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森と林業と田舎の本

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2021年6月

2021/06/30

太陽光発電建設の現場

昨日、平群のメガソーラー建設予定地を遠目に眺めた写真を載せたが、ふと思いついて現場をちゃんと見に行こうと考えた。

今度は、事前に地図をしっかり見て、進入ルートを見つける。思えば、ここにはハイキング道が伸びているのだ。里道(りどう)は、簡単に破壊もできないはず。道路法は適用されないが、公共の道だからだ。そこを探せば、ちゃんと侵入、もとい進入、通行できる。

まあ「工事中につき立入禁止」の標識はあったが、工事が止まっているのはわかっているのだし、あくまで里道を通るんだい! と強行突破。

すると、入り口は緑に包まれた道だったが、すぐになかなか見応えのある景色が広がっていた。

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48ヘクタールとはこんなに広かったか。しかも残置森林(3分の1。16ヘクタール)がほとんど見当たらずごっそり伐ってある。(境界線などに残した部分で3分の1に達するか疑問。)
それに地図では、比較的なだらかに見えたのだが、結構な高低差があり、谷も深い。急斜面も多い。これではソーラーパネルの設置できる場所は限られてしまうだろう。ただ谷を埋めている様子がある。単に樹木を伐採した跡地にソーラーパネルを並べる計画ではなく、かなり地形改変を行うつもりだったのではないか。それ自体、法的に可能なのかどうか。地形を変えるほどの土工には制限が多いはずだ。それに、工事量が増えたらコストも増えるから、利益はそれを上回るような算段があったに違いない。20年間のFITで稼ぐ手立てには裏があるはずだ。

それにしても作業道が縦横無尽。山肌を削って土壌をはぎ取っているから、今後を考えると緑化も大変だ。森の再生も難しくなる。

一目で連想したのは、あの宮崎で見た盗伐現場だ。他人の山の盗伐ゆえに荒っぽい施業だったが、あそこと似た感じ。ただ盗伐面積は、一カ所1~2ヘクタールが多いが、ここは48ヘクタール……。遠くまで行かなくても、地元でこんな景色が見られるとはなあ……。

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あえて違いを指摘すれば、意外と伐った樹木は、まとめて積み上げていたことだ。枝条は谷に落としているので、これは危険と感じたが、丸太の部分はわりとしっかり選り分けている。おそらくバイオマス発電所に持っていくつもりではないか。

伐って儲けて、跡地にソーラーで儲けて。でも、排水はかなり危なっかしい。土壌をはぎ取っているから、大雨が降ると流出する土砂は大量に出るだろう。

えげつない自然破壊の土地だ。これが全国各地に広がっているのだなあ。

2021/06/29

保安林解除を推進?再生可能エネルギーのため……

林野庁が、保安林指定の解除をやりやすくするマニュアルづくりに乗り出した。

ようするに地熱発電や風力発電、それにメガソーラーなど再生可能エネルギーを進めようとすると保安林指定された森林に引っかかることが多いが、そのため保安林の解除が必要になる。

現状ではちゃんと手続きを進めていくと1年ぐらいかかるが、もっと迅速化するための手引だという。必要な点を明確して書類づくりや事前相談をやりやすくするわけなのだろう。

保安林とは水源涵養だとか土砂災害防止ほかさまざまな用途に合わせて指定して、その用途以外への転換ができない。当然、地熱開発や風車建設やメガソーラー設置ができない。だから解除を申請するのだが、なかなか進まない理由として業者が不慣れというか手続き方法を知らないこともある。そこでマニュアルをつくって、手取り足取り早く「森林破壊」できるようにしてあげましょう、ということか。

これって、マニュアルづくりと言いつつも、指定解除に手を貸すことである。しかし林野庁なら、本来は抵抗すべき筋のものではないか。目的をもって指定したものを、業者の希望に沿って解除する手助けとは。しかも、解除された森林は、実質破壊される運命だ。木を伐らずに地熱開発も風車やソーパーパネルも設置できないのだから。

この調子だったら、バイオマス発電の燃料調達のための保安林伐採も進みそう。

これは、菅総理が進める二酸化炭素排出削減46%(2030年)達成のためになりなりふり構わぬ動きに出たとしか思えない。しかし、考えてほしい。こうして再生可能エネルギーが増えたとしても、結果的に森林を破壊すれば大気中の二酸化炭素は減らない。増えるかもしれないのだ。

先に生駒山の奈良県がメガソーラー計画の工事を差し止めた件を紹介したが、やはり国は推進したいのだ。

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これは平群町のメガソーラー計画地。48ヘクタールがすでに切り開かれた(3分の1は残置森林だそう)。遠目に撮影したものだが、わりとはっきり切り開かれた部分が目に入る。ここにソーラーパネルを並べられたら、見事に反射して目立つだろう。

業者は一時的に差し止められても、すでに土地を購入しているし、かなりの資金を投入しているはず。簡単には引かないかもしれない。あの手この手で林地開発申請書の不備を直して再提出を目論むだろう。そこに国の省庁が手を貸す可能性は……あるな。ある。保安林ではないし、すでに伐採済だが、国定公園内だけに、さまざまな規制がある。加えて今回の差し止め理由となった排水処理や高圧電気の送電線など許認可がいっぱいだ。

アメリカのファンドは、政府内に人脈も築いているだろうから、奈良県に圧力かけるかもしれないなあ。

 

2021/06/28

ガボンの巨大「カーボンクレジット」

中央アフリカの国ガボン。そこで驚きの計画が発表されている。

Next Africa: As Oil Fades, Gabon Bets on Its Forests


ガボンは予算の半分以上を占める収入源として森に賭けるというのだ。

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森林を伐採して開発をする……ようなギャンブル計画ではない。アフリカ保護開発グループに70万ヘクタールの土地の帯を持続的に開発する権利を与えたのだ。このアフリカ保護開発グループ〔African Conservation Development Group 〕とはどんな存在かわからない。アラン・バーンスタインという人が創業者兼会長とあるから民間企業のよう。そして「持続的な林業」「農業」「エコツーリズム」「インフラ整備」などの部門を持っている。また傘下には、生態学、野生生物観光、持続可能な林業、自然資本評価、気候ファイナンス、カーボンオフセット市場の分野で世界をリードする専門知識を持つ人材を揃えているのだそうだ。

とにかく、広大なコンゴ盆地の熱帯雨林の一部を保護することでカーボンクレジット債券を得る計画らしい。見返りとして、ガボンはエコツーリズム産業と持続可能な広葉樹伐採事業を行うことを望んでいる。

カーボンクレジットは各地で行われているが、たいてい決まった森林を伐採開発計画から防ぐために行われるものだった。だが、今回のガボンは、複数の土地利用でより広い地域を保護するための計画だ。ガボンはすでに森林保護に関する以前の合意に基づき、1週間に1700万ドルを受け取っているとか。

あまりにも壮大な仕掛けなんで、日本人には理解しづらい(^^;)。ただ森を預けてカーボンクレジットでこれだけの資金を得られるのなら、日本もいっそ預けた方がいい。赤字垂れ流しの林業より、上手く経営してくれそうだ。

いくつか謎の言葉がある。「世界で2番目に森林に覆われた国 As the world’s second-most forested nation 」とはどういうことか。面積ならロシアやカナダ抜きに語れないから、ここでいう森林とは熱帯雨林のことだろう。熱帯雨林ならブラジルに次ぐか?ガボン一国ではなく、コンゴ盆地の熱帯雨林のことかもしれない。アマゾンに次ぐ中央アフリカという意味かな?

もう一つ、ガボンの環境大臣はイギリスの植物学者リー・ホワイトとある。外国人が大臣をしているのか。それも学者が。そんな融通が効くのも面白い。
そして大臣の発言「私たちがコンゴ盆地を失うと、気候変動との戦いに負けます。国として、私たちはアイデアを推し進めようとしています。排出量を削減するために支払うのではなく、排出量を吸収するために支払うのです」。

世の中、どんどん動いている。アフリカも大きく変わりつつある。

 

2021/06/27

「あきらめる林業」

『絶望の林業』の続編は? とよく聞かれるが、通常は『希望の林業』と応える。ただし、つい『気泡の林業』になっちゃうかも。。。と付け足す(^^;)。希望や夢は泡となって消えていくのよ……という意味を言外に匂わせている(笑)。

『絶望の林業』を読んだ、という声がときおり届く。メールだったり、ネット上の発信だったり。内容的には、実際に林業を手がけた人の苦悩が記されていることが多い。それでも頑張りたい、年金をつぎ込んで林業振興に取り組んでいるとあると、神々しいというか、もはや林業信仰かも。
たまにほんの内容に反発した声もあるが、そこに並べている批判がむなしいほど間違いだらけだったり。(オレは林業のプロだ、と粋がっているのが余計に痛々しい。)

まったくの偶然なのだが、先日以前からの知り合いのある人に出会った。林業を盛り上げる活動をしていた人だ。そのため山村地域に住んで、いろいろ取り組んできた。

ここでは、この人が誰か特定されてはならないので、その人物がどこに住んでいるのか、出身地や年齢・性別・活動歴などは一切触れないから説明が難しくなる。ただ、林業界ではそこそこ有名ではないかな。その人が、もうその土地を離れる決心をしたと聞いた。というか、今では林業関係の仕事をしていないともいう。

