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森と林業と田舎の本

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2021年4月

2021/04/30

国立公園巡る林野庁と環境省の連携

国立公園の運営に関して、環境省と農水省・林野庁の連携が進んでいるそう。

具体的には、日本の国立公園の約6割(約130万ha)が国有林(日本の国立公園は土地所有に関係なく指定できる制度なのである)のため、これまで所有者としての林野庁と公園として管理する環境省がなにかと齟齬を来していたのをちゃんと連携しましょう、さもないと保護はもちろん利用ができないよ、ということらしい。まあ、目的としては後者に比重があるのだろう。狙うは世界水準!ということで、世界国立公園ランキングトップ25等へ選ばれることを目標にするとか。ようするにコロナ禍後を見込んで、インバウンドの再来に期待しているわけだ。もちろん、連携の模索は、コロナ禍が始まる前からの課題だろうが。

これまでも両省庁は、「国立公園満喫プロジェクト」や「日本美しの森 お薦め国有林」といった利用において連携してきたが、今一歩進めるということか。

そこで、重点地域(世界遺産クラスの自然または誘客ポテンシャルのある地域)として知床、日光、屋久島、中部山岳、西表石垣の5つを選んで、まず実施する。内容には

〇自然を厳格に保護⇒ 両省の制度を組み合わせた保護の徹底
〇自然に感動する体験機会を提供(自然体験フィールドやガイドの提供、入場時のレクチャー、入域料徴収、上質な滞在宿泊施設、利用者数や交通手段のコントロール、施設の脱炭素化)
〇管理者の顔の見える管理体制

とまあ、そんな連携項目を並べている。そのために両省庁職員の合同研修・人事交流や、必要な場合は所管換えも含めて検討する……のだそうだ。

ちなみに重点地域に次ぐ個別の事業を行う「モデル地域」を11ヶ所も選んだ。
阿寒摩周、支笏洞爺、白神山地、磐梯朝日、上信越高原、妙高戸隠連山、白山、吉野熊野、大山隠岐、足摺宇和海、阿蘇くじゅう

よろしいのではないですか、としか言えない(^o^)。

私の記憶で両省庁が絡んでいたのは、奈良県の大台ヶ原。吉野熊野国立公園に入るが、所有は国有林と一部奈良県有林だが、シカ害が酷い。そこでそれぞれが防止柵づくりを行っていた。

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こちらは環境省の柵。何種類かあるが、わりと広範囲に張っている。全体に丈夫な造り。

 

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こちらは林野庁。パッチディフェンスに挑戦だ。小さな柵をいくつも張って、シカ害の分散と、シカの警戒心を呼び覚ます方法か。

どちらが効果あるか、試行する点では面白かったが……。ちなみにシカそのものの駆除は環境省所管のよう。各地にくくり罠を仕掛けていた。この山には観光・登山客が多いだけに、景観にも配慮しなければならず、結構大変そう。観光客の通るところで、シカを駆除できない。木道を設けているが、それも不評だったりする。

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さて、保護と利用の両立という、古くて新しい取組に、一石を投じるかどうか。

 

2021/04/29

山火事通報を表彰?それより大変、コロナ禍と殺人事件

昨日28日に、大阪府大東市のマンションで女子大生殺害事件が起きたことは、ニュースで報道されている。3階の部屋で殺されたのだが、その真下の階の部屋で火事が発生して男が死んでいたという。どうも、この男が犯人ぽい、というのだが…。私もテレビにュースで見たのだが、現場は火事も起きたために消防隊員が写っていた。背中に「大東市」の文字が。

それで、思い出す。

今月初めに山火事を発見して通報したことはすでに記した。Yahoo!ニュースのネタとしても取り上げた。その際に出動したのが、大東市の消防署だった。(ほかに四條畷市からも来ていたように記憶するが……。)

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数日前に、その大東市消防署から電話があり、山火事を通報した件で表彰したいと言われた。えええっ、なのだが、ちょっと迷ったあげくに受諾した。話のネタにもブログのネタにもなるし、何より世間に山火事に遭遇したらどうするべきを知ってもらうにはよいかな、と思うからだ。ついでに森林ジャーナリストという存在も知ってもらいたいし(^o^)。

ただし、肝心の表彰はいつになるかわからない\(^o^)/。

なぜなら、コロナ禍で緊急事態宣言が出ているからである。一応は宣言の期限が明けてからというが、延長必至だけに、いつになるかまだわからないのである(^o^)。

まあ、私は別にいつでもかまわないし、しなくても気にしないのだが、その件について話しているうちに、消防署は火事対応だけでなく救急搬送も役割なのだと気づく。それで、つい話を山火事からそらしてコロナ禍の状況を聞きだす。ちょっと取材気分。
すると「大変なんです……自宅療養中の方の容体が急変したというので駆けつけても、搬送できる病院がないんです。決まるまで4時間5時間もかかることもあって」と、リアルな大阪の医療事情に触れてしまった。

そう、大阪は、病床率が100%を超えている。緊急事態というより、異常事態だ。この1年、行政は何をしていたのか。ワクチンにしても、病床にしても、コロナ禍発生時から予測可能なことなのに、対応してこなかったツケが現場にしわ寄せされる。

そして、そこに殺人放火事件だよ (゚o゚;) 。。。たまりませんね。

もう表彰なんてどうでもよいから、火事に疫病に殺人事件……救急現場は頑張っていただくしかない。私は、奈良に閉じこもっておくよ。

2021/04/28

みどりの日はいずこ? 植樹・植林記念日の行方

明日からゴールデンウィークだそうである。で、29日だから「みどりの日」、と思っていたら、「昭和の日」に変わっていた (゚o゚;) 。
「みどりの日」は5月4日に引っ越したんだそうだ。祝日をそんなええ加減なことでいいのか。ちなみに4月15日から1カ月は「みどりの月間」だと。

そういや、先週4月22日はアースディとかで環境の日であった。実は4月の頭には愛林日(だいたい2~4日)と定められていて、それが植樹祭だったのだが、植樹祭も最近は5月に移っている。そもそも愛林日は、本来はアーボアデイ、植樹の日というアメリカの植樹運動の一環だった日で、最初は11月3日だった。それを4月の明治天皇祭に変えたのは本多静六である。

なんだかややこしいが、ようするに記念日は結構いい加減に日を変えているということと、4月5月は植栽関係の記念日になりやすいということだろうか。

今後、林業でも植林・造林が非常に重要になるだろう。伐採ばかりが林業ではない、ビジネスとしても種苗づくり、植林が強まるのではないか。逆に言えば、この点をしっかりしておかねば、日本の林業の今後は成り立たない。そのことを考えている林業家はどれだけいるのだろうか。伐りたがるばかりの人は時代後れ(笑)

また植樹の日でも制定したらいいのではないかね。

というわけで、こんな記事も書いておいた。

高齢化進む造林事業を"ビジネス"にして、伐採跡地に再造林を! 苗づくりや植え方を吟味して取り組もう | フォレストジャーナル

 

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木曾式伐木運材図式の「鳥総立ち」の図

2021/04/27

「分けたら資源」だけど、分けたら資源が消える?

津山に行ったのは、コロナ禍ご時世に遠路出かけて飲んで歩き、お城見学するため、だけじゃない。

ちょっと寄ったところがあるのだが、そこで見かけたのが、こんな製材品。

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これ、間柱として購入したものなのだそうだが、無節、せいぜい上小節までの逸品に見える。56枚あるそうだ。

でも、これは最初からそうした商品として購入したのではなく、全体は180枚の間柱だった。

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こちらが、そう。よく見ると死に節もあって、2等品扱いか。集成材のラミナぽくもある。ただ、その中から無節、上小節を抜き出したら56枚あったというのだ。ほぼ3分の1。無節の間柱だったら見る目が変わる。もともと間柱は、荷重を支えることもなく、壁を支える下地だから、少々の節があってもかまわない……はず。でも、やはり無節・上小節を好む施主もいるだろう。

仕分けたら、無節の板として価格を上げることもできるだろうに……と思ってしまったが、おそらく仕分ける手間が無駄なんだろうね。全部まとめて幾ら!と売った方が楽だし、そもそも用途的にはあまり人の目に触れないし。結局は仕分けコストを掛けない分、利益も多いことになるのか。

なんとも、日本の林業の現状を象徴しているように感じた。「混ぜるとゴミ、分けたら資源」という標語があるが、いや分別する手間をかけたら「資源」の価値が消えるのよ。A材でもバイオマス燃料にした方が利益は手取り増えるのよ……。

