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2021/03/31

住宅寿命が伸びれば木材需要は……?

日本の住宅の寿命は、約30年。とはよく言われたものだ。ところが、日経ビジネスオンラインに『「日本人は新築好き」は幻想にすぎない』という記事が出た。

詳しくは本文を読んでいた炊きたいが、そのリードには
日本人は欧米人とは違い、新築住宅が大好きだとよく言われる。「古い建物を大事にせず、スクラップ&ビルドを繰り返している、もうそんなことはそろそろやめてはどうか」という意見はよく聞かれる。また、「日本の住宅寿命は30年程度で諸外国よりも著しく短い」という指摘もある。しかし、データからは、そのような“新築信仰”は近年、薄れてきたことが読み取れる。なぜ新築信仰が薄れてきたのか、そもそも新築信仰とは何だったのかを考えてみたい。
とある。

記事では、さまざまな統計手法によって年代別計算の住宅寿命(サイクル年数)を示しているが、それこそ26年から72年まで幅が広い。
たしかに、私も住宅寿命を29年だとかいう統計を見て、それを引用した記事を書いた記憶がある。あまりにも短すぎる。住宅寿命は木造住宅が主だから、林業にも大きく影響を与えているからだ。住宅寿命が短いほど、木材需要が増える。かつて木材需要を支えているのは、住宅だったのである。今は、どんどんシェアが縮んでいるが、それでもA材の売り先は建築材だから、影響力は小さくないはずだ。

私が子どもの頃に住んでいた家は、私が生まれた年に建てられたと聞いた。その後、親が売却して生駒に移り住んだのは私が20歳前後だったと思う。それから何年後だったか、30代半ばに昔の家の近くまで行く機会があったので、「あの家はどうなっているだろうな」と懐かしんで訪れたら、まったく違う家が建っていた。建て直されたのだ。それは、最初の家が30年そこそこで建て直し、つまり壊したということだから、たしかに日本の住宅寿命30年説は当たっていたことになるだろう。それだけ安普請だったということか。

しかし言葉を変えれば、この安普請の寿命の短い木造住宅が、戦後日本の木材需要を支えていて、林業界にも恩恵を与えていたのかもしれない。

最近の家は長持ちするようになってきた。30年が50年、60年、いや国は200年住宅なんて言っているが、これは木材需要をへらすことに貢献するかもしれない。ただ使われている木材は、国産材とは限らない。柱などは外材の集成材が増えているだろう。昔とは逆に合板が国産材かもしれない。ただし人口が減少しているのだから、住宅着工件数も減っていくだろう。

そこに記事が指摘しているように、中古物件の流通が増えているとなると、日本の木材需要はいよいよ縮む。
相変わらず国は、公共建築物を木造化して木材需要を増やそうと意気込んでいるが、それも
バイオマス発電の燃料で統計上の木材需要を膨らますのと同じだ。これまでの木材需要そのものが、無駄な消費に支えられていたと考えれば、需要が縮むのは正常にもどる過程かもしれない。

本当に木材を使いたい利用の需要量を見極めないと、木材でなくてもよい木材需要ばかりを喚起する政策ばかりになる。

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