誤解を生まないように記しておくが、地元との人間関係が悪くなったとか、林業が嫌いになったわけではない。ただ、その土地で何をしても実を結ばないことに疲れたらしい。あ、それ、よくわかる! と私も相槌を打つ。

お互いの経験談をああでもない、こうでもない、と話しだすと(立ち話なんだが)止まらない(^^;)。言いたいことがあふれて出る。もちろん手がけたことが全部正しいというわけではなく、また失敗したわけではないにしても、結果的に林業振興には役立たなかったという思いがあるからだろう。でも、今度は別の場所で……というから、私は「場所変えても同じじゃない?」と応えてしまった。やるなら都会でやった方がいいかと思う。

と、そこで思いついたのが「あきらめる林業」。そして「絶望の林業支援」。これ、続編のタイトルになるかもしれない(苦笑)。アホナ。。

それにしても立ち話2時間半はきつかった。。。。

 

2021/06/26

『森林で日本は蘇る』を読む

『森林で日本は蘇る 林業の瓦解を食い止めよ』(白井裕子著 新潮新書)を読んだ。

覚えている方もいるだろうが、著者は以前『森林の崩壊』を書いた人だ。工学博士で一級建築士。だから木造建築の分野から森林問題に入ってきたと言えるだろう。

この際だから書くが、前著はあまり評価していなかった。森林や林業をちょっと学んだかな、という印象で、林野庁など政府の言い分をそのまま信じているかのような箇所もある。そして最後は伝統木造建築礼賛になっていたからだ。伝統構法を建てさせない法律には問題あるが、基本林業にはたいして関係ない。

 

それでも今回、出版直後に読んだわけだが……書いていることは大きく変わらないのだが、印象はかなり違う。

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その前に目次を示しておこう。

はじめに

第1章 日本の建築基準法には自国の伝統木造は存在しない
木の長所と魅力を活かした伝統的な構法がないがしろにされている。大工棟梁の技能も伝統構法も世界に誇れるものなのに……。
第2章 自国の伝統文化は国益に直結する
景観や建築を自国の財産としてきたフランス。思想も哲学もない日本の建築基準法は一体どこを目指しているのか。
第3章 山麓の小さな製材所が持つ大きな可能性
木材の良さを生かせない制度、政策が価値を下げている。闇雲な大規模化を目指す前に足元にある知恵を見直すことがチャンスを生む。
第4章 誰のためのバイオマス発電か
あまりに違う欧州の真似をしても資源も産業も疲弊する。バイオマスは、エネルギーを使う現場から考える。
第5章 美しい山林から貴重な銘木が採れる列島なのに……
かつて銘木には1本3000万円以上で取引されたものもあった。いまでも価値ある木は存在しているはずなのだが……
第6章 森林資源の豊かさと多様性を生かせない政策
諸外国が羨むほどの森林資源を活用できないのはなぜか。豊かな資源で海外へ、将来へ打ち出す戦略を。
第7章 山中で価値ある木々が出番を待っている
日本の木の素晴らしさを日本人はどれだけ知っているのだろう。この価値を高める製材業と林業の復活を。
第8章 林業機械から分かること
欧州の林業技術展の面白さはどこからくるのか。日本は何よりもまず死傷事故を減らすこと。
第9章 いつの間にか国民から徴収される新税
補助金で縛るほど、林業は廃れる。本質的な改革と成長は、おのれの意欲と意志で動き出すことから。
おわりに
謝辞

初っぱながまたもや伝統建築の話なんだが、今度はいかに建築基準法などの規制が伝統建築をを邪魔しているかという展開だ。私自身は伝統建築にさして思い入れはない(そもそも住みたいと思わない)ので、さらりと流した。

その後は、正直、一読して既視感。いや既読感。何がって、まるで拙著『絶望の林業』を読んでいるかのようだから(笑)。

徹底的に現在の林業事情を批判し続けている。補助金もバイオマス発電も林業機械も……よくぞ、書いてくれた(^o^)。私も書き切れなかったり、削った部分も含めて追求している。系統だってはいないが、私以外にここまで林業批判をしているのを目にすることはまずない。

『絶望の林業』との違いはというと、彼女は日本学術振興会の研究員などをやっていた関係で、政府の官僚ともつきあいがあるらしいこと。ワーキンググループなどにも入っていた。そのため内部情報というか、現場の官僚の発言なども紹介されている。

たとえば、ちょっと驚いたのは森林環境税のことだ。私はこの税を批判していた。これは増税だぜ、しかもバラマキだぜ、と言いたかったのだが、報道としては孤立無援というか、賛同者はほぼ現れなかった。ところが内閣府のワーキンググループでは批判続出だったらしい。成長産業にするといいつつ林業を公的管理下に置くための新たな税を取り、補助金的にばらまくとは何事か、というわけである。だが、見事に無視されたとある。内部の審議会の意見でも無視して突っ走るのだから極めて政治的なバラマキだ。識者の意見も形骸化。ガバナンスも疑うレベルではないか。外野の私の声などまったく響かないはずだ。

林業の補助金に関しても、他省庁から不満や批判の声が出ていたそうだし、そもそも補助金が林業関係者のやる気と思考力を削いでいることに官僚と気づいているかのよう。そして白書には、成功例しか載せない(成功したことにする)ことも。

どうせなら『絶望の林業』と抱き合わせて読むと面白いよ(笑)。

ただ異議はある。一番の問題は、タイトルだろう。「森林で日本が蘇る」点なんぞ、どこにも触れていない(-_-;)。あえて言えば、銘木の話。こんなに高く売れることもあるんだから……という点だろう。そりゃそうなんだが、昔の銘木は今は売れないのよ。今の銘木とは何か、がテーマになるのだ。

山村の小さな製材所だって、経営が維持できないから潰れるのであって、潰すなというのは経済原理に反する。まさか補助金で支えろというわけでもあるまい。潰れる理由は、経営者の能力の問題もある。全体に経済的視点が欠けているのだ。

 

とはいえ、『絶望の林業』を読んでも、まだ林業への愚痴が止まらない人は、読む価値はある\(^o^)/。読んで愚痴を言い続けようぜ。この本が売れたら、今後、林業・林政を批判する本が続出するかもしれない。(後に続け~!)

2021/06/25

奈良県でメガソーラー建設にガイドラインを

以前に紹介した生駒山のメガソーラー計画。急展開を見せた。事実上、県が工事を差し止めたのだ。

これは生駒市の南隣の平群町で48ヘクタールの山林を切り開いて建設予定だったメガソーラーを巡る問題だ。事業主は,東京の会社になっているが、資本をたどるとアメリカのファンドであることがわかっている。アメリカが日本の森を奪おうとした、という言い方もできるかな。

実は、昨年にこの計画を知った後に地元の反対運動を行う人々にも会ったのだが、その時の取組としては、止める手だてがなかなか見つからないとのことだった。私もそう思っていた。

そもそも敷地の買収は終わっている。県の許認可も下りた。平群町も問題意識なし。何より立地する地元住民が了解している……法的な面からは止めようがないのだ。

ところが、今年の3月に住民が工事差し止めを求めて提訴した。それも住民1000人が原告となる大きな裁判である。これは、何か突破口が見つかったのかと思っていたが、(そもそも1000人もの原告を集めただけでも、大健闘である。昨年まで会員は数人だったのだから。)

そして、いよいよ裁判が始まるか……と思っていたところに、荒井知事が県議会の答弁で、業者が提出した設計内容に誤りがあったことから、工事の停止を指示したことを明らかにしたのである。そして業者に対し、法令の基準に適合するまでは工事の再開を認めないことなどを通告した。

では、具体的に何が設計内容に誤りなのか。一言で言えば、林地開発申請書の中身が虚偽だらけだったのだ。

詳しい内容は、平群のメガソーラーを考える会のホームページを。

ある意味、敵失である。法的には差し止めできないと思えたのに、向こうが怪しげな違法行為をしたのだから。もちろん、それを見破った点は、よくぞ調べたと言えるだろう。なかなか素人には難しいことだ。

当面、工事も止まるだろう。果たして申請書を合法的につくり直してくるかどうか。結構難しいのではないか。生活道路の問題まであるから、どんどん大規模工事と保障が膨れ上がって利益が減るとなると、投げ出すかもしれない。
ただ、すでに現地では伐採がかなりの面積で進んでいる。幾度か私も現地を確認しようと近くまで行ったのだが、なかなか登り口がわからず、遠目に見るだけに終わっている。だが、また挑戦してみたい。
山は、伐採されて土が剥き出し状態だが、そこそこ手を入れて土砂の流亡を抑えたら5年で緑に覆われて、10年ぐらいで見られる雑木林になるのてはないかな。

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Googlemapで見ると、ちょうと伐採直後らしい状況が写っていた。木を伐採した跡である。