一見、もっともな発想だ。それが木材の価値全体を下げてしまうのだろうけど。

2021/04/26

奇形タケの成り立ちを想像する

本日もタナカ山林を訪れたが、タケノコ収穫ゼロ……。

今年は無理かなあ。イノシシも先んじて掘りに来ているが、そもそも不成りの年らしい。昨年が出すぎたか。むしろイノシシがタケノコ堀りを諦めるゴールデンウィーク明けが狙い目かもしれない、とか夢想する。

3~4月に生えたタケノコは、概ねイノシシに食われるか私が掘ってしまうから育たない。だが林内には、夏を過ぎると多くのタケが育っている。つまりイノシシも私も諦めた5月6月に生えたタケノコがあるのだ。これらを放置すると、やがて雑木林が竹林になってしまうから、切り捨てた方がよいのだが……。そう思って林内のタケの状況を調べていると、結構増えている。

そして、こんなタケを発見。

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真ん中のタケだ。棹の一部が奇形になっている。その部分をアップしてみると。

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棹の下部分で分岐して、棹が2本になっているが、それが上でまた合流するとは……? どうようなでき方をしたのだろう。

タケノコ時代に傷がついた(イノシシがかじったとか)で棹が割れてそのまま生長したものの、上に伸びる過程でまた接触して癒着したのだろうか? 同じ遺伝子だからくっつきやすいかも。あるいは、完全に割れないままに棹(になるタケノコ部分)が割れてそのまま放置したら、割れた傷口が丸まってこんな造形になったとか。タケの棹は伸びきったら生長変化しないはずだから、タケノコ時代に異変があったと思えるのだ。

まあ、小さな山林でも、探せばいろいろ奇形植物が見つかるね。

 

2021/04/25

完全な生態系は地球上で3%?

こんな記事があった。

地球上で生態系が完全なのは3%のみ…これすら過大評価?

ようするに、地球上で完全無欠な生態系は、陸地ではアマゾン、コンゴ熱帯雨林、東シベリアとカナダ北部のツンドラ地域、サハラの一部地域だけであり、その面積は地球上の3%にも満たないというのだが……。

なんか釈然としない。元記事は韓国で、それの翻訳がこなれていないのか……そもそものネタもとである「フロンティアーズ・イン・フォレスト・アンド・グローバル・チェンジ(frontiers in Forests and Global Change)」誌の研究論文の書き方がおかしいのかわからんが……。

で、元ネタ論文の「Where Might We Find Ecologically Intact Communities?にも一応目に通す。

もっとも、英語で読み出したら頭が痛くなったので、機械翻訳に頼った(笑)。結局、こなれていない文で釈然としないのは同じ。

何を持って、「完全な生態系」としているのかわかりにくいのだが、人間の活動のない地域という意味らしい。それでは照葉樹林こそ潜在自然植生、潜在自然植生こそ本物と唱えるあのセンセイのあの理論と同じ発想ではないか。

人為がない状態を勝手に想定して、それと比べて現在は……と言われても困る。その人為の幅もわからない。1万年前の人類だって、地球の環境には影響を与えていただろう。マンモスを滅ぼしたかもしれないし、野焼きをしたかもしれない。そもそも人がいない状態って完全な地球上の生態系か?

そんな「完全無欠」な状態を想定して、その状態が保たれている地域となると、3%どころかゼロではないか。そもそもツンドラやサハラ砂漠を「完全な自然」とするんなら南極も加えるべきでは? あるいは人為的に破壊された部分で成長した動植物の生態系はどう判断する?とか、外来種問題だって、自然に起きた分布拡大と、人為的に種を移動させた場合の違いを区別するのも大変。外来種がつくる自然という見方も必要だろうし。

……等々、疑問が出るのだが、実はこの記事の後半で力を入れているのは、生態系の危機ではない。自然が人間によって破壊されてきたことは自明の理として、自然が棄損された地域に「ゾウやオオカミなど重要な種を再導入すれば、20%まで回復する」としつこく力を込めていることだ。この「重要な種」という概念もイマイチ怪しい。それを選ぶ時点で人為になりかねないじゃないか。

なんだ、これって日本でも一部でシカ害を防ぐためとして声高に唱えている「オオカミ再導入論」と同じではないか。

なんだか、「潜在自然植生」と「オオカミ導入論」という、どちらもカルトチックな理論の下支えをするような論文らしい。ま、原文を読むのを投げ出したからエラそうなことをいうのは本ブログ内だけにしておくけど(笑)。

 

2021/04/24

緊急盗伐ゼロ宣言しない?

ブラジルのボルソナーロ大統領が、気象変動サミットで「2030年までにアマゾンの違法伐採をゼロにする」と宣言したそうだ。

これまでアマゾン開発を進めると、違法も含めて森林破壊を後押しするかのような発言(と規制緩和の政策)が続いていたボルソナーロ大統領がこんなこと言い出しても信用できん、という声はあるだろう。だいたい30年までとは9年かけるということで先すぎる。。。

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が、宣言をするだけマシとも思える。やはり国際世論の風向きを気にしたうえに、気候変動への対応でもあるのだろう。

ちなみに日本でも違法伐採が相次いでいるが、それに対する根絶の意向は政権から示されたことがない。林野庁も「触らぬ神にたたりなし」的対応に終始する。違法伐採は犯罪なんだから警察の領分とでも逃げているのか。だが林野庁の木材生産拡大方針が盗伐を引き起こしていることは誰の目にも明らかだ。
現実にもたいして取り締まりは強化されていない。2年前にようやく摘発が始まったが、ほんの数件にとどまっている。しかも罪状は現実の10数分の1ではなかろうか。たとえば5ヘクタール盗伐(伐られた木の本数は何千本か)しても、立件は12本とか…… (゚o゚;)、さらに林野庁長官が国会で『盗伐か誤伐か区別がつかないので』なんてトボケた答弁をする有様だ。 

5月の連休明けに、ようやくというか、初めて林野庁が宮崎県の盗伐現場を視察することになったと伝わる。本庁だけでなく熊本森林管理局などのメンバーだという。コロナ禍の緊急事態宣言が発令したからとすっぽかす可能性もあるが、ともあれ現場を見て、盗伐ゼロ宣言でも出すべきだ。緊急事態を頭につけると、今風になるよ。せめて蔓延防止?いや、はっきり盗伐は違法です(当たり前すぎる)と訴えないと、関係者はのらりくらりと逃げそうだ。ちょっとは宮崎県も真面目に取り締まる気になるだろう。(無理か?)

 

ところで、私の「予言」が当たって、外材価格に続いて国産材の価格も暴騰し始めたようだ。これをウッドショックと呼ばれるようになった。木材価格が上がったのだから林業家は喜んでいるかと思えば、あまりに急激な値上がりだったので林業家も対応できていないようだ。今木材を出せば高く売れるとわかっていても、すぐには増産できないのである。

しかも、現在の高値によって儲けたのは素材生産業者だけ。数か月前に行われたと推測できる伐採のための山買い(伐採契約)の際は通常の値段だったのに、伐採を始めて原木を売りに出すころに価格が高騰したのだから、山主に儲かった分は全然還元されていない。では、今から次の山を契約する場合には、高値にして山主にも還元できるか……というと、そうした動きもないそうだ。

なぜなら、業者はいつまで高値が続くかと戦々恐々としている模様だから。今契約しても、資材や人員の配置を考えたら伐って出せるのは3カ月後ぐらいになる。だが、3カ月後も今の高値が続いているかわからない。急に暴落する可能性もある。そうなったら高く山を買った分だけ損をしてしまう。素材生産業者はそんな計算をしている。逆に山主は高くしなければ伐る契約をしないだろう。

さて、どうなるか。私は、契約せずにこっそり他人の山を伐る、つまり盗伐に走る業者が増えるのではないかと想像している。目の前に高値でも買うという相手がいるのだから、面倒な部分をすっ飛ばす誘惑にかられるのではないか?

