窯業「試験場」
滋賀県立信楽窯業試験場に行った。
と言っても、この試験場に用事があったわけではなく、待ち合わせの場所として選ばれただけなのだが。
ここで私がふと感じたのは、「試験場」という用語がまだ使われていること。
昔は、公的な研究機関は、みんな「試験場」ではなかったか。林業試験場、農業試験場、果樹試験場、畜産試験場……。多くが設立された戦前期は、あまり「研究」という言葉がポピュラーではなく、何かを調べたり開発したりするのは、「試験するところ」という感覚だったのかもしれない。
それでも昭和40年代、50年代までは引き続いて普通に使われていたような気がする。それが組織改革の時期と相まって、次々と名称を変えて行った。研究所、研究センター、開発センター、技術センターなどなど。国の林業試験場も、森林総合研究所だしね。今も「試験場」が確実に残っているのは、運転免許試験場くらい?
滋賀県では、窯業に試験場という名を残しているのが古式ゆかしい(笑)。もっとも正確な名称は、今は滋賀県工業技術総合センターの信楽窯業技術試験場となっているそうだが。ちなみに、朝ドラ「スカーレット」にも登場して、ロケにも使われたとか。たしかに、そんな昭和な施設が並んでいた(笑)。
前庭には、不思議な造形物が……。
タヌキの化け損ない?トウモロコシに化けようとしたのか、レンガ塀のつもりでいたらツタが巻きついたのか。
なお名前については「窯業だから試験場でよかった」と教わった。「農業試験場なら略してノウシ、林業試験場はリンシになって縁起でもないけど、窯業試験場ならヨウシ。これならイメージ悪くない」そうである。養子と連想すればいいか。脳死とか臨死よりいいわな(^^;)。
そういや東京・目黒には「林試の森公園」という森林公園があるが、これは元国立林業試験場の跡地につくられた。しかし耳にすると、リンシの森、臨死の森と連想するのである……。なんかホラー映画のタイトルぽい。。。
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