私が注目したいのは、単に平群町の一件に留まらない様子である点だ。

荒井知事は、メガソーラー設置に関する県独自のガイドラインを今年度中に策定する考えを示したのだ。

これは大きい。ガイドラインというからには、何らかの規制条項となるだろう。真っ当な基準を決めたら山林を破壊するメガソーラー計画の大半を止めることができるだろう。すでに各地の自治体が、太陽光発電所の建設を規制する条例づくりが進んでいる。
広く住民の同意が必要なのはいうまでもないが、私的には、少なくても1ヘクタール以上の規模には規制が必要だと思う。そもそも山林を切り開くのでは、防災面からの問題のほか、生物多様性も破壊する。そして、何のための再生可能エネルギーかと考えから、逆に二酸化炭素の排出を増やすことになる山林破壊は脱炭素に逆行する。いずれも国際公約違反なのである。

むしろ心配なのは、国の動きだ。肝心の環境省はアセスメントなどを緩めて推進する方向だ。二酸化炭素の排出を2030年までに46%削減を公約してしまったからには、机上の数字だけでも辻褄合わせしようとするだろう。するとメガソーラーにバイオマス発電、そして風力発電を相当増やさないといけない。しかし実態は逆効果だ。いずれも森林を破壊して、二酸化炭素排出を増やしかねないのである。

遠からず国と自治体がぶつかるかもしれない。

 

2021/06/24

ジビエにブロックチェーンが使われていた

先に「木材流通にブロックチェーン」という提案をしたが、ほかの業界でブロックチェーンを利用しているところは何があるだろうか、と探りを入れてみた。

すると意外なものがヒットした……ジビエである。

日本ジビエ振興協会が、2017年から実証試験を行い稼働させた「ジビエ個体管理システム」に、ブロックチェーンを使っているという。

具体的には、獣種や捕獲地、加工者、加工日、内容量、保存方法などをWebベースに入力する。登録を完了させると、個体番号とQRコードが発行され、商品ラベルなどに印字する……という仕組みらしい。すると卸売業者や消費者が流通過程を確認できるのだ。実用化したのは2カ所の施設らしい。ブロックチェーンでは、改竄できないことに加えて、個別のテーマごとに別々にデータを管理できるから……という。あくまで、ジビエのサプライチェーン全体を管理するシステムの第一歩という位置づけだ。

たしかにジビエは、いま一つ信用ならない(衛生面や加工面)。処理の仕方で味が大きく変わるだけに、流通に乗せてビジネス化するには、トレーサビリティを管理することも大切だろう。まあ、本当に守られるのか、どれだけ猟師が参画するかはこれからだろうが。ICTを持ち出すと、いきなり逃げ出す人が多いのは、林業界とよく似ている(笑)。

私自身は、ジビエという野生肉を食卓に乗せるのは結構なことだと思っている。そのためにトレーサビリティを確立することもね。

ただ日本ジビエ振興協会が「ジビエを振興したら有害駆除も増える」「害獣を資源に変える」と言っていることに対してはありえねえ、と思うから、イマイチ諸手を上げて応援する気にならないのだよ。そんな夢物語言っているから普及しない。獣害を減らすためには、駆除数が重要だが、食肉を意識すると、数を稼げない。
普及に欠かせないのは、安定供給と流通ルートだ。ところが野生動物にそれを求めるのは極めて厳しい。

そのうちジビエを普及させるために、牧場つくって飼育するようになるんじゃないか。シカもイノシシも牧場で増やして定期的に食肉加工すれば、安全安心安定供給できるから。

120 シカ肉熟成の図。

 

2021/06/23

絶壁か、花木か。

奈良県の曽爾村に屏風岩という断崖絶壁があって、そこには柱状節理が見られる。

それが見たくて、崖の下の屏風岩公苑まで登ったのだが……。

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なるほど、たいしたもんだ。

しかし、山麓にサクラを植えすぎ(^^;)。300本のサクラが育ちすぎて大木になっている。それが枝を大きく伸ばし、肝心の岩壁が見にくいじゃないか。もっと伐って本数を減らすか、低い位置に剪定し直すことをオススメしたい。
もっとも、ピンクのサクラ花に岩壁が映えると自慢しているだから、無理だろうな。。。ただでさえ、サクラを伐ると担当者の首が飛ぶと言われる世界だから。ただ崖を見せたいのか、サクラを見せたいのか、ちょっと的が絞れていないんじゃないか。

岩壁そのものにも、緑が目立つ。ミツバツツジなどということだが、ほぼ垂直の岩場によく生えている。断崖絶壁のはずなのに、こんもりした緑で垂直部分が見えにくい。

柱状節理の隙間に、岩が砕けて砂になったものが溜まって、それが土壌になっているのだろうか。そこに張りついて根を伸ばして生育しているのだから植物の生命力を感じる。
でも私が思ったのは、そんなツツジは、クライマーに登らせて抜き取ってしまえ。。。(^^;)\(-_-メ;)。

柱状節理を見たい人にとっては、樹木は邪魔なんだよなあ。クリーニングしてほしい。

ああ、今の私は、地学ファンになっているかもね。

 

2021/06/22

「林業にブロックチェーン」の勉強を

フォレストジャーナル21年夏号が出た。

特集は、「選ばれる職場のつくり方」。その中の岐阜県のアンケート調査なんだが、林業会社を辞めた人の約半数は、別の林業事業体に就職するか、独立して林業を継続しているという結果が出ている。なんで林業を辞めたのに、また林業に勤めるんだ(笑)。私の林業七不思議。さっさと愛想尽かしすれば現場も変わるのに。

ほか「おかえりモネ」の清原果耶さんも登場している。もう、今年の「緑の女神」は彼女でいいんじゃないか(^o^)。

さて、私が気になったのは、特集の一つで取り上げているブロックチェーンだ。実は、わたしもそれにちなんだ記事を書いたのだが……。

私も知らなかったのだが、もはや海外では林業にブロックチェーンを導入するのは当たり前になっているらしい。実験段階ではなく、実施段階になっていた。これに目をつけたのは、なかなか編集者も凄い。既存の林業雑誌には登場しないネタ(笑)。

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実は私も記事を書く際に、日本でブロックチェーンの実験をしているところはないかと探した。もし知らずに書いたら恥をかくと思ったからだ。結果的に日本にはまだないと結論づけた。ただ水産業界では始まっている。

日本も、いざという時にオロオロしないよう、今からブロックチェーンを勉強して、少しずつでも実験をしておくべきだ。そのうちトレーサビリティの主流になるだろう。日本のダサい「合法証明書」なんか相手にされない時代が来る。さもないと、またもや世界から置いてきぼりを食らうよ。

……と、私は「予言」したからね。ウッドショック到来の予言も見事に当たったと思っているが、ようするに情報はあっても活かせないと意味ないから。

 

 

2021/06/21

「学生と話す」こと

このところ、よく学生と会う。とくに女子大生と話す。対面もあればZoomなどもあるが。

女子大生が好き!……だからというわけではなく、いやもちろん嫌いでもないのだが、まあどちらかと言うと好きだけど、何も自分から会おうとしたのではなく、面会の申込があった場合に受け身で応じるのであって、決して主体的に強く要望することもなく、そもそも私は人見知りをする方でして、しかもコロナ禍の今は他人と会う機会も極端に少なく、やたらめったら女子と聞けば会うわけではないわけで、誤解のないように言っておくのだけど、そもそも男子学生からの面会申込はほとんどなく、なぜか圧倒的に女子が多いのであって、だから女子を選んでいるのではなく、必然的に女子に会うことが増えているだけで、もちろん理由は森林や林業のことを聞きたいという真面目なものであって、とくに就職に悩んでいるとか、卒論で林業を取り上げたいと聞けばこちらも真剣に向き合わなくてはならないのであって……。。。ゼイゼイ

 

せ、せっかくだから、ここで私の面会基準を。

基本的には誰とでも会う。最初から拒否はしない。政治的に言えば、それこそ自民党でも共産党でもOK。年齢層は中学生から80代までいる。仕事上は男子がほとんどだが、不思議と学生に限ると女子になる。なんでも、私と約束を取り付けた女子学生が同級の男子(森林学生)に一緒に行こうと呼びかけても、誰も行きたがらなかったという。私は嫌われているのか?