そもそも木材価格高騰だって、木材商社などはちゃんと事態を把握していたようだ。だが国内の林業家には情報が届かなかった。届けても理解できなかったのかもしれない。そして行政も放置した。全然先読みができないのは、コロナ対策と同じだ。

さらにこの先、盗伐対策を強めなければ、いよいよ無能をさらけ出すことになりかねない。

2021/04/23

桜と楓の城跡

またもや緊急事態宣言が発令されて、「人流を止める」とか「出歩かないで!」と言われているが、その直前、私は旅に出た(笑)。

訪れたのは、岡山県津山市。なかなか風情のある城下町なのだが、今回は城に登ってみた。

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津山城は、鶴山城とも呼ばれて国の史跡に指定されているが、天守閣を含めて明治まで命脈を保ったものの、廃城令で取り壊しになって、今は石垣ばかりの城跡となっている。

城跡は有料なのだが、入ってみて、その石垣の立派さに感心した。なかなえの規模とほとんど垂直に近い石垣築城技術はなかなかのものだ。

そして一面、サクラが植えられているのが特徴。ずこい本数だ。だからサクラの名所として全国的に有名とか。これは廃城になってから、なんとか賑わいを取り戻そうと、当時の市議会議長が頑張って自腹を切って植え続けたものだという。

もちろん今は花の季節を過ぎて、新緑のサクラだが……。

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ところで城内を歩いていると、ある一角はカエデが植えられている。こちらも新緑が美しい。

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春のサクラに、秋の紅葉と観光名所に仕立ててあるわけだ。

それを見て、つい考えてしまうのは、「サクラばかり、カエデばかりで生態系はどうなっているだろう……」だった(笑)。
同じ樹種ばかりを集中的に植えているのだ。植物学的にはあまりよろしくないのではないか……。実際、樹勢を弱めているサクラもたくさん見かけた。それを手当てした痕も目につくし、土壌の入れ換え工事を施したところも幾ヶ所かある。同じ種類だけというより、密集しすぎ。密すぎる(^^;)。

それを言えば、吉野のサクラも、林業的人工林も、スギばかりヒノキばかりマツにカラマツばかり、なのだけど。スギばかり植えるな、という批判はよく聞こえてくるが、サクラばかり植えるな、という声はあまり響かないね。ただ、どちらも十分に手を入れないと樹木も不健康になるのは同じのよう。

 

芝桜の栽培は大変?

川上村を訪れたら、「匠の聚」の芝桜が満開だった。毎年5月ぐらいだったと思うが、今年は早い。

ただ、この日は施設が休み。ほとんど見学客がいない中、見られたのは幸いだったのだが。

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よく見ると、花の咲き方は、まばらなところもある。なかなか栽培も大変だ。とくに観光用の場合は……。

吉野の桜は有名だが、実は世話が大変。専門の桜森を何人か抱えているほどだ。何も植えてから放置して、勝手に育ったわけではない。同じく芝桜も世話は大変だろうなあ。

とはいえ、客のいないこの日は、実は最高の見頃だった。堪能しました(^o^)。

2021/04/21

奈良女子大に工学部!女子学生の進路……

22年度、つまり来年度に奈良女子大学に工学部を新設するというニュースを目にした。私立も含め女子大では初の工学部設置なんだそうだ。

もともと奈良女は、文学部のほか、理学部、生活環境学部の3学部があるが、後者2つは理系であるから、わりと理系に強い女子大という位置づけなんだろうが、そこに工学部とはちょっと面白い。工学部工学科の入学定員は45人で、これはほかの学部の定員を削るみたいだから、全体では定員増にはならないのかな。

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なお2つの専門コースを設ける。「人間情報分野」は生体医工学系と情報系、「環境デザイン分野」は環境、建築、造形などのデザインと、材料系(有機、無機、物理化学・高分子等)がある……。一方で人文、社会、芸術など幅広い教養科目を学ぶ。 学生が自分で研究分野を見つけ出して行うリベラルアーツ的な、真の研究大学をめざすのだそうだ。

近年の大学の改編には、就職先を意識した学部学科づくりが流行っているが、開き直って研究大学なんていいじゃないか。ちなみに来年度は、奈良教育大学と「国立大学法人奈良国立大学機構」を設立する予定もあるから、ガラリと変わる。教育大は男子もいるし。

私的には、奈良女も奈良教も、キャンパスにシカが戯れている風景が好き(笑)。それがなくならないのなら結構だ。

まあ、女子大に工学部を設ける意味は、いろいろあるのだろう。潜在的な工学好き女子を取り込めるのかもしれない。(通常の工学部には入りにくい女子も多いだろう。)
それは結構なことなのだが、今年度は林業系のフェレスターアカデミーに、西吉野農業高校が新設されたから、なんだか奈良の教育環境はどんどん変わっていく感じがする。同時に、学生もめざす方向が広がってきて、これまでのように学んだ学問分野に沿った就職先をめざすわけではなくなってきた。私自身が、農学部出身なのに当初はマスコミ系に就職したのだからエラそうに言えないのだが、当時はかなり変わり種扱いされたことを思い出すと、発想も変化してきたと感じる。


で、それと何の関係もないのだが、最近、奈良女出身で海外留学もしていて、現在は某大学院に在学中の女学生から、林業系に就職したいという(メールで)相談を受けた。すでに別分野の会社の内定をもらっているのに……木材の夢まで見るそうだ。

う~ん。もちろん自らの進路は自らが決めるべきだと思うし、そのような返信もしたが、正直、不思議な気持ちになる。なぜ、そんなに林業系に行きたくなるのか。だいたい『絶望の林業』を読んだというのに、なぜ林業に行きたいと思うというのは、私の脅し(笑)が足りなかったか。そんなに林業って、魅力ある?

待遇も悪ければ、リスキーすぎる(笑)。そして思い描くような「森林を守る仕事」になりそうになくて……。でも、私のところに同じような相談に来た女子学生は、みんな森林林業系に就職している。私の助言などいらないんじゃない\(^o^)/。

少なくても「林業めざしたい?、いいよ、やれ!やれ!」と無責任に応援する気になれない。自分の娘の進路にも口は出さなかったが、もし林業をやりたいと言い出したら、最大限に引き止めただろう(笑)。考えてみれば、男子だって同じはずなんだが、男子は止めない(笑)。

林業界は、通常?の業界とレベルが違いすぎるよなあ。

2021/04/20

Y!ニュース「山火事発見!その時どうする?…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「山火事発見!その時どうする? 年間発生件数は1000件以上」を書きました。

すでにブログでは報告しているが、4月2日に山火事に出くわして通報した。そこで、この前現場を訪ねてみた。犯人は現場にもどる……じゃない、真面目に火災現場を検証しようと思ったのだよ。

で、その結果をブログに書こうとしたのだが,どうせならYahoo!ニュースの記事にしちゃえ、と色気を出したのであった。

実際のところ、燃えたのは3アールぐらい。10m×30mといったところか。

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これぐらいのところは踏み消したのだけど、それでは間に合わなくなった。で、火元を探してもっとも低い焼け跡を探すと。

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この藪の右部分だ。ここから炎は斜面上部への燃えていったのだろう。

ま、たいしたことなくてよかった。

と私も忘れかけていたのだが、なんと、その後消防署から電話が入った。また事情聴取?放火犯に疑われるの? と思っていたら、「表彰したい」だと。思わすのけぞったね。
断りかけたが、話しているうちに、それも面白い経験かな、またブログネタにできるな、と受けることにした(笑)。私の生活行動原理は、ブログネタ探しでできているらしい。。。

もっとも、コロナ禍が広がっているので、肝心の表彰式そのものは順延なのだよ。もうブログに書いたから中止になってもいい(^o^)。

2021/04/19

イノシシは北へ向う。探さないでください……

東北地方でイノシシが激増しているという記事があった。

イノシシ「北上」で被害急増 目撃されなかった青森にも
 

「環境省の資料によると、イノシシによる農業被害額は19年度に東北全体で約2億7800万円。12年度の1億1400万円から2倍以上に増えた。イノシシが生存していないとされていた秋田では17年度に、青森では19年度に初めて農業被害が確認された。」「12年度に比べ、19年度のイノシシによる農業被害額が10倍以上に増えた山形県。」

イノシシが北上しているという話は、結構前から言われていたが、被害額も順調に?増えているようである。むしろ西日本では、イノシシ害は減少気味で、その代わりにシカ害が増えている。イノシシが減ったというより、シカが増えすぎたように感じる。イノシシはシカに追われているようにも思う。

さて東北にイノシシがいなかった理由としてよく上げられるのは、イノシシは足が短く、雪深い場所は移動できない説。あるいは雪に覆われて餌を見つけられない説。

しかし、GPSを使って調査してみると、雪の積もった土地も動き回っていることが確認されたそう。しかも温暖化で雪が減って、より動きやすくなったから北上してきたのだ……というわけだ。

