トルコの植林面積
さすがに驚いた。いきなり、こんなニュースを目にしたからである。
「トルコは植樹ヨーロッパ1位、世界4位」 トルコ大統領府が発表
ピンとこない。トルコと言えば、中近東の国だから、なんとなく乾燥地帯のイメージがある。実際、内陸部には砂漠もある。せいぜいブドウやイチジクなどの農作物が盛んだから、乾燥地農業はよくやっているのかな、と思い浮かべる程度だ。
具体的には、極めて短く、こんな記事になっている。
トルコ共和国大統領府通信局のファフレッティン・アルトゥン局長が、自身のソーシャルメディアで、トルコは「植樹において、ヨーロッパ1位、世界4位」であり、「森林を増やしている国の中で世界6位」であると表明し、「この18年間で 173万9944ヘクタールの新たな森林が我が国にもたらされた。木について言えば、ヨーロッパ1位である」と述べた。
これだけ。さすがに納得できないので、少し調べてみる。
すると、こんなグラフが見つかった。
森林面積は右肩上がりではないか。ただし森林率は15%。やはり、たいして森林はないのだ。また人工林比率は、30%。
全森林面積のおよそ 30%にあたる 342 万ヘクタールが人工造林地となっている。最近 5 年間では年平均 16 万 ha の造林実績がある。主な植栽樹種はマツ類(Pinus nigra、Pinus brucia)である。トルコの造林事業は「造林・土壌保全総局」のもとで実施されている。
2016年の森林面積は、11万8174平方キロメートル。最も低い1990年の9万6220平方キロメートルと比べると、1.23倍にもなっていて、増加率は高い。日本と比べた表もあった。
こういうのを見ると、まだまだ森林面積自体は大きくないが、植林そのものには力を入れている様子が浮かび上がる。日本は多い多いと自慢している(いや、多すぎるから伐ろうとのたまわる)が、面積は横ばいで全然増やしてない。蓄積が増えたというが、質的には劣化していると言えるだろう。
もしかしたら、今後の国際的な炭素の排出権取引「カーボンプライシング」を睨んでいるのかもしれない。ヨーロッパでは大きな市場となるだろうから、森林を増やすことは国際社会での発言力は有利になる。
ちょっと頭の片隅に記憶をとどめておこう。
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