もっとも誰とでも無条件に会うわけではない。事前に用件を聞いて目的を確認している。また基礎的な知識をどれだけ持っているのかも重要だ。ときに「何が聞きたいのか」と問い返すと「なぜ森が好きなのですか」みたいなアホな質問を並べている場合はすっぱり断る。そんなことは会ってからの雑談ならともかく、質問事項に上げてくる時点で切り捨て対象だ。

そのほか基準はいろいろとあるし、とくに最近は厳しく相手を見極めている。仕事なのかどうかも重要だ。こちらだって時間を割くのだし、稔りなく会うつもりはない。仮に会っても、相手のレベルによっては「思いつき」レベルしか話さなかったりする。甘くないよ。
ただ学生には甘い。(女子大生にはとくに甘い……かどうかはわからない。)

それは、私自身が学生時代から多くの人に質問を投げかけ、情報を得ていたからである。多くは学者だが、本を読んだり雑誌でナニソレの分野の専門家だと知って、手紙を送った。今のようにメールはないし、電話をいきなりかける勇気もなかった。

内容は、今から考えるとおバカなものも多かったかと思うが、たいていは、ていねいに応じてくれた。

だから、今は恩返しの時期に来ていると思う。過去に世話になった人に返すのではなく、次の世代へ返す。それが私の流儀というか世代間で受け継いで行ってもらいたい。だから手間のかかる内容であっても、できるかぎり応じる。
学生は未熟なことも多く、つまらない質問(以前の知識不足)もあるわけだが、唯一の特権は突撃精神だ。恥をかいてもいいから会いに行く、質問をしてみる、という特権を持つ。持つが、活かす学生はどんどん減っているように思う。少なくなったその精神を持つ人の目をつぶしてはいけない、という意識を私の中にある。

別に教育しようとは思っていない。期待もしない。この人なら(この女子学生なら)何かをしてくれるのではないか、森林・林業界に新風を送ってくれるのではないか、なんて期待はしない。期待するというのは自分の思い通りになってほしいということだから、それはお門違いだろう。たかが森林や林業に(他人が)人生賭けるよう期待してはイカンのである。

どちらかと言うと、私は「考え方」を伝えたいと思っている。こういうケースもあるよ、このように考えるとどうなる、立場を変わるとこんな気持ちになるよね……。そんな攪乱するような情報をばらまいて、その後に何を考えるかはその人(学生)の問題。あえて言うなら興味の赴くままに進め。そして自分で自分の人生を選んでくれ。

それが私の“期待”だ。

 

 

 

2021/06/20

山村のおばばの呟き

本日訪れた、某山村。

なかなか形のよい山があったので、写真を撮ろうと、ちょっとだけ脇道に入り、田畑の中の駐車スペースに車を停めた。そこで、手早くカメラで山の写真を撮ろうとしたのだが……そこにビニールハウスからおばさん……いや、おばあさんかなあ……が、登場した。

ここは農作業用のスペースだったのだろう。挨拶して、「ちょっと写真を……」と説明する。そのまま雑談に移っていくのだが。山の写真なら、どこで取ったらきれいに撮れるかという点から、農作業の話に移っていくのだが、そこで聞いた話。

「あの山のふもとも、昔はみんな畑だったんよ。当時は山の足元からきれいに見えた。今はスギばかり植えているけどな。もう50年も60年も前に国の政策で植えることになったんよ。でも、今は木が育っても全然金にならない。植えたときや草刈ったり木抜いたりして至るときは仕事あったけど、20年ぐらいで終わって、あとはほっといても育つようになったけど、今の方が儲からない。
それで国がな、里山なんとかという事業始めて、木を伐るのに金を出すようになって、道沿いを伐ることになってな、伐る人には出るんやで、でも地主には何も出ない。うちの山かって、70年も経っていて、太い木が生えていたのに、みんな伐られた。木を伐って、その木はみんな業者が持って行ってしまう。それを売った金で儲けるわけや。でも地主は一銭ももらえないんやで。何十年育てて、何もなしや。伐られた跡も、また田畑にもどせるわけないし。最近は農業やる人も減ってきたから。みんな年とったからやってられなくなってな。直売所をつくったのに、野菜出荷する人がだんだん減ってきた」

現場からは、以上です。(異常かな。。。)

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こんな感じですかね。道沿い、山のふもとはみんな丸裸。

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それにしても、こ林分の断面を見たところ、枝が上がっているねえ。

2021/06/19

Y!ニュース「……改正された木材利用促進法」書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「国産材の評判落とすかも?改正された木材利用促進法」を書きました。

木材利用促進法の改正案は、以前から聞いていたのだが、もっとも興味深かったのは、
「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」から
「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」
という名称の変更(笑)。

以前は、木材需要を増やしたい、それは林業振興の意味合いが強かったのに、それを「脱炭素社会」のためと理由を大幅に変えた。中身は拡大しただけで大きな違いはないのに目的をガラリと変えたのは面白いと思っていた。ただ、それを記事にしても面白くない。そこで切り口を変えて、「国産材」という言葉が登場しないよ、という点から書いたのである。

ところで、法律の名前がとにかく長い。文字数にして39文字。以前は24文字だから15文字も伸びた。だいたい法律の正式名称はどれをとっても長いのだが、これって何か好みがあるのか? 

そういや昨年、奈良県に森林に関する新条例(森林環境管理制度の枠組と方向性を決めたもの。これを元に奈良県フォレスターアカデミーを設立し、奈良県フォレスターの養成を行っている)が定められたとき、私もその委員の一人だった。そこで最終段階でタイトルをどうするか話し合った。私は「できるだけコンパクトに、誰でも口にできて意味がわかりやすいもの」と主張したのだが、荒井知事は、「長い方がいい」と断固いうのである。

そして決まったのが、「奈良県森林環境の維持向上により森林と人との恒久的な共生を図る条例」。32文字だ。押し切られた。意味は……わかったようなわからんような(^^;)。

なんか、法律とか条例は長い文言の方がかっこいいとかいうイメージあるのかね?

 

2021/06/18

「ウッドショック」のリスクヘッジ

いまだに、というか、世間では今が盛りなのか、ウッドショックの話題が絶えない。マスコミの記事がどんどん増える。

もしかして、これまで木材とか林業にまったく興味のない・知識もない連中が、「なんだか今はウッドショックと呼ぶ現象が起きているらしい。ネタになるぞ」という先駆的?記事を目にして、自分も参入せねば、と焦って取り上げている気がしないでもない。ネットの中だけでも経済ネタ、国内ネタ、貿易ネタ、いろいろ切り口が増えていく(^o^)。

それはどうでもいいのだが、そもそも「ショック」というのは木材価格の高騰および木材不足のことだ。しかし、この現象は歴史的に見れば珍しいことではない。数十年に一度は木材は高騰するのが当たり前で、バブル景気とバブル崩壊の繰り返しみたいなもの。上手く立ち回ったものが大儲けするのは歴史が証明している。もちろん、大損して破綻する人も多く出る。

ちなみに、私は明治時代の山林王・土倉庄三郎のことを調べる過程で江戸時代から明治、大正時代当たりまでの木材価格の値動きを調べたことがあるのだが、その時にも木材の乱高下は珍しくなかった。日本国内にかぎるが、高騰、暴落がしょっちゅう起きていた。明治維新後には木材需要が爆発的に増えたが、その後だぶついて緊縮財政になったりと繰り返している。明治末にも材価は低迷したが、大正には爆上がりしている。逆に言えば、それにいかに乗るかが林業家の腕の見せ所というわけだ。庄三郎は、その点も長けていたようである。

庄三郎が、大阪の北浜に陣取って、木材バイヤーのカルテルに対抗した話も残る。価格を下げさせようとする業者と張り合って、安値では売らずに木材価格を下げさせなかったそうだ。それに耐えられる資金力もあった。

そして戦後は、「吉野ダラー」という言葉もあるように、木材で儲けた人々(主に吉野)が株式相場に乱入することもあって、これまた乱高下を経験している。木材価格自体も、戦後は一貫して上がっているかと思いきや、意外と下落も何回となく起きていた。投機で遊んだのは困ったものだが、それだけ博打感覚を持っていたとも言えよう。

あの経験・感覚を現在まで持続していたら、今回のウッドショックも上手く立ち回われたかもしれない。

なぜ、現在の林業・木材関係者があの頃と同じことをできないのか。

一言で言えば、余裕がない、資金もない、知恵もない、ということだろう。

ただ、株式相場と同じように考えれば、こうした高騰とか暴落に備える技はある。いわゆるリスクヘッジだ。株の世界には、常にリスクヘッジが必要とされている。

まずは、ポートフォリオだ。分散投資である。なるべくハイリスクハイリターンの株と、真逆の安定株を組み合わせて売買する。外貨建てなんてのもある。国産材を外貨で取引したらどうだろう? そのほかに相対取引も、価格の変動を抑えるためのもの。年間の予約・先払い購入もありえる。

本命のリスクヘッジは、先物取引である。先物は江戸時代の大坂の米相場から誕生したと言われるが、米の価格の乱高下に備えるものだった。それがなんだか今は先物というだけで、投機筋の泡銭稼ぎのように思われてしまうが、本来は相場の安定のための仕組みである。

ここで先物の仕組みについて解説するつもりはないが、木材も先物で半年、1年先の価格を決めて売買しておけば、ウッドショックなんか怖くなかったのに。ぼろ儲けのチャンスを逃したと嘆くかもしれないが。林業家も、先物に合わせて大量生産しておく先読みが必要だが、その資金調達も証券市場で行えばよい。いっそ木材先物市場を創設したらどうか。

だいたい、アメリカでウッドショック(木材価格の高騰)が起きたことは昨秋あたりからわかっていた。木材を扱う商社などは把握していたようだ。ところが、その情報は日本の林業界には伝わらなかった、あるいは伝えても無視された。つまり、突然起きたことではないのである。ちゃんと備える仕組みと情報発信を行っていれば、恐れるに足らずだ。

