気づいた。

カメラを忘れた (゚o゚;) 。。。場所は……頂上の城郭跡である。

ようやく下りて休憩しようと思ったのに……(泣)。放置できないから、再び登る。おかげでカメラはなんとか回収したが、まさか古城まで2往復することになるとは。今度はゆっくり見学なしでダッシュしたから息も絶え絶え。

低い山に登るつもりだったのに、こんなにきつくなるなんて。しかも、帰る前に買い物でスーパーマーケットに入ったら、マスクを忘れた。……

甘くみてはいけない、古城の呪いはある(苦笑)。

 

2020/12/01

庭木としてのスギの剪定

ちょっと寄り道でお休みした生駒の施設。美術会館と名付けているが、ようはアマチュアの発表舞台だろうか。

その庭を少し歩く。一応は和風庭園なのだが。

まず、こんなスギがあった。

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いわずとしれた台杉。スギの幹を伐ることで萌芽を出し、それを上手く育てると、奇妙なデザインになって庭木として重宝されている。このスギは、一般にウラスギと呼ばれる日本海側の品種で、伐採しても芽が出る特性がある。当初は、これで伐採後に植林しなくても次の世代のスギを育てて木材を調達したようだ。これを台杉と呼ぶが、残念ながら萌芽の新たな幹の材質はあまりよくなく、徐々に廃れていく。ところが、その特質を利用して庭木に仕立てるようになったらしい。

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で、その隣にあるスギは……ウラスギでなかったのか、台杉仕立てをしていない。で、この仕立て方はなんだ?
こんな枝先にだけ葉を残すような剪定の仕方は……これもオシャレ?なのだろうか。逆に見すぼらしく見えるのだが。こういうデザインをよしとする風潮というか時代があったのだろうか。

庭木の仕立て方はわからん。

 

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森と林業と田舎