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2020/12/06

「ロシアの丸太輸出禁止」報道

日経新聞によると、ロシアが2022年から丸太の輸出を禁止する可能性があるそうだ。プーチン大統領が今年9月に、国内の林業育成を目的に22年1月から針葉樹など丸太輸出を禁じると述べたという。

まあ、それはさもありなん、と思ったのだが、この情報に対する分析は、日本はロシア産丸太の輸入量が約11万立方メートルにすぎず、最盛期の1970年代のわずか1%程度だから影響はないだろうとしている。

ただ中国が大量のロシア産丸太を輸入していて、それが無理となったら代替に日本産丸太を調達するようになるのではないか、という予測を掲げた。もともと中国では、輸入丸太を加工してフェンス材や家具などにして再輸出する産業があるので、製材では困るのだ。あくまで丸太を求めるだろうから。

その予測が間違っている、というのではない。私でもそれは考える。ただ言い換えると、日本は丸太を輸出するのね、ということだ。

これまで木材輸出国は、徐々に丸太輸出から製品輸出に切り換えてきた。丸太の次は製材、さらに合板や集成材などの製品、そして可能なら家具などに二次三次加工して最終商品の輸出に向うのである。なぜなら、その方が利益率が高く、国内の木材産業育成にもつながるからだ。また丸太のままより輸出量は減るから森林保護にもなる。日本もかつては輸入木材を加工して再輸出して稼いできた。

すでにロシアは10年以上前から関税をどんどん上げて、実質丸太輸出を縮小させてきた。(だから現在、日本にはほとんど入ってこない。)

今回の禁止措置(予測)は、その最終段階である。ほかにインドネシアも1980年代より丸太輸出を禁止して、今ではインドネシア製合板や家具輸出に切り換えている。ベトナムも、木材木加工業界が勃興して稼ぎ頭になっている。その原料に日本の木材も含まれる。

日本だって、白書には利益率の高い製材を増やすべきという意向を記している。

が、実際に輸出されるのは丸太ばかり。それも安値のBC材中心だ。育林経費を取り返せるような金額ではなく、ほとんど山に還元する利益は出ていないという。(素材生産業者は儲かる。補助金がつくからであり、真っ当に自力で稼ぐわけではない。また輸出業者と港湾関係も稼げるだろう。)今回も、ロシア産の代替として国産丸太を喜んで輸出するということは、加工は諦めて原料輸出に特化するということか。完全に原料輸出国になる。

世界の産業発展段階の逆を行く日本。これぞ潮流の逆張りか。すごいぞ(笑)。日経新聞も、淡々と報道しているが、危機感ないのか?

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富山港で見たロシア材(2009年)。わりと細くて、そろそろシベリアの木材資源枯渇を感じさせたのを覚えている。

 

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