結局は、木材の川上(山側)と川中(製材)・川下(建築)の流通で情報をしっかりやり取りしておくのが、最大のリスクヘッジである。それができていないのだから、話にならない。

Dsc00295 製材品市場の競り

2021/06/17

埋もれた古道遺産

生駒山は登り飽きるほど登っている。それも、できるだけルートを変えて。奈良側から山頂に登るルート(道なき道も含む)は、だいたい網羅したかな、と思うほど。知らないところがなくてつまらないと、うそぶいていてる。

ただ、たまにこんな発見もある。

1_20210617205701

これ、細くて廃道一歩手前の古道を歩いていたら出くわしたのだが、結構立派な石の階段だ。

幅は5メートルばかりあって、上下はおそらく50メートル以上伸びているかと思う。かなり傷んでいて、石の隙間から水が吹き出ているから、そのうち崩れてしまうかもしれないが、大昔の参道かもしれない。

せっかくだから登ってみた。上の部分は草に覆われていたが、石段は残っているからかき分けたら進める。最後は、またマイナールートの山道に出たのだが、過去には山道より、こっちの階段道の方が幹線だったのだろう。しかし、いつしか使われずに消えたか。ただし、部分的に石の階段は残された遺産かもしれない。

それと同じものを思い出した。

Dsc07954

このトンネル、実は生駒山中に埋もれていた鉄道トンネルだ。正確には、大阪から大和川沿いに奈良盆地へ入るルートにつくられた近鉄(旧大阪鉄道)のトンネル。それが地滑りで埋まってしまった。1931年のことである。ところが2008年に工事中に地下から埋もれていない部分が発見されたという代物。レンガづくりの年代物だ。当時はSLが走っていたので、天井などには煤が着いていてる。

その後、鉄道は別ルートに敷き直したので、埋もれたトンネルはそのまま残されたのである。

私は幸運にも見学のチャンスをいただいた。鉄オタよ、羨ましいだろう(笑)。

山に歴史あり。ちなみにこのトンネルの上には龍田古道が伸びて、古代の難波の宮と斑鳩-飛鳥を結んでいた。聖徳太子も通ったんだろう。

 

2021/06/16

気持ちが悪くなる木造建築

「ウッドショックからウッドチェンジへ」

そんなキャッチフレーズがある。森林林業白書の公表や、5年ごとの森林林業基本計画とか、木材利用促進法の改正などなど、林業関係の発表にちなんだ林野庁からコメントに登場するのである。

まあ、キャッチフレーズとしては悪くない。木材価格高騰で騒がれるウッドショックを、木材利用促進にチェンジしたい気持ちもわかる。林業振興、山村再生、それに世の中、これからは「脱炭素」ですから……。

だが、へそ曲がりな気持ちがムクムクと湧いてきた(笑)。木材のどこがそんなにいいんだ、とにかくネコも杓子も木材に変えればいいのかよと、思ってしまう。木材を経済や環境問題の道具として取り上げるが、その前に木材の良さを感じているのか。人間の官能が木にどんな反応をするのか考えたのか。いや、誰でも木材は気持ちいいに決まってる、目にしても触っても、臭いを嗅いでもみんな木の家が好きじゃないか……と自明のようにいうが、それは怪しい。

そして、気持ち悪い木造建築だってあるんじゃないかと考えてみる。木をたっぷりつかっているけど、なんか違和感があるとか、似合わないとか。それがデザイン上のことなのか、使い方を誤っているのか。

そこで自分の経験上、気持ち悪かったのはどこのどんな建物か記憶をたどる。
一つ浮かんだ。あれだよ、あれ。和を究めた……なんて言い方をしていたあの建築は気持ち悪かったぞ。

建築物を名指しするのは申し訳ないが、出さなきゃ伝わらないだろう。

京都迎賓館である。外国人の賓客を迎えるために、京都御所の一角に建てられた、あの建物。気張って日本の木の文化を伝えるんだ、と木造の和風建築なのだが。

私は見学する機会があったのだが、その時に感じたのは、なんか温泉旅館ぽい。和の雰囲気が全然ないというか輪郭がぼやけている。大味で繊細さが感じられない。使われた材料は最高級なんだよ。また随所に職人業は光っている。木組みや加工部分だけでなく、刺繍やら彫り物やら。漆芸もあったかな。しかし、なんか建物としてはしょぼい。安っぽい。

これが日本文化だと言われたら情けなく感じる。(※個人の感想です。)

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だだっぴろい。天井が高い。床材はWPCなのかテカテカ光っている……。

仕方なかったのかもしれない。外国人向き、それも団体さんのケースが多いだろうから、天井を高くして広間も大きく取って。土足で上がることもあるからプラスチックで固めた床にしたのかも。でも、なあ。

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この天井張りも、気持ち悪い。長さ10メートル近い吉野杉をつかっているのだから、ものすごく贅沢なんだけと、胸がざわざわする。だらりと無節の木目が伸びているのは、冗長な感じだ。(※個人の感想です。)

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この表具は職人業だ。3枚の障子の木目が、脇に寄せて合わさったときだけ見える、揃った木目。でも……その外には金属サッシのガラス戸があるんだね……。職人業を全体のデザインで殺しているような。(※個人の感想です。)

実は、この迎賓館は鉄筋コンクリート建てだった。内装だけ木質にしたのである。それも外国人要人を迎える前提で耐震耐火を考えると仕方ないのかもしれない。しかし、素人でも「コンクリート製なんだな」と見破れるというのはいかがなものか。それに気づかぬような工夫はできなかったのだろうか。

外国人には、これぐらいでいいだろ、となめていません?(※個人の感想です。)


実は、この迎賓館を訪ねる少し前、同じ京都の二条城を見学していた。いうまでもなく、御所の近くに徳川幕府の威信をかけて建てた城であり、江戸時代の代表的建築だろう。そして大政奉還の舞台にもなったことで知られる。
入ってすぐに感動した。これが和の建築か。木の文化か。粋を感じたね。古さとかは関係ない。建物から染みだす威厳があった。当時の日本人の身長に合わせているからか、造りは全体に小振りな印象を持ったが、実は壮大な世界観が広がっているように感じて圧倒された。
それと迎賓館を比べるのは……ちょっと失礼か。

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もちろん京都迎賓館を見て、感動する人もいるんだろうけどね。好き嫌いは個人の感性によるから、いろいろな感想があるだろう。でも私は、げっそりしたよ。底の浅さを肌で感じてしまった。理屈じゃない、五感で感じる違和感。

ウッドチェンジと言ったって、高い材料をツギハギに使えばいいわけじゃない。「こんだけ木材使えば満足かい?」という態度が見えしまったら、台無しになってしまうんだよ。

もちろん、これは個人の感想です(^^;)。

2021/06/15

どうなる、鳥獣害対策とジビエ

2007年に制定された鳥獣被害防止特別措置法が、今国会で改正されるはずだった。もうすぐ国会閉じるが、どうなるのかな? 反対意見があるとは聞かないから通ると思うのだが。

これまでの特措法に基づく支援は、市町村が計画を作成して、国は「鳥獣被害防止総合対策交付金」を支払う形で実施していたが、シカやイノシシなど野生動物は、市町村の区域にまたがって生息するため、改正案では都道府県の関与を強化する予定だそうだ。まあ、それはそれでよいが。

今以上に駆除を進めたいというのが前提だろう。

 

それと関係あるのかないのか、朝日新聞にジビエの記事が載った。

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実は、私も取材を受けている。上記の記事は小さくて読めないだろう(笑)から、私のコメントのある部分だけ拡大。

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ようするに、ジビエと鳥獣害対策は別よ、ということだ。このコメントを取るために、わざわざ生駒まで来た記者さん、ご苦労さまでした。ちゃんと「『獣害列島』などの著作がある森林ジャーナリストの」という肩書をつけてくれた。

まあ、初めは電話かZoomか、メール交換か、と提案されたのだけど、私は「来てください!」と言ったのであった。記者もコロナ禍で動きたいのに動けないという気持ちを持っているから、「取材相手から来てくれと言われたら、不要不急ではないですよね」と上司を説得できるというものだ。そこまで読み取っての要請である。これを忖度という(笑)。ちなみに記者は、PCR検査を受けているそうだ。

ともあれ、ジビエの話のはずが、ほとんと獣害の話ばかりしたのだが、数を追う対策は、肝心の害を減らすことにはつながらない。まず必要なのは、鳥獣の生態や被害の実態、そして捕獲技術を調査研究することだ。その上で目的を明確にする。獣害の場合なら、「農家の被害を減らすこと」である。殺すシカとイノシシの数を増やすこと、ではないはずだ。
さもないと、単に木材生産量を増やすことばかりに熱中して、肝心の林家を瀕死に追い込んでいる林業界の二の舞ではないか。

加えて、駆除個体とジビエに回す個体は別物であることを認識すること。ジビエを普及したければ、粛々とやればよい。しかし、それと獣害を減らすこととはつながらない。

おそらく現場レベルでは、駆除とジビエは両立しないというか、別物とわかっている(わかっていないのなら、単なるアホ)と思うのだが、引っ込みがつかないのではないか。世間的にも、単に駆除して捨てました、では反発買うから、資源として利用しましたという体裁を取らねばならない(と想像している)。

……なんてこと、話したんだけどなあ(^_^) 。

 

2021/06/14

ペットにすると、脳は小さくなる?

