林業界に脱ガソリン車、脱石油の流れはくるか?
政府は、国内の新車販売を2030年代半ばにガソリンだけで走行する車を禁止する目標を設定する方向で調整に入ったというニュースが流れている。ようは電気自動車とハイブリッド(電気・ガソリン併用)車だけしか販売しないということだ。
そこに東京都の小池百合子知事が、都内で販売される新車について、2030年までに「脱ガソリン車」にする方針を表明した。30年代半ばではなく、30年である。ちなみに二輪車も35年までに脱ガソリン。さて国はどうする?(笑)。都の後塵を拝してはみっともないぞ。
そう言えばガソリンスタンドがどんどん減っているが、単に人口減というだけでなく電気自動車が増えたらガソリンいらないし、ハイブリッド車は燃費がいいから、あんまりガソリン売れない。過疎地ではガソリンスタンドが近くになくて不便だが、それがより電気自動車切り換えを後押ししそうだ。
そういやノルウェーでは、街角の駐車場兼電気スタンドでは、無料で充電できるそうだ。つまり燃料費がタダになる。こりゃ、電気自動車が普及するはずだ。
ちなみにイギリスは30年でガソリン車販売禁止、35年でハイブリッド車も禁止にするそうだ。フランスでは両方とも40年までに禁止。海外の動きも急だ。
なおヨーロッパ最大手の石油会社BPは、2030年までに石油・ガスの生産量を40%削減すると発表している。新たな油田ガスの採掘は行わないとも宣言している。石油会社が石油生産をほぼ半減するというのだから、脱石油時代がくるのは間違いなさそう。
で、気づいたのだが、林業機械はどうなるのだろう。脱ガソリン(脱ディーゼルも含む)の中には入っていないのだろうか。あんまり話題に上がっていないようだが、電動林業機械の開発なんて聞いたことがない。それとも欧米では行っているのか?
電動車に切り換えるにしても、電気でどれだけの馬力が出せて、駆動時間はどれぐらいか、と考えると結構な課題だ。チェンソーだって電動になるかもしれない。それにモーターで動かした方が静かで振動も減って健康にいいように思う。林業機械も、もくもくと排気ガスを出しているのを目にしているが、これがなくなるならバンザイだ。
仮にガソリンに固執しても、燃料売ってる店がなくなればどうにもならないだろう。機械化林業、スマート林業化と言われているわりには、そうした点に触れているのを目にしたことがない。
特殊車両だから……といういい訳はやめてよね。甘やかしてはいけない(⌒ー⌒)。
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ハスクバーナが高出力の電動チェーンソーを売り出していて、日本の伐採の現場でも使われる様になってきた様です。バッテリー容量の問題で、まだ終日稼働には向きませんが。
投稿: 坂本 | 2020/12/17 17:49
電動チェンソーは普及していくと思いますね。山の現場ばかりではないから。
バッテリーは交換式にするのか、いっそ山の現場にもコンセントを(^o^)。
投稿: 田中淳夫 | 2020/12/18 11:59
昔から、山の中の動力と言えば水力。現代風に小水力発電を設置し、再生エネルギーで伐採できるようになったらいいなと思ってます。
投稿: 坂本 | 2020/12/22 17:18