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森と林業と田舎の本

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2021/04/18

日本最古の自然破壊現場

最古シリーズ、というわけではないが。

明日香村に行ってきた。言わずと知れた古代大和王権の中心地だ。世界遺産認定も狙っているのだが……。

訪れてみると、意外と狭いエリアなのだが、ここに歴代大君(天皇)が都を置いて、数々のドラマが繰り広げられた。だいたい明日香村の中には、いくつもの宮というか、ようするに都があった。よく知られる飛鳥板葺宮だけではなく、飛鳥浄御原宮や飛鳥岡本宮、飛鳥嶋宮などがあったのである。

で、そこに御所のほか豪族の御殿や宮殿を建てたわけだが、莫大な木材を消費したに違いない。当時は輸送力が弱いから近隣の山で切り出していたと思われる。その結果、周辺の山は急速にはげ山と化した。つまり、日本最古の自然破壊の土地というわけである。

そこで天武天皇は、西暦676年に飛鳥川上流の2本の谷の奥にある南淵山と細川山における草木の伐採採取を禁止する法令を出す。これこそ日本最古の自然保護法だ。今の地図を見ると、「都」のあった飛鳥の中心部から数キロの地点にすぎない。

では、そこは現在どうなっているだろう。

実は両方とも棚田地帯なのである。しかも棚田百選に選ばれている。果たして飛鳥時代からずっと棚田があったわけではないと思うが……。

当時の景観を求めて小峠への道を歩いてみる。ここは壬申の乱の舞台だ。後の天武天皇となる大海人皇子が大津から吉野へと入り、反転攻勢に打って出る舞台だ。今はスギの人工林地帯と雑木林地帯となっている。

Dsc07698

Dsc07697

当然、植林したのは戦後だろうが。当時は現在の雑木林以上に荒れていたのではなかろうか。現在の風景を眺めつつ、想像力で1400年前に遡る。ここははげ山だ(脳内)!

この山々を恒続林にできないか、という構想もあるのだが、さて、いかがなものだろう。

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