面白い。こんな記事を見つけてしまった。

科学に佇む本の棚-飼いならされると脳が小さくなる

ごく簡単に要約すると、家畜やペットのように人に飼育された動物には、脳の縮小がある、ということだ。

・ブタやニワトリは、野生の仲間と比べ、脳全体に占める前脳の割合が約1割少ない。
・飼いならされた猫もヤマネコより脳が小さい。犬の脳は、25%ほど狼より小さい
・ウマの脳は16%、ブタの脳は34%も、そしてイヌの脳は10から30%小さくなった

・家畜化によって:気性がおとなしくなり、人間に服従しやすくなる。すると脳が縮小する。
・家畜化は一般に、成体になると消滅するはずの特徴を保ち続けるよう働きかける。人間を含め家畜化された動物は、野生の祖先に比べて穏やかで社会性が高く、また子どものように見える
・ブリーダーが牛肉や乳製品のより従順な動物を選択するとき、恐怖、不安、攻撃性を制御する脳の部分を縮小する遺伝子を選択している。その結果、人間との接触が最も多い品種の脳は小さくなります。

もともと『獣害列島』の執筆時に、野生動物と家畜の違い、あるいは野生動物が家畜(ペットを含む)になる過程で何が起きるのか。すべての動物が家畜になれるわけではなく、動物の特性がある。それは何か……という点に興味を持っていた。まあ、あまり本では突っこんだことは書けなかったが、人と動物の関係を考える際に避けては通れぬ、と思ったのである。

その延長に、こんな研究があったのね。拙著でも少し紹介したが、家畜化する過程で、人は攻撃性が弱くて懐きやすい個体(遺伝子)を選んでいるのだが、それはネオテニー(幼生成熟)させて、脳を発達させないということだったか。ようするにペット動物は、野生より馬鹿だと(笑)。

餌の調達にも敵にも備えなくてもよくなった動物は、のほほんと暮らして脳味噌を劣化させていたのか。

人間も肝に銘じよう(^^;)。

2021/06/13

ほとんど知られていない国際的な「自然への誓約」

おそらく、この国際的な「誓約」を知っている人は数少ないだろう。私も最近知ったばかりだ。

リーダーによる自然への誓約(Leaders Pledge for Nature)」に対して、日本は賛同を表明したのだ。

この誓約は、昨年9月の国連生物多様性サミットの際にすでに提案されていた。すぐに70カ国のトップが賛同し、これまでに84カ国が参加。それなのに日本は、すぐに応えなかったのだ。G7の中では日本とアメリカだけが参加していなかったのである。

だが、現在開催中のサミットに先立って、菅首相がイギリスのジョンソン首相との電話会議した際に、参加を表明したという。5月28日のことである。

この誓約の内容は、2030年までの10年間で「生物多様性の喪失を反転させるための10の行動」を取ることを約束するものだ。抄訳は以下の通り。

1. 生物多様性、気候変動、環境問題全般を、コロナ禍からの復興(グリーン・リカバリー)戦略の中心に据える
2. 生物多様性条約締結国第15回会議(COP15)で採択される2020グローバル生物多様性枠組が野心的に進展させる
3. 生物多様性、陸域・淡水・海洋の劣化、森林破壊、汚染、気候変動への取り組みの縦割り思考を終わらせ、統合的に取り組むよう努力する
4. 持続可能な生産と消費、持続可能な食料システムへの変革にコミットする
5. パリ協定を野心的なものにするよう気候の国内目標を引き上げる
6. 生物多様性の喪失や気候変動への取り組みを台無しにするような環境犯罪を撲滅する
7. 食品、農林水産業、エネルギー、採掘、観光などの業界を横断的に、あらゆるレベルにおいて生物多様性を主流化する
8. 健康と環境の持続可能性に統合的に取り組む、あらゆる政策や意思決定においてワンヘルス・アプローチとする
9. 人々の福祉を地球の保護のために経済と金融を変革すべく、あらゆる資金的・非資金的な手段を強化する
10. 政策の決定と実施を科学に基づいたものにすることにコミットし、同時に科学と同様に伝統的な知識の重要な意義についても認識する

 

今、気候変動(少し前の言葉なら「地球温暖化」)は、随分と知られるようになって、それなりに行動原則も紹介されてきた。しかし、元を辿るとリオの地球サミットで提起された問題だ。そしてこの会議で取り上げられた議題は、実は「地球温暖化」だけでなく「生物多様性」もあった。どちらも森林が密接に絡むうえに、2つのテーマで毎年もしくは隔年の条約締結国会議が開かれている。SDGsなども、両方が含まれている。

ところが、日本では、あるいは世界どこでも同じなのか、生物多様性に関しては関心がイマイチ薄いようである。気候変動は、直接、気象災害など身近な話題に結びつくうえ二酸化炭素削減といった対応は産業経済や生活に響くのに対して、生物多様性は見えにくいからだろうか。

しかし今後は、生物多様性も気候変動と並ぶ二大テーマとしてクローズアップされていくだろう。

果たして菅首相はそのことに気づいているのだろうか。どうも本当に問題を理解しているのか疑念が湧く。気候変動さえ、本音では興味の埒外にあるように感じるが……(それでも世界が騒ぐので、しょうがなしに温室効果ガスの46%削減を宣言してしまった。)。
今回も、官僚の後押しで、ジョンソン首相を喜ばせようと「誓約」に賛同してしまっただけのように感じる。

とはいえ、今後は両2つの環境問題のテーマに沿って経済・金融の変革など本気で行わなくてはならない。国際社会の行動原理に加えられたのだから。そして行動そのものも加速していく(日本的には、加速させられる)だろう。気をつけないと、また日本だけが置いてきぼりになりかねない。

 

2021/06/12

YouTubeに『獣害列島』の朗読を発見!

いやあ、偶然ながら驚くべきものを発見した。

なんと『獣害列島』の一部を朗読しているのだ。舞台はユーチューブである。

https://www.youtube.com/watch?v=6_FcEHQ3Qfs

 朗読しているのは、p111~p118,p150~p156。内容的には、「飽食の時代を迎えた野生動物たち」と「獣害対策は防護と予防にあり」の部分である。野生動物は餌に困って農地を荒らすのではない、と主張しているところと、草食系クマなどにも興味を示しているよう。

著作権的には、勝手に読まれて公開されては困るが、これぐらいなら黙認しよう。全部じゃないし、ちゃんとAmazonのサイトも紹介してくれている。これを聞いて興味を持ってくれたら、本全部を読んでほしい。本を購入して(^^;)。

1_20210612120401 サイドバーにリンクあり

ちなみに私の本は、何冊か朗読されている。主に盲目の人向きのオーディオブック、録音図書だ。たしか日本点字図書館からの依頼だったと思う。その場合は本全部だが、私は了承している。おそらく当時はカセットテープだったと思う。その後CDなどに焼き直しされたのかどうか。

最近はSNSも音声版が登場しているし、時代は文字から耳で聞く方向に進んでいるのかも。ながら聞きにはいいけど、記憶にどれだけ残るのだろうか。

 

 

 

 

 

2021/06/11

仏塔の見せかけ手すり

買い物途中に、ふらりと思いついて法起寺を参拝した。法隆寺の近くの小寺だが、由緒正しく万葉の姿を伝えている。聖徳太子の建立と伝えられ、世界遺産の一つだ。いつも横を走って三重の塔を見ているが、中に入ったことがないもので。コロナ禍の今こそ、参拝のチャンスだ!