しかし私は、そもそも「東北にはイノシシがいなかった」という前提そのものを疑っている。シカもそうだが、もともと生息していたのに、大規模な狩りをして追い払った可能性がある。また江戸時代には山は荒れて、棲めなくなったのかもしれない。

その証拠は、すでに多くの研究者が指摘している。たとえば青森の古墳からはイノシシ形の土偶が出土しているし、東北各地に「猪」「亥」の付く地名もある。八戸では、飢饉を「猪飢渇(けがち)」と呼んだが、これにはイノシシ害も含まれているようだ。つまり昔は東北にもイノシシがいたのではないか。雪も、東北より北陸の方がよく積もるが、イノシシはいる。福井、石川、新潟にイノシシがいるのはなぜだ?
決定的なのは、岩手県一関市の弥生時代の遺跡からイノシシの骨が出土していること。

つまり、昔から東北にもイノシシがいたのだよ。それが、近年(明治から100年ぐらい?)見かけなくなったから、「東北にはイノシシはいない」と思い込んでいたのだろう。

ちなみに生駒山は、50年ぐらい前に編纂された生駒市史には「イノシシはいない」とある。ただイノシシ垣はたくさんあったので、大規模な駆除でいなくなったとする。しかし、今やイノシシは普通にいる。いや、激増している。わずかな間に生息情報はひっくり返ったのだ。
外から持ち込まれた説もあるが、私は、どこかに生き延びた個体がいたのではないか説を取っている。それが、近年の餌の条件がよくなったので、増えたのだと睨んでいるのだ。

今年のタケノコ期待薄だな。。。

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2021/04/18

日本最古の自然破壊現場

最古シリーズ、というわけではないが。

明日香村に行ってきた。言わずと知れた古代大和王権の中心地だ。世界遺産認定も狙っているのだが……。

訪れてみると、意外と狭いエリアなのだが、ここに歴代大君(天皇)が都を置いて、数々のドラマが繰り広げられた。だいたい明日香村の中には、いくつもの宮というか、ようするに都があった。よく知られる飛鳥板葺宮だけではなく、飛鳥浄御原宮や飛鳥岡本宮、飛鳥嶋宮などがあったのである。

で、そこに御所のほか豪族の御殿や宮殿を建てたわけだが、莫大な木材を消費したに違いない。当時は輸送力が弱いから近隣の山で切り出していたと思われる。その結果、周辺の山は急速にはげ山と化した。つまり、日本最古の自然破壊の土地というわけである。

そこで天武天皇は、西暦676年に飛鳥川上流の2本の谷の奥にある南淵山と細川山における草木の伐採採取を禁止する法令を出す。これこそ日本最古の自然保護法だ。今の地図を見ると、「都」のあった飛鳥の中心部から数キロの地点にすぎない。

では、そこは現在どうなっているだろう。

実は両方とも棚田地帯なのである。しかも棚田百選に選ばれている。果たして飛鳥時代からずっと棚田があったわけではないと思うが……。

当時の景観を求めて小峠への道を歩いてみる。ここは壬申の乱の舞台だ。後の天武天皇となる大海人皇子が大津から吉野へと入り、反転攻勢に打って出る舞台だ。今はスギの人工林地帯と雑木林地帯となっている。

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当然、植林したのは戦後だろうが。当時は現在の雑木林以上に荒れていたのではなかろうか。現在の風景を眺めつつ、想像力で1400年前に遡る。ここははげ山だ(脳内)!

この山々を恒続林にできないか、という構想もあるのだが、さて、いかがなものだろう。

2021/04/17

「マンガ人類学講義」を読んだ

マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか』(日本実業出版社)という本を読んだ。タイトルにもあるように、一応、マンガ。原作は奥野克巳、描いたのはMOSAという漫画家である。

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実は著者の奥野克巳氏は、立教大学の教授なのだが、以前に『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』という本を出している。これは、ボルネオの狩猟民族プナンをフィールドワークした本である。

私は、プナン族とは多少とも縁があるので、興味があった。何よりタイトルがすごい(笑)。ただ、実際には買わなかった、というか読まなかった。字ばかりだもん(^^;)。なんか読みづらそうだったのだね。ほかにも読まねばならない資料本が溜まっていたうえに、ボルネオとは少し距離を置いていたせいもある。

ちなみに私は、このブログ内で、かなりの回数プナン族について触れている。加えて著書にも登場してもらっている。せっかくだから、こんなインタビュー記事を紹介しておこう。

【インタビュー】森林ジャーナリストが追う、ボルネオ島で出会った“幻の民”やソロモン諸島の伝説

が、書店で、『マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか』を見かけて、おお、マンガなら読みやすい♪ と判断して購入したのだ。タイトルが少し違うけど、マンガ版だと思って。

いやあ、全然違ったよ。いや、本質は同じなのかもしれないが、『ありがとうも……』をマンガにしたのではなく、まったく別の意図で書き下ろしたらしい。それは、マンガでなくては示せない人類学の内容があるのではないか、という発想から「マンガ人類学」という分野を作ろうという試みだというのだ。

実はマンガ本と言いつつ、後半40頁ほどは文字のページがあるのだが、そこに人類学の歴史から「文字に囚われた不自由から自由になるために」という論が述べられているのだ。

う~ん。深い。マンガだからさっと読めるかという目論見はすぐに崩壊して、読み出すと眠くなる(笑)。寝る前に読んだら、途中で寝ている。いや、それほど内容が深いということだ。1章読むたびにいろいろ考えてしまって、全然進まない。

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ああ、すでに、この本の内容を紹介する自信がなくなった。一つ一つは実に深いのだ。森の民の思想というか哲学というか世界観というか人生観というか。そうしたものが森の世界全体を描いているかのようだ。生と死、性、また「アホ犬会議」という章では、プナンにとっての犬の分類なのだが、そこから家畜としての犬とペットとしての犬の分化が語られる。

ともかく「森の民プナン」から、人類、そして人生を考えてしまう本なのであった。

※奥野氏の経歴が特異すぎる。。。

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2021/04/16

世界最古の木造建築……えっ?

奈良の佐保路にあるのは、古墳と自衛隊基地だけでなく古寺も多いのだが、海龍王寺はご存じだろうか。奈良時代以前からあると言われるのだが、光明皇后(聖武天皇の妻)の居住した寺だ。

わりと小振りなのだが、国宝がある。

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五重小塔。西金堂内に安置されている塔で、どちらも天平時代の建築様式と技術がわかるという。奈良時代に作られて唯一残されている塔だから、木造建築に興味ある人には結構価値ある。2mぐらいまで近づけて肉眼で見られるし。西金堂なんぞは、触れるよ(^^;)。

しかし、五重塔でもっとも古いのは法隆寺では? と思って調べてみると、法隆寺は火事で焼けた(670年頃)あとに再建されたから、おそらく600年代の最後に建てられたはず。これは平城宮ができる直前だ。こちらは飛鳥時代の建立とするべきか。小塔はその少し後の天平時代ということになる。

Dsc05521法隆寺

が、その年代を確認していたら、とんでもないことがわかった。

世界最古の木造建築は、法隆寺ではなかったのだ!

なんと、それより1300年以上古い木造建築が発見されていた…… (゚o゚;) 。

それはトルコで発見された、ミダス王の墓だという。墓は地中にあったのだが、その中に木製の墓室が埋められていたのだ。埋葬品から、紀元前 8世紀の王族の墓であることが確認されている。墓室とはいえ、地中に埋もれていたとはいえ、木材を積み上げてつくった部屋であり、建築物扱いになる。玄室の中にあるのだから、棺桶みたいなもの? それって、建築物扱い? しかし、それを言えば海龍王寺の五重小塔も堂内にあるわけで、いきなりブーメランのように建築物の定義が襲いかかってくる。
発掘されたのは1957年とか。写真を見ると、丸太を横に積み上げた構造で、いわばログハウス。今から2700年以上前にログハウスがあったのか。ちなみに材質は、マツとビャクシンだったそう。

ミダス王は、ギリシャ神話にも登場する、触るものをなんでも黄金に変えた王。ほかにも「王様の耳はロバの耳」の逸話もある。それは伝説にしても、墓はその時代の王族のものなのだろう。

法隆寺、負けました……。軽々しく、「世界最古」なんて使わない方がよいですね。

ちなみに平城宮跡は、今も発掘調査が続けられております。そのうち、大発見! が起きますように。

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2021/04/15

恒続林プチブーム?

