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森と林業の本

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2021/03/09

白山神社の大杉~日本一のスギは?

妻籠に行った際に見学に行ったのは、白山神社である。妻籠からは少し離れるが、同じ南木曽町の一角。結構、標高の高い山の中の集落にある。

ここには巨木群がある。ヒノキ(これは木曽檜と呼んでいいのか?)も多いが、やはり最大の巨木はスギだ。スギは、条件さえ揃えば非常に大きくなる。

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比較のため、私が並んで撮った写真だが、その横の説明によると、幹周り8・2メートル。樹齢は800年と推定。天然記念物とある。

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ただ、よく読むと、昭和41年12月の指定なのだ。1966年だよ。つまり、55年前。その間に木も太ったに違いない。意外なようだが老木ほどよく生長する。元気なら葉も多く付けているからだ。仮に直径で10センチ太れば周囲は30センチ以上となるし、20センチ太ればなら周囲は60センチ長くなる。今は8・5メートル以上あってもおかしくないだろう。

 

ところで、日本一のスギは、どこのスギだろうか。何を持って日本一とするか、その定義だってないが、直径か幹周り、高さ、材積……などかもっとも樹齢の高いものという基準もあるかもしれないが。

一般に思う浮かべる屋久島の縄文杉は、幹周り16・1メートル。高さも30メートルない。残念ながら、これでは日本一にはなれない。屋久島には、さらに大きなスギも見つかっているが、
さらに大きいのは、高知県大豊町の「大杉」は、2本あって夫婦杉とも呼ばれるが、南大杉は根元の周囲が約20メートル、樹高が約60メートル。北大杉は根元の周囲が約16.5メートル、樹高が約57メートル。

新潟県・三川村にある「将軍杉」は、木の根元近くから5本の幹が天に向かって伸びていて、胸高1.3メートルの幹回りが19.31メートルで、樹高約40メートルとなっている。

スギは、折れたりすると枝が太くなって合体することがあるらしく、そうした場合は胸高当たりの周囲は太くなる。純粋に太いと言えるかどうか難しい。

私も、アチコチの巨木を訪ねており、大杉も縄文杉も見ているのだが、写真がすぐには見つからないからカット。大杉という名では、岐阜県の加子母にも「大杉」があって、幹周りが13メートルぐらいあったし、大台町にも「大杉」はあるし、京都にもある。

まあ、樹木は計る場所が少しずれたら、直径や周囲は何十センチも変わる。それに計測日がはっきりしないので、古いものならその後の生長分も見込めるだろう。だから、この手の数字は当てにならないことをお忘れなく。

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