が、なんと団体さんがいたよ。。。しかもガイドがマイクで解説して、密集している。アカンがな。

私は仕方なく遠巻きに見学していた。十一面観音菩薩像は、スギの一刀彫だそうである。写真撮れたらなあ。

そして、この三重の塔。創建は飛鳥時代だが、幾度か焼けて、現在の塔は江戸時代再建のようである。

9_20210611213401

ふと気づいたのだが、三重の塔の屋根の下には、「手すり」状のものがついてある。あれ、よく考えるとヘンだ。

この手の塔は、見かけこそ五重、三重になっていても、実は中の構造は一階建てのはず。とくに階層はなく、下から上まで吹き抜けているのだ。それなのに、いかにも三階建てに見せかけているのだなあ。改めて確認すると、法隆寺や興福寺の五重塔も、そのほか各地の仏塔にも、全部手すりがついてあった。誰がベランダ?に出るんだ。

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こちらは法隆寺の五重塔のアップ。ちゃんと「手すり」がある。

ところで全国版でどのくらいニュースになっているか知らないが、先月また奈良でえらい遺跡が発掘された。

奈良市の菅原遺跡で円形の建物跡が見つかったのだ。奈良時代では日本にほかに例を見ない円形構造なのだ。円状に並んだ柱穴が15カ所(おそらくもう1ヶ所で16カ所)発見され、柱穴の内側にあった基壇とみられる凝灰岩も円状だった。柱穴が描く円の直径は約15メートルで、円堂や多宝塔といった建物だった可能性があるという。

八角形の建物は、そこそこあるが、完全な円形建造物は、時代が下ってもそういくつもない。日本では珍しいものがあって、南アジアの仏塔ストゥーパではないかという意見も。ストゥーパは卒塔婆である。ここに、三重の塔・五重塔・多宝塔などとは違う円形仏塔があったのかと思うと楽しい。基盤の直径が15メートルだとすると、高さはそれ以上だろうから、そこそこ見応えはあるのではないか。

建物は高僧・行基を弔う施設だった可能性がある。行基は、東大寺を造営した僧として知られるが、そのほかいくつもの事績があって、生駒山のスーパースターなのだ。ちなみにその墓は生駒の竹林寺にあるが、古墳のようだ。

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遺跡も、我が家からそう遠くない。ただ住宅地のど真ん中で、遺跡も住宅開発の途中で見つかったらしい。だから、今後、破壊される可能性が高い。当然、保存の声は出ているが、周辺は高級住宅地だけに地価も跳ね上がるから、自治体の買取は難しいかなあ。しかし、こんな類例のない遺跡を破壊して、そこに住宅を建てるなんてもったいない。

 

この年になって、古代建築に興味が湧いてきたのであった。

2021/06/10

Y!ニュース「ウッドショックの価格は安すぎる!…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「ウッドショックの価格は安すぎる!木材価格を決めるのは何か」を執筆しました。

私の中では、ウッドショックのニュースは3月に終わっていたのだけど、結局は5月に入ってからYahoo!ニュースに書いて、すると別の所からも書いてくれと言われ、あげくはテレビやラジオに出てしゃべり、もういいよ……と思っていたのに、また書いてしまった(笑)。

今回は、一般紙などがあまりにも「木材が高くなった高くなった」と連呼するので、これぐらいで高いと言うな、という気持ちから。

まあ、役物・銘木と一般木材の価格を並べて紹介するのは業界的にはタブーなんだろうけど、一般人は区別せずに「木材」としか思わないだろうから、あえて何が価格差を生み出すかという点を示したかった。むしろ役物と一般材を別物とする発想こそ、業界の垢、つまりダメダメな固定観念なんだろう。その垢を落とさない限り、世間は見えない。

それにしても、意外と役物のいい写真がない。もっと、ちゃんと撮っていればよかった。せっかくだから、もう一枚用意した写真を。

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2021/06/09

もし「イギリスがTPP加入」すれば

ヨーロッパ連合(EU)を脱退したイギリスが、環太平洋連携協定(TPP)への加盟を求めた。それに対して加盟国11カ国は協議を始めると全会一致で決めた。

というニュースが流れた。あれほど揉めて、TPPはアメリカ1国だけが得する貿易協定で、日本他の国は痛い目にあう! と一部の人間は強行に反対していたのに、いざ米トランプ政権が「アメリカは(損するから)入らない」とあっさり脱退したら沈黙した。いったいどうしたの? 一人勝ちするはずのアメリカが抜けたんだよ、と言いたい。そして現バイデン政権も、すぐには加入を求める様子はない。そこへイギリスという大物が加盟したいと言い出したのである。

日本はイギリスの参加を後押しする立場だが、実現したらTPP全体の名目GDPは10.8兆ドルから13.5兆ドルに増加。EUの15兆ドルに匹敵する巨大経済圏になる。ちなみに日英間では今年1月、経済連携協定(EPA)が発効している。

さて、それがどうした、と国際経済に興味のない向きもいるだろうが、ふと私は思ったのだ。木材輸出はどうなるのだろう、と。EU内には林業木材産業大国がたくさん含まれるし、その周辺にもある。スウェーデン、フィンランド、ドイツ、オーストリア、ポーランド、そしてノルウェイ。だからTPPに限らず、日本は木材製品を輸入する立場で、関税撤廃もそこに力点を置いてきた。
ところがイギリスは、とくに林業が貧弱なヨーロッらの国だ。

イギリスは、今までどおりヨーロッパ圏内から木材を輸入するのだろうか。EUを抜けたら木材関税がどうなるのか知らないが、もしかして圏外からの輸入も考え出すのではなかろうか。そしてTPPに加入すれば、その加盟国も輸入相手国の対象になる……。

で、日本はどう出る?

な~んにも考えていないだろうなあ(笑)。木材輸出に熱心な割りには、対象は中国・韓国一辺倒だからね。あとフィリピン、ベトナムぐらいか。そして付加価値をつけて輸出したいと(白書で)言いつつ、原木輸出ばかり。ここで逆転を狙うならイギリス向けを考えたら?

と思って、日本のTPP対応戦略を探してみたら、こんなのが見つかった。「林業・木材産業分野におけるTPP対策」

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林野庁、こんなのつくっていたのだね。表紙はのどかでよろしいのだが、ほとんどは合板や製材輸入に関する項目。それでも一応は木材製品の輸出に関する項目もあった。木材製品のブランド化を推進するとある。「日本の優れた加工技術を活かした輸出向けの木材製品」だと。ほお、そんな技術があったのか。ベトナムにも劣るかと思っていたが。

でも、こうなりゃイギリス向けに売り込むべきではないか。きっと面白いことが起きるよ。

まず原木には興味示さないと思うが、ヨーロッパ産の製材と対抗しようとすれば、品質でケチョンケチョンにたたきのめされるのではなかろうか。それによって日本産木材の品質の国際的評価に初めて気づくかもしれない。そこで頭を垂れて撤退するか。

だが、もしかしたら日本独特の木取り技術と木目のデザイン性などをイギリス人に売り込み、蟻の一穴をこじ開けるかもしれない。今や日本では時代後れ扱いの木取りも、海外では魅力の発信になる可能性が眠る(と私は思っている)。

でも、今や日本国内でも木取り技術は衰退している中、世界に発信できる業者がいるだろうか。いないだろうなあ……。

ただイギリスのTPP加盟まで、何年もかかるはず。今から先読みして、可能性を思考実験しないのか。

しょせん、反実仮想にすぎないか。「もし~したら、どうなるだろう」と。そうした想像力を働かせる人は、、、いないだろうなあ……。

 

 

2021/06/08

大ケヤキの15年

川上村の金剛寺という寺に大ケヤキがある。南北朝の終了後、再び南朝方が吉野にこもって始まった後南朝の舞台となった寺だが……。

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目通り6・5メートルという記載がある。根元はいくつもの瘤が盛り上がり、どこから根かわからない有様。なかなかの風格だが、幹の上部が折れて、樹皮も抉れている。雷が落ちたとか聞いた記憶がある。樹齢は800年というが、あまり当てにならない。

ただ、この写真は、実は2006年5月のもの。

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こちらは2021年6月。 質は本日撮影したもの。幸いに樹勢は衰えることなく、15年の歳月を生き延びていた。むしろ今の方が葉も多く元気そう。葉が多く見えるのは、5月と6月の違いなのか、あるいはケヤキ自身が元気になったのか。樹皮がめくれた部分も、随分ふさがれていた。

もし樹齢800年が正しいのなら、後南朝が始まった頃、このケヤキは若木として生えていたことになる。より太く、より高く育ったわけではないが、15年を生き延びたことを喜ぼう。

 

2021/06/07

林業事故をなくす究極の方法

林野庁は、もうすぐ公表するはずの「森林・林業基本計画に死傷年千人率を、今後10年をめどに半減」という目標を書き込むようだ。ようやくというか、林野庁は林業死傷事故削減を掲げるようになった。とりあえず「半減」ですか。10年かけて……。

ちなみに2019年の死傷年千人率は、全産業平均が2.2人、林業は20.8人。10倍近い。やっぱり異常だ。とはいっても、つい最近15倍だったこともある。
なにしろ全従事者数が少ないから、事故が少し増えた減ったで、大きく率は揺れ動くのだ。ただ主要産業の中で最も高い状態なのは間違いない。この点は揺れ動かない。永遠の1位?

事故は、何といっても、木の伐採作業中に発生することが多い。技術がない新人だけでなく、ベテランも多い。加齢による身体機能の低下のため……と言いたいところだが、ちょっと怪しい。技術というより安全に対する意識の問題のように思う。単にこれまでいい加減でも運がよくて生き延びられただけではないか。むしろ林業大学校などで基本的な安全管理を教わった新人の方がマシなんじゃないかな。

方策は、都道府県ごとの事故の発生原因を分析し、作業安全のための個別規範やチェックシートをつくるそうだ。チェーンソーの操作訓練とか、防護ブーツなど安全装備の導入……すでに行っているべき項目じゃない?

