隠れ仕事シリーズ④みどりの日には緑の……
今日はみどりの日だそうである。それから連想したのだが、みどりの党、緑の党を思い出した。
今やヨーロッパの政界は、緑の党抜きには語れない。とくにドイツでは第一党になるかもしれない勢いだし、EU各国の国会には多数の議員を送り込んでいる。環境政党といったワンイシューの党から多様な政策を語る総合政党へと脱皮もしている。
日本にも緑の党があるのはご存じか。たまに参議院選挙の比例区などに候補を立てるほか、各候補者の支持や推薦を出すこともある。知られたところでは令和新撰組の山本太郎を応援したこともあった。また地方議会には独自候補を立てており、たしか何人か議席も取っていたはずだ。
正確には緑の党グリーンズジャパンというらしいが……この党の林業政策づくりに関わったことがある。正確に言えば、2年連続勉強会に呼ばれた。これも私の隠れ仕事である。
勘違いされないよう念押ししておくと、あくまで勉強会の講師だ。私が政策をつくったり提言したりするわけではない。環境政党だけに森林問題には熱心なのだが、では林業というと深く知っている様子はない。そこで政策づくりのために勉強する会を催されて、私が呼ばれたのである。
ちょうど『絶望の林業』を出版していたし……といっても、私は林業ダメ出しばかりしたのではない。むしろなぜダメになるのか、改革されないのかという裏事情も語っていて、いわば当事者の言い訳の代弁者(^^;)になっている。「改革できない理由」を乗り越える政策提言をしなくてはならないのだが……果たして役立っただろうか? 基本、林業は産業であって、環境政策では成り立たないこと。利益を出る形にして、それを環境保全と結びつけないといけないのだが……。
政策というのは、コチラを立てればアチラが立たず、というものが多く、一方的な見方だけでは成り立たない。入念に練って何がどう作用するか見極めないと失敗する。その点、政府の苦労が少しはわかるのだが、残念ながら与党の政策も近年は薄っぺらで、練った様子が見られない。とくにここ数年は、思いつきの域を出ないものが増えているのはどうにかならんかと思う。
弱小の緑の党がどのような政策を掲げても、国政に及ぼす影響は小さいだろう。ただ見方を変えれば、林業政策をまともに掲げている政党はほとんどない。マニフェストでも触れていないか、林野庁が片手間に代行してつくったような内容を並べているだけのものばかりだ。あまり与野党変わらん。そこに斬新な政策を掲げたら、提携次第で採用されるかもよ。
ちなみに念のため(笑)記しておくと、私は仕事上の支持政党はない。もし私の林業論森林論を聞いてくれるなら自民党でも共産党でもOK。ただしマジに考えるつもりはあるかな?
大昔に(旧)民主党の林業ワーキンググループに呼ばれて話したことがあるが、その時は「林業は産業だ。儲けなアカン」という話をしたら、ポカンとされた。環境のため補助金をもっと出せというと思っていたみたい。当時のメンバーの多くは、自民党に寝返ったり首長に転出したり、落選したりしたが……その後、いきなり「林業は産業」と言い出して「森林・林業再生プラン」などを立ててきた。だがその頃の私は「環境を破壊する」と反対した。「世は人につれ、人は世につれ」である。
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