奈良県フォレスターアカデミーのホームページがオープンしていた。

奈良県フォレスターアカデミー NFAと略すんだ。なるほど(笑)。

奈良県では、スイス・ベルン州と友好提携協定を結び、スイスのフォレスター制度などをモデルとして「新たな森林環境管理制度」を導入。
2020年4月に「奈良県森林環境の維持向上により森林と人の恒久的な共生を図る条例」を制定し、経済性と環境保全を両立する「恒続林」をはじめとした森林管理手法により持続可能な林業を目指しています。
その担い手となる人材を養成するのが、「奈良県フォレスターアカデミー」なのです。

この学校の特徴は、現場作業だけでなく森林管理、それも指導側の人材を養成することだと思っているが、初っぱなの「設立に寄せて」に「恒続林」という言葉が登場する。これまで恒続林のことを持ち出しても、林業関係者どころか森林研究者にさえあまり通じなかった言葉なのだが、こうも当然のように使われていることに感慨深く感じる(^o^)。

思えば、私はいつから恒続林に興味を持ったのだろうか。単に言葉だけなら、若い頃から耳にしていたと思う。「森林美学」なんかも好きだったからだ。ただ、具体的に恒続林とは何かと考え出したのは、いつか。2011年に出版した『森林異変』に登場させているから、その執筆時、2010年以前にはそれなりに勉強していたことになる。興味を持ちだしたのは、その数年前か。いやいや、赤井龍男先生に合自然的林業(天然更新など)の取材に行って学んだときまで遡ると、2000年以前かもしれない。そうそう、まだデジカメは使っていない時代だった(笑)。

とはいえ、学問的興味に留まらず林業現場に恒続林なんて発想を広げようというのは、夢のまた夢みたいな話だったのだが……。

最近、わりと私の周りでも「恒続林」という言葉がよく飛び交い、現実に取り組んでいる人や取り組もうとしている話が出てきている。最初は山主が自分の所有林で行う事例だったのだが、最近は自治体(奈良県がそうだけど)や請け負いでめざす、めざしたいという人が現れている。なんだか、恒続林のプチブームが起きているのだ。

それらの人を勝手に紹介すると差し障りがあるかもしれないが、一つだけ。彼は、自分のブログで書いているのだからよいだろう。

ヤマモリジャーナル

このブログ主は、元は高知新聞の記者だったのだが、林業に目覚めて?休職して林業界に飛び込み、自伐型林業を学んでいたのだけど限界を感じ、考えるところあって神奈川県で独立するという。そして「恒続林思想」なんかを読み始めた(^o^)。

実は、私も取材を受けている。2019年の夏に、高知新聞の記者として、生駒まで足を運んでくださった。森林経営管理法に関して、ということだが、どうも話はこの法案よりも別のところへ向ったのを覚えている。おそらく、その時にはすでに林業界に飛び込む選択肢を考えていたのだろう。ミイラ取りがミイラになったみたいな……。私は賛成しかねたけどね(⌒ー⌒)。

ともあれ、理念としての恒続林があり、理想としての恒続林林業をめざす。そんな人がちらほらと増えてきた。まだ業界的には小さな動きだけど、現状の林業への不満の表れというか、アンチテーゼだろう。少しでも実を結ぶことを願おう。

 

2021/04/14

古墳の人工林と戦闘機

奈良に多くの古墳があるのは言うまでもないが、その周辺には結構のんびり歩くと楽しい散策道がある。

平城宮跡の北側には佐紀・佐保古墳群があり、有名どころでは孝謙・称徳天皇の陵や、平城天皇陵、垂仁天皇皇后の日葉酢媛命の陵などがある。名前だけで面白いのは猫塚古墳。そしてウワナベ古墳にコナベ古墳。名前の由来は知らない。

そのほか周辺の古寺なども見て歩いたのだが、ウワナベ古墳の周りを歩いていると、ちょっと気になる様子が。

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これが全長270~280mのウワナベ前方後円墳。ただ、生えている木がほかの古墳とちょっと違う。

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これ、どう見てもヒノキ、それも人工的に植栽したヒノキ林だよなあ。よく古墳は、誰も手を付けなかったから「潜在自然植生」が残っている、それは照葉樹主体であるとか、いろいろ言われているのだが、意外と人の手が加わっているのだ。全然神聖じゃない。古墳自体も(これは天皇陵ではないからか)堀りなどの護岸をつくり直しているし、もしかして火事が起きたのか伐採したのか、跡地に植林したらしい。樹木の幹の太さを遠目に見たところ、少なくても数十年以上経つはず。おそらく50年はくだらないのではないか。戦後、古墳から木材を切り出すとか畑をつくるとか、何かあったんじゃないか。

伐採跡地だとしても、放置すれば本当の自然植生になったと思うんだが。あるいは木を全部伐って、表面に石を敷きつめ(土偶なども配置し)ておけば古墳建設当時の姿を再現できたと思う。

ああ古墳の森に入ってみてえ、と思ったのであった。

ちなみにウワナベ古墳とコナベ古墳の間には、航空自衛隊の基地がある。(幹部候補生学校なのだ。)そこに飛行場はないけれど、こんなものがあるようだ……。

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多分、F1支援戦闘機。中に入って、ちゃんと見てえ。。。古墳と一緒だな。

2021/04/13

メガソーラーの里山破壊!

たまにメガソーラー問題にも顔を突っこんでいる私だが、ちょっと恐ろしい調査結果を目にした。

国立環境研究所が、太陽光発電による土地改変の実態を調べ規模や分布の特徴を発表しているのだ。

まず衛星画像や航空写真から出力0.5MW以上の発電容量を持つメガソーラーを選び出した。そしてソーラーパネルと付随施設の範囲を地図に落とし面積をあぶり出す。その上で発電所設置前の自然生態系を「都市」「水田」「畑地」「自然林」「二次林・人工林」「自然・半自然草地」「人工草地」「自然裸地」「人工裸地」「水面」の土地被覆タイプに分類した。

ソーラー発電所数は8725カ所になり、面積は合計229.211平方キロメートル(日本の国土の0.079%)。その66.36%を0.5~10MWの中規模施設が占めていた。そして、多くが里山と定義される環境に建設されていて、失われた生態系は、二次林・人工林、人工草原、畑、水田が多い傾向がみられたという。これを言い換えると、大規模なメガソーラーだけでなく、中小規模のソーラーパネル設置でも、かなり里山を食いつぶしているということか。

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生駒山に設置されたソーラーパネル。規模としては小さいが、無数にあるから、全体の面積は結構あるのだろう。

 

自然保護区に該当する場所でも、合計1027施設、約35平方キロメートルの面積を占め、鳥獣保護区内では605施設、合計約20平方キロメートル、都道府県立自然公園内は245施設、合計約8平方キロメートル、国立公園内では101施設、合計約5平方キロメートル。

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設置しやすい人工的な土地・建物(屋上)はすでに使い切っているので、仮に今後さらにソーラーを増やそうとすると、より里山的な自然地が増えるだろう。

この論文の最後には、「全体の施設面積が2倍になった場合、自然保護区内での建設は2.66倍に増加する可能性があると予測」なんて書かれてあるぞ。

ちなみに風力発電も、1基設置するのに約1ヘクタール必要で、山の場合はそれだけの面積の森を切り拓いていると思われる。それに道路なども必要だからその分の伐採も少なくないだろう。最近の風力は、風車をざっと20~30基を並べるから、少なくない面積となる。

再生可能エネルギーという美名の陰で、どんな自然改変が行われるのか目を向けておいた方がよい。

2021/04/12

Y!ニュース「ネットの声が悪路走行用の新型トラックを…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「ネットの声が悪路走行用の新型トラックを生み出した」を執筆しました。

先週末に川上村を訪れた理由は、これでした。

見学のつもりで行ったら、「4年前にYahoo!ニュースに書いてくれたおかげで…」と繰り返し言われる。いや、それはたいしたことなくて、基本「吉野の杣人の奮闘記」ブログの力である。だいたい前回書いたのは、このブログが盛り上がっているよ、という記事だったのだ。
でも、そうやって私に無言のプレッシャーを掛けてくるのだよ(泣)。トラックが売れるような記事を書けと。

ただ、現場で何かしゃべれ、と言われたので、思わず口をついたのは「私が日本の林業が嫌いな理由は……」であった(^o^) 。。。
その続きは、記事の後半にもある「機械化や大規模化」の動き批判と同じ。大規模で高価な林業機械ではなく、こんな小回りの効くトラックで森に合わせて行うのがスマート林業だろう、という意味だ。その後も長官の顔を見ながら林野庁批判を続けそうになったのだが、ぐっと堪えた(笑)。

ただ「奈良から日本の森を救う」と大きなことを言った。思わず拍手が起きたが(^^;)、実は昨年まで「奈良の森を林野庁から守る」と言っていたのである。それに比べたら、随分丸くなったと思わないか?

ともあれ、関係者の奮闘の成果である。ちなみにトラックの仕様などは、私は全然わからないので、資料の丸写し(笑)。尿素フリーて、なんだ? デフ&LSDてなんだ?

ところで、記事の冒頭写真を見て、何か気づかないか?

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実は、このトラック、下っているのである。それを登攀しているように見せてしまった。本当に登っている写真もあるのだが、アングルが悪くて迫力が出ないので、こちらを採用。多少手を入れたが。

今後やることは、この物語をNHKの『逆転人生』に売り込むことだね( ̄∇ ̄) 。

 

2021/04/11

洞窟で育つ植物

先に林業用モノレールが観光用に転向されて活躍している様子を紹介した。

なぜ、肝心の観光部分、つまり鍾乳洞について書かなかったかというと、つまらなかったから(笑)。

それ言っちゃうと可哀相なんだけど、たかだか延長80メートルしかなく、しかも洞内生成物、つまり鍾乳石やら石柱やらもたいしたことないのよ。私は、これでもかつてはケイビングしていて、全国各地、海外の洞窟だって入っているが、そこで見てきた雄大な洞窟と比べると……。

でも、一つだけ感心したところがあった。これである。

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何かわかるだろうか。洞内の電灯なのだけど、そこに植物が繁っている。光が灯ると、植物は育つのだ。ちょっと植物名はわからなかったが、草というよりはもう少ししっかりした樹木の苗のような感じ。たくましい。これを見るだけでも、洞窟観光する価値あり。オイオイ。。。。

しかし、蛍光灯の光だけで育つのだろうか日光とは波長が違うだろうなあ、とか考えてしまう。あまり繁ると毟られてしまうのだろうが、ぜひともそのまま育ててほしい。

 

2021/04/10

今晩のBSプレミアムは……

ご報告。

昨日お知らせした、BSプレミアムの「吉野の桜」番組だが、直前になってメール連絡が来た。「土倉庄三郎の部分はカットになりました」……。尺が長くなりすぎて、苦渋の決断だったようです(-_-;)。
代わりに「土倉庄三郎で別番組で取り上げられないか検討しています」とのこと。いやあ、お愛想ですね(^^;)。

もし、1年後ぐらいにNHKのドキュメンタリーなどで土倉翁が登場することになったら、土倉翁に興味が持つ人も増えるだろう。きっと本が売れるに違いない。それまでに『樹喜王 土倉庄三郎』改訂版を、いやまったく新しい土倉翁の伝記を書いて出版しておくべきだね、うん。(誰に言っているんだ。)

ちなみに、このメールを読んだのは、川上村の土倉翁の銅像の前だったというのは、なかなかのタイミングでしょ\(^o^)/。

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銅像の前に花壇が作られておりました。


ちなみに、なぜ私が川上村に行っていたかというと、新型林業用ダンプの発表会があったから。奥山の急峻な作業道を走らせるお披露目もあったのだが、それについては改めて別に報告しよう。

この場には多くの人が参加して、その中には本郷浩二林野庁長官もいた。

実は、先日6日の奈良県フォレスターアカデミー開校式にも呼ばれていたのだが、こちらは近畿中国森林管理局局長のメッセージ代読であった。その4日後に同じ吉野に足を運んでくださったわけである。

「アカデミーは代読でしたが、こちらは参加されたんですね」と声をかけると、「そりゃ、当然でしょう」とのお返事(笑)。

それがどういう意味かは皆さんで推測してください。式典より山の現場の方が楽しいか。(ちなみに平日は、国会対応などもあって出張しづらいものです。)

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現場からは、以上でした<(_ _)>。

 

 

2021/04/09

BSプレミアムで「土倉庄三郎」の講談

明日の告知。

明日10日の午後7時からNHK・BSプレミアム(と、BS4K)で、「生中継!一目千本 吉野の桜」を行う。2時間の長尺番組だ。

生中継!一目千本 吉野の桜

4月10日(土)[BSプレミアム][BS4K]後7:00

3万本の山桜が咲き誇り、一目千本(ひとめせんぼん)とたたえられる「吉野の桜」。麓から駆け上がるように山全体が桜色に染まる様はまさに日本の極上美、圧巻!だ。吉野の桜は1300年前、桜を御神木とする山岳信仰と深く結びつき、人の手で植樹され、大切に守られてきた。圧倒的な迫力の風景美をたっぷりと味わう。ゲストは桜をこよなく愛する竹下景子、トラウデン直美。押尾コータローのギター演奏が満開の桜に華を添える。

この中で、旭堂南海による講談が行われ、そこで土倉庄三郎を取り上げる予定だ。内容は、主に吉野山の桜を全部買い占め……いや、伐採から守った男(^o^)。ぜひ、ご覧ください。

それにしても、急に土倉庄三郎のプチ・ブームが来ている。ラジオに週刊現代(こちらは、10行ぐらい載っただけ)と続いた。そしてテレビだ。

私は、写真提供で協力しているが、私の名前は出さない。写真と言っても、私のものではなく、取材を通してあちらこちらから提供されたものだからだ。私はデータとして預かっているだけ。それでは土倉家の誰から? と問われたのだが、いっぱいいて、出所がわからない(^^;)。だいたい複製されて所有者も多岐にわたるので、下手に名前を出すのは難しい。

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たとえば、この肖像画。私も原典を探ったら、川上村図書館に飾られていたものだった。元は川上村第一小学校の玄関の正面に飾れていたそうだ。この製作は、庄三郎がなくなった1917年に、地域の人が寄付で40円集めて、大宇陀の松岡正雄という画家に頼んで描いてもらったものだという。大滝には10日間逗留して、完成したのはその年の10月29日。亡くなってから約3カ月後だった。

……とまあ、そんな逸話を発見して伝えたが、それが番組でどう使うかはお任せ。「川上村所蔵」とクレジットが入るだけかなぁ。

ともあれ、土倉庄三郎付いている。今回はテレビだから、影響力はあるだろう。ちなみに本の紹介はない(-_-;)よ。

一応、報告しておくと、今日も何件か『樹喜王 土倉庄三郎』の注文が入り、現時点で17冊になったか。なかには、ネット環境がないので、と懇意の書店に頼んで注文してくださった方もいる。町の書店もすごいと思う。書籍コードなしの本の取り寄せに協力するんですぜ。(手数料はもらうだろうけど。)ラジオの威力、おそるべし。

2021/04/08

乗用モノレールの活躍場

林業で使う乗用モノレールをご存じだろうか。関西圏にはわりとあるのだが、ほかの地域まで普及しているかどうかは知らない。

ようするに工事現場とか果樹園などで荷物を運ぶのに使われるのだが、それを人が乗れるようにしたもの。これまでの貨物用だって実質人は乗っていたのだが、安全性能が低いので厳密には違反だった。

そこで人が乗る座席や安全装置を装備して、林道のない林業の現場に登れるようにしたものだ。果樹園などとは高低差や距離が全然違うし、何より走るルートが直登なのできつい。

これを開発したのが、奈良県の天川村森林組合だった。メーカーは松山の千種。

なんで、こんなに詳しいのかというと、以前取材したからだ。アウトドア系の雑誌だったはず。天川村森林組合長にもインタビューしたが、その時は足腰の弱った高齢者でも山の作業ができるとか、怪我などに対応できる……という話だった。でも、雑談でこれは観光用にも向いているんじゃないか、これで山の高みに登れたら楽だし絶景だ……なんて話もしていた。

さて、また奈良県の天川村に出かけたのだが、今回は洞窟巡り。そして五代松鍾乳洞に入ってみることにした。これは観光洞窟だが、道路から結構高い山の中にある。登るのがイヤで観光客が逃げる(笑)。

だが、今回は乗用モノレールが敷設されていた。なんとン十年前の話が現実化していたのだった。

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なかなかの急斜面を登っていく。1回に5人までだから、観光客が多いときは行列ができそうだ。やはり歩くか。

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到着。この駅から少し登ったところに洞窟はある。正直、洞窟よりモノレールに私は感慨深いのであった(笑)。

なお、その後林道や作業道の普及が進んだために、林業用としては廃れたかもしれない。人だけしか運べないからね。人も、下りは後ろ向きに降りることになるので、快適とは言い難い。
ただ山には優しい乗り物だと思う。木立の間を抜けるから、ほとんど支障木が出ないし、必要がなくなったらモノレール自体の移設も可能だ。やはり観光用(登山用)がもっともよい使い道かもしれない。

 

2021/04/07

「潮」5月号に獣害問題の記事

「潮」という月刊誌の5月号に「里山は野生動物の“楽園”になった。」という記事を執筆。

獣害問題の記事を長めに書いた。6ページである。

Photo_20210407165201 トップ部分だけ。

ここでは「クマにどんぐり」問題を初っぱなに書いた。どうも一般誌で、この団体の活動をちゃんと問題視した記事を見かけないので、あえて指摘することにした。まあ、熊森協会の別動隊のヴィーガン協会うんぬん……と書くのはややこしいので団体名は省いたが。
なお獣害問題に託けて? 日本の山野の復活や農地の「見えない餌」に触れる。こちらも深刻だと思うのだ。


ちょうど発行された頃だったか、私は川上村を訪れていたのだが、その際に食事したカフェレストラン? まあ食堂か(^^;)、で窓の外を見ると、シカがいましたよ。真っ昼間で車の通る国道沿いに平気で出てくるようになりましたなあ。

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なんだか昨年『獣害列島』を執筆した時点より事態は悪化しているような気がする。ヤバいぞ、日本列島。

 

 

 

2021/04/06

奈良県フォレスターアカデミー開校式

本日は、奈良県フォレスターアカデミーの開校式&入学式。

私は、何の資格なのか来賓として出席する機会を得た。ある意味、感慨深い。2年間、私も参加して、みっちりと奈良県の林政の方向を議論した上で開校した学校だから。その点からは、一つの仕事の集大成ぽくもある。

しかし、学生は20人。しかも学校は新設ではなく旧吉野高校の校舎の一部を間借りというか、分割しての使用。(吉野高校は合併して奈良南高校となり、吉野校舎も一部使うので、丸ごとアカデミーではない。)だからこじんまりとした式典かと思ったら、県会議員ほぼ全員に、多くの市町村首長、林野庁……と来賓だけで学生の何倍か(笑)。

式典の一部を紹介すると、

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名誉校長の、アラン・E・コッハー(スイスの元リース林業教育センター校長)のビデオメッセージがあった。驚くべきは、日本語だったこと(笑)。たどたどしいとはいえ、ちゃんと聞き取れるし、しかも、かなり長い。練習したんだろうなあ。お見事。

そして、知事の挨拶だが。

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こちらは本人が「つい力を入れてしまった」という内容であったが、私が心に引っかかったところ。

「本校は、林業の技術屋さんを養成するのではなく、森の哲学を学んでもらうところ」

ここは、肝だ(^o^)。哲学と言ったら重いと思うのなら「考える人」である。森のことを深く考えて実行する人。言われた作業をする人ではなく、森にとって必要なことは何かを考えて、考えて、ぶれずに実行する人が生まれてほしい。

学生は、ほぼ半分が県外者。関東圏も多いし、岡山とか熊本出身なども見かけた。年齢的には30代が多いが、それ以上もいる。どんな学生がいるのか、本当はインタビューするつもりだったのだけど、ちょっと場違いだったので今回は諦めた。そのうち、どんな経歴の人が、どんな思いで入学したのか聞いてみたい。

最後の記念撮影で、知事から一緒に写ろうと言われたので、私が?と思いつつも一緒に学生らとともに入ってしまったよ(笑)。

ちなみに学校なんて「器」にすぎないというのが私の持論だ。ようやく「器」はできた。でも器が林政を仕切るわけではない。中に入れたものが、2年後美酒になるのか腐った水にしてしまうか。願わくば、美酒で乾杯したい。

ちなみに司会は、ミス緑の女神。選定されたばかりの小林優希さんかな。もしかして初仕事? 遠くて、よくわからない(^o^)。

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2021/04/05

ラジオ番組の威力

今朝は、早起きして大阪の朝日放送に出向く。昨日、予告した通り、ラジオ番組「おはようパーソナリティ道上洋三です」への出演だ。

予定していた土倉庄三郎の「吉野山の桜買い占め大作戦」について話すのだが、実はそれに止まらなかった。吉野林業とは何か、明治期のエネルギー事情や林業が日本の近代国家の成立に果たした役割、そして庄三郎が行った自由民権運動や同志社、日本女子大などの教育への投資と熱意、全国植林行脚に山川省設立案に……吉野山だって、インバウンド需要を見込んだ先見性への投資だった!とあらんかぎり吠えるv(^0^)。

いやあ、ようしゃべったわ。

で、道上さんは、この土倉庄三郎について私が出版した『森と近代日本を動かした男 山林王・土倉庄三郎の生涯』にも触れていただけたのだが、これ絶版なのだ。
そこで私は「庄三郎を顕彰するNPO法人芳水塾の協力で、『樹喜王 土倉庄三郎』とタイトルを変えて出版し直しました。ただ、この本は書店では手に入りません。そこでネットで樹・喜・王~と書いて検索してください。すると私のホームページがヒットしますから、そこからメールで申し込んでいただければお求めいただけます」と力説。そんな面倒なことして探す人がおるのか。まあ、言うだけならええやろ、という思いである。

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そして放送終了。ホッとしてスタジオを出たのだが……。

それから、スマホでメールをチェックするたびに、なんと続々と『樹喜王 土倉庄三郎』希望、とメールが入るではないか。

うわっ、こんなに番組に威力があるとは思わなかった。結局、今日だけで7冊の注文。これから大変だ。入金確認に発送手続きに……。
でも、さすが道場洋三さんの放送は力あるんだな。なおネットのRajikoでも聞いたという連絡があったから、関西圏にこだわらす聞けたのであった。

実は『樹喜王 土倉庄三郎』は、先日私の手元の最後の1冊が売れてなくなっていた。そこで川上村から送っていただいたばかりなのである。助かった。おかげでスムースに発送できる。願わくば、また手元からなくなるほどの評判を呼べばよいのだが。(芳水塾にも、どれだけ在庫があるのか心配。)

本当は、新資料も手に入っているので、この土倉庄三郎伝自体を書き直したい気持ちもある。そうだなあ、そのうちNHKでドラマ化するとなったときには改訂版を出すかv(^0^)。

 

 

2021/04/04

「吉野山の桜買占め大作戦」語ります

突然だが、明日の朝のラジオに出演することになった。

朝日放送「おはようパーソナリティ道場洋三です」という番組で、関西では老舗である。もう45年放送しているとか……。一人のパーソナリティが同じ番組をこれほど続けるのは珍しいと思う。

で、私は何で呼ばれるかというと、「吉野山の桜」の話である。今が盛り(今日の雨でどれほと散るか……)だが、これが明治初年に買い占められたことがある、という“事件”を紹介することになった。

ま、買い占めというと怒られる(^^;)か。吉野山の桜を全部伐って薪にしてしまおうという動きに、土倉庄三郎が待ったをかけて、買い取ったというのだ。正確に何年だったとかはわからない。文書もなく、あくまで口承というか、語り継がれた話である。ただ庄三郎も、晩年子どもや孫たちに「吉野山の桜は、私が全部買い取った」と話していたそうである。

詳しくはラジオで話す。多分出演は午前8時過ぎからである。関西圏しか聞けないだろうし、どうしても気になる方は『森と近代日本を動かした男 山林王・土倉庄三郎の生涯』か『樹喜王 土倉庄三郎』をお読みください。

ただ、何も桜を守るためだけではなく、林業家としては買い取ってからスギやヒノキを植えて林業をやるという選択肢もあったはずだと思う。当時は、そちらの方が現実的(明治維新で観光は廃れていた)で、利益を出したかもしれない。ビジネスと文化をきっちり分ける先見性と炯眼があったのだろう。

それにしても、当時ちゃんと証文つくっていたら、今頃吉野山の土地を全部握れたのに(⌒ー⌒)。観光客の人数分だけロイヤリティを取ったら、たいした金になりますぜ。そんなこと、庄三郎は望んでいなかっただろうけど。

さっかくだから、吉野山の桜の写真を。

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もっとも、吉野山の桜も、今は問題を抱えている。健康な状態ではないのだ。

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これは夏の写真だが、あちこちヤドリギをつけているし、天狗巣病に犯されているのだ。まあ、いろいろ手は打っているが、完全によくするまでにはなっていないようだ。またコロナ禍で観光が壊滅的だ。明治維新に次ぐ危機かもしれない。かといって、庄三郎のようにポンとお金を出してくれる人もいない。今後、吉野山の桜を自慢し続けるのは並大抵じゃないよ。

2021/04/03

タケノコの豊凶戦略

我がタナカ山林のタケノコの旬は、4月中旬以降である。だが今年は暖かくて全体的に前倒しになっている。だから、一応チェックしておくか、と思って山林を歩き回ったのだが、タケノコは一つも出ていなかった。

ただ、イノシシは徘徊しているようである。

Photo_20210403215601イノシシの糞です。。

毎年触れているが、タケノコは、イノシシとの競争だ。なにしろ、まだ穂先も出ていないうちにイノシシは掘ってしまうのだから。だから、近年は数本しか取れない有様。(最盛期は1日で4,50本くらいは掘れた。)
しかし、昨年は少し様子が違った。たしかに出始めはほぼイノシシに先んじられたのだが、とにかく豊作。次々と出るとイノシシも飽きたらしい。連休に入るころには、タケノコが続々と伸びて、それを私が掘って掘って堀りまくった。30本ぐらいにはなっただろうか。
なるほど、タケノコもたくさん芽吹くことで、捕食者を分散させる戦略を取っているのか。しかも時期をずらしている。なぜなら、まずイノシシが堀りとって食い(4月)、次に人間様が堀り(5月)、これで尽きたかと思わせて、実は6月ごろにまたタケノコは出てきたのだ。それを取り損なったから、林内には、わりと昨年のタケが何本も伸びている。これで、生存戦略としては成功かもしれない。

しかし、豊作の翌年は凶作になることが多いよなあ。つまり、今年は、あまり期待できないのではないか。少ししかできないのに、それをイノシシが食っていくのだから。人間様が食える分はないのではないか。

あるいはイノシシも飢えるかもしれない。昨年あった餌が、今年は極端に少なくなるのだから。

2021/04/02

山火事を通報

ちょっと希有な体験をした。

できるだけ毎日山歩きをするようにしているのだが、だんだんコースに困るようになってくる。同じルートは歩きたくないからだ。そこで迷う中、今日は家を出てから生駒山系の北端近く、飯盛山に行くことに決めた。ここから北側に下って四條畷神社などを巡るコースはまだ行っていないと気づいたからだ。

車で楠公寺に行って、そこから飯盛山に登り、ついでに城跡も見ながら北へ下ろう……。この城は、かつて三好長慶が機内天下を納めた拠点だ。キリスト教の布教を許したから城下にはキリスト教徒がたくさん生まれて、教会も建てられ南蛮文化が栄えた都となったのである。たった数年だけと……。そして山城としても、結構な規模を誇る。当時は珍しい石垣もつくっているし。

というわけで、楠公寺から南の郭跡を巡ったのだが、そこで何やら妙な音が。パチパチと草が燃えて爆ぜる音だ。見回したが、とく煙は見えないのだが……どこかで草刈りと野焼きをしているのか???

気になったので、千畳敷と呼ばれる(もっとも広い郭)の奥に向う。そこから音が聞こえたからだ。郭の周りは急峻な崖になっている。いよいよ音が派手になってきた。そこで斜面を下って音のありかを探す。すると、煙が上がって、炎が見えた。人気はない。

こりゃイカン。山火事だ。谷底が燃えて火が斜面を上がってくる。

2_20210402224501 山火事確認現場。

すぐに電話で119番。電波状態はあまりよくなかったが、飯盛山城が火事です、と伝える。わかってくれない(笑)。

まあ、それからああだこうだと場所の説明をしたのだが、そのうちに炎は斜面を駆け上って、郭の縁まて燃えだした。5分くらいの間にかなり広がったのである。とにかく消防隊を送るというので、私は待機しつつ、火を消す。と言っても足で踏みつぶす以上のことはできないのだが。

それでもササや落葉の燃えるのを抑えて少しは延焼を防いだが、そのうち大きな炎が樹木まで焦がしだした。

しかも風で、どんどん範囲が広がる。

Photo_20210402223601 炎が樹木まで移ってきた。

消防隊はなかなかやってこない。ちょっといらつきつつ待っていたが、ようやく到着したのは30分くらい経ってからか。ここまでのルートを見つけるのに手間取ったか。ちょっとややこしく、道も狭い。3~4人の消防隊員が来たが、消す道具類を何も持っていない。FM局までは道路もあるからそこからホースを伸ばすかと思っていたのだが、どうも放水車はそこまで登れないみたい。しかも消火栓がない。結局、楠公寺当たりから数百メートルもホースを伸ばすことになったようだ。

Photo_20210402223001 グーグルマップより。

飯盛山の南隣の峰にはNHKのFM局と、FM802の送信アンテナが建っているのだが、その裏である。真ん中に見える建物がFM局で、右上が楠公寺。火災場所は赤く塗ったところ。その間が平坦な土地が郭。

一応、私への事情聴取もあって、これまでの成り行きと連絡先を伝えた。

……ここまでで私の役割はオシマイ。その後、飯盛山を巡って……もう時間がない。仕方ないので北の郭を巡って、石垣なども確認して、帰ることにした。しかし、今度は警察から電話があって、電話で事象聴取。そして消防隊に消防団、そして警察関係車両と、山の中に続々と押しかけてくる。

最初はボヤぽかったのだが、意外や火はなかなか消えないようだ。そもそも自然発火とは考えづらく、不審火にしても、燃え始めた谷底には何もない。もしかしてマイナーな山道があって、そこに入った人が良からぬことをしたのか。不審者は見なかったか、と聞かれたが……。

もし誰も気づかないまま放置したら、どこまで燃えたか。郭の樹木まで燃え広がったら、FM局も煙に包まれたかもね。

もしかして飯盛山城が焼け落ちる幻影を(脳内に)見られたかもしれない。

私も、さすがに現在進行形の山火事に遭遇したのは初めて。通報も初めて。焼き畑するため山に火をつけたことはあるのだが、山火事とは違うわ。希有な体験だろう。そのとき、私は何を思ったか。

あ、これで今晩のブログネタは決定だな……であった(^^;)\(-_-メ;)。

2021/04/01

透明な木材?

妙な記事を見つけた。「ガラスの代わりになる。米国で研究が進む「透明な木材」とは」である。

翻訳記事のようで、イマイチわかりにくいのだが、ようするに木材を透明にする技術ということらしい。なんだかガラスをつくるには莫大なエネルギーが必要で、気候変動に影響を与えるから、ガラスの代わりに木材を透明に……といった展開なのだが、いよいよわからん(^^;)。

ともかく木材を透明にする技術があるというなら面白い。しかし、その方法が要領を得なくて謎。

「過酸化水素を塗り、UVライトを当てるという今回の新たな生産方法」といった言葉も出てくるが、なぜそれで透明になるのか。あげくに人工培養木材の話も出てきて????状態。

参照サイトも渡り歩いて、ようやく「化学物質を使用してリグニンを選択的に除去」という説明に行き当たる。リグニンを除けば、多少は光を通すかもしれない。しかしセルロース・ヘミセルロースだけにしたとしても、それでは紙と変わらんので、透明とは言い難いだろう。どうもセルロースの配列を変えて光を透過しやすくするみたいだが……。

隔靴掻痒の説明だ。

誰か、わかる人いますか? 本当に木材が透明になったとしてもガラスのように完全に向こう側が見えるのかすりガラス程度なのか。強度はどうなるのか、わからんことだらけ。

 

そんなときに、「福島の鉄道林間伐材から生まれた「バイオプラスチック」のタンブラー」という記事を発見。ここの写真で、透明なタンブラーが載せてある。これはたしかに透明だ。こちらは木材のプラスチック化だから原理は違うがわかりやすい。土に還るプラスチックという点でもいい。

さて、透明な木材は、本当に実用化するのかなあ。

 

 

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