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私が林業の危険性を感じたのは、関わって何年もしてからだ。最初の頃、林業体験を積もう、平気で刃物を扱っていた。とくにチェンソーを手に入れたときは、嬉しくて周りの木を伐って回った(笑)。今思えば、かなり危険なこともしている。かかり木の処理で根元から刻んだり、かかった木の方を伐り倒したり。ソーが挟まって大騒ぎしたり。

慎重になってきたのは、チェンソーの扱い方講習などを受けたこともあるが、やはり事故を耳にすることが増えたこと。
それまで直径30センチ級の木でも平気で伐っていたが、20センチを超える木を伐るのは止めた。さらに15センチ以下にし、10センチ以下にした(^^;)。さらに進めてチェンソーは使わなくなった\(^o^)/。手ノコとナタで伐る。伐れないものは諦める。これぞ、究極の安全対策だ。

趣味の森仕事&チェンソー遣いだったから使用を止められたのだが、仕事の場合はそうもいかないだろう。では、どんな研修を受けるべきか。

私の場合、もっとも効いたのは、アメリカ人フォレスターの講習会に参加したことだ。

そこでは、ひたすら映像を見せられた。写真も動画も。それも本物の事故ばかり。死人も見せられたよ。顔をずっぱりチェンソーで伐ってしまった人もいたな。樹上で幹をカットして、吹っ飛ばされる人とか。よく、そんな映像が残っているな、とも思うほど多彩な事故動画だ。今ではユーチューブを漁れば同じようなものが見られるかもしれないが、とにかくショックであった。

教育には、この手の実際の事故を見せるのが一番だと思う。日本の研修では、そこまでやらないだろうか。大木の下敷きになっている死体とか、チェンソーでばっさり伐られた傷口とか。それらを見たら、ようやく本気で安全について考え出す。
労働災害を疑似体感できる「VR(仮想現実)体験シミュレーター」もあるそうだから、みんな、これで自分の足を切り落としてしまって、血しぶき浴びる経験をしたらいいんじゃないかな。それで、みんなチェンソーを手放したら……どうしよう(^_^) 。

究極の事故防止法は、林業を辞めることかなあ。

 

2021/06/06

駆除動物の運搬機材

森林総研関西支所の研究情報で、「森林内で捕獲したシカ個体を運搬する機材の開発」という研究を紹介している。

獣害対策としてシカやイノシシの駆除が進んでいるが、銃で倒しても、山の中から里に下ろすのが大変だった。昔なら、その場で解体してバラバラの肉塊を担いだり、2人で棒にくくりつけて担ぐ……なんてことをしていたが、今の時代にそれは無理だろう。

かといって駆除個体を埋めることもままならず(山の中で深い穴を掘るのは大変)そのまま放置という例もあるが、それでは腐敗して環境問題になったり、クマなど肉食獣の餌となったりする。そもそも法律違反でもある。もちろん、ジビエなどの資源にするのも難しい。解体まで何時間以内、という条件がつくからである。

そこで、森林内で倒してから運ぶ機材として、

1、簡易架線 2、電動クローラ型一輪車 3、携帯ウインチ

を開発したのだそうだ。詳しくは、リンク先の「研究情報」を読んでいただきたいが、それぞれの地形条件に合わせることになっている。

しかし、軽トラから架線を引くのは、ちょっと手間であんまり現実的でないような……。ウインチもいいが、地面をずるずる引きずると毛皮が引き裂けるかもしれないなあ。電動一輪車は、農業用などにもあったが、それを山の中を走らせられるか?

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実は、同じような発想で開発されたのが、「山猫」。岩手の小友木材店と和銅産業のコラボで小規模木材運搬車として考えられたが、使い道としては駆除個体の運搬も入っている。こちらは、以前私が紹介して実験場の募集をしたのだった。

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実はほかにも、開発に取り組んでいる人もいる。わりとニーズはあると見込まれているのだ。

 

 

 

2021/06/05

誰が植えた、キショウブ

いつもの生駒山の森林公園を歩いた。ほとんど定点観測的にしているのだが、ふと湿地の一角にショウブを見かける。

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見た通り、黄色い花が咲いている。これまで見かけなかったな、と思ったら「キショウブ」という標識が。へえ、黄色のショウブもあるんだ……と軽く流したのだが。

後で知った。なんとキショウブは外来種、それも園芸品種だというのだ。

キショウブは、ヨーロッパから西アジア原産。そして1897年に園芸植物として日本に渡来したということまでわかっている。現在は北海道から九州まで野生化しているそうだ。園芸品種と聞くとひ弱なイメージもあるのだが、繁殖力が非常に強いらしく、水辺や湿地、水田脇に野生化し、林縁など湿地以外の場所にもよく生育して、勝手に広がっていくらしい。

環境省は、すでに「生態系被害防止外来種」に選んでおり、しかも対策の必要性が高い「重点対策外来種」に指定した。在来種を駆逐してしまったり、同じアヤメ科のカキツバタ(準絶滅危惧種)などと交雑してしまう可能性もあるという。

わりと原色に近い鮮やかな黄色い花は、たしかに違和感もあったのだが、美しいから嫌いな人はいないだろう。それだけに厄介だ。

……ところで。なぜ、このキショウブがいきなり群生していたのだろうか。

やはり植えたのだろうなあ。勝手に生えてきたとか、好事家が植えたというよりは、公園管理者(今はどこが指定管理者だったっけ)が苗を植えた、それも今年いきなりの群生だから、そこそこの数の苗を植えたように思う。

これまでも、ハンゲショウとかミズバショウが急に生えてきたので植えたんだろうなあ、とは思っていたが、いずれも在来種だ。しかも、どちらかと言えば生育環境に繊細な種であって、一度植えたらどんどん生えますぜ、という種類ではない。多分世話をしないと,徐々に雑草に負けていくだろう。だが、今回のキショウブは逆に……?

公園と言っても、自然環境を保った森林公園だから、あんまり外来種をわざわざ植えるのはまずくはないか。

まあ、きれいなんだけど(´_`)。悩みどころだ。

 

2021/06/04

「情報に基づいて行動するのは苦手」論

何日か前の朝日新聞。

豪雨災害などで避難指示が出ても、4分の3の人は逃げない、避難しない状況に関する記事なのだが、そこで理由を一刀両断に説明するのは、関西大学の元吉忠寛教授(災害心理学)。

「人間は情報に基づいて行動するのが苦手だから」

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私はこれを読んで、我が意を得たり!と一人にんまりした。別に私は、避難指示に対してどう対応するかを考えていたわけではない。むしろ、災害というより日常的に「人は理屈を重ねて説明しても理解しない、(理解しても)そのとおりに行動しない」のではないか、という疑問というか、確信に近い思いを持っていたからだ。

よく何かの事象を理解してもらうために、ていねいに、わかりやすく、整然と示すことが大切と言われる。私のように文章で情報伝達する者にとっては、基本というか永遠の課題かもしれない。

だがいくら(理屈を)ていねいに記しても、わかりやすく(実は端折って情報を簡略化したり使う言葉を変えるだけ)しても、通じないものは通じない。もしかして、大脳新皮質では理解しているのかもしれないが、それを認めたくないと大脳基底部が抵抗しているのではないか、とさえ思う。そして優先順位は基底部にあり、感情的に納得したものだけを理性的に理解したことにするのが人間の本性だと。

記事には「直接的な危険には感情的に対応できる」とあるが、これって感情で判断するのであって、理屈による判断にたいして従わないってことではないか。さらに感情によって理屈をねじ曲げることもあるのではないか。

というわけで、私は誤読・誤解はあるのが常態だと思うことにしている。誤読の自由もあるだろう、だが、それに私が対応するのはエネルギーの無駄に感じる。

むしろ大脳基底部の感情・直感を刺激する文言を選び出すことに力を注ごうと迷っている。もっとも、私の中の感情は、そんな馬鹿げた理由で文章つづるのはイヤだ、誤読されようが好きな表現で記すぞ、という大脳基底部の命令も潜んでいるのだが。

それでも核心部を誤読させない文章作法とはいかなるものか、悩み続ける。

 

 

2021/06/03

「バイオマス白書2021」で見えたイヤな未来

森林林業白書に続いて、今度はバイオマス白書。ただし発行元は官庁ではなく、NPO法人バイオマス産業社会ネットワークである。

バイオマス白書2021 サイト版

紙版もあるが、ネットでも読める。毎年読んでいて、いかに日本のバイオマス発電が歪んだ方向に進んでいるか痛感させられているが、今年は、いよいよアメリカに続いて日本もパリ協定に参加して目標を定めたことから、再生可能エネルギーの中でもバイオマスエネルギーに目が向けられることが意識されている。2050年に二酸化炭素排出ゼロの目標には、カーボンニュートラルが売り物のバイオマスエネルギーが欠かせない。しかもいろいろあるバイオマスの中でも、バイオマス発電色を濃くなってきた。

全般の状況やFIT価格の問題などは、ぜひ内容を読んでいただければと思う。

私が、コラムのいくつかのテーマの中で目に止まったのは、広葉樹利用だ。

今、国も自治体も、急に広葉樹林業、広葉樹利用を声高に唱えだした。私は、この動きよりはるかに前から広葉樹材に注目せよ、と言ってきたと自負しているのだが、現在の動きに関しては喜ぶどころか危惧している。

私の推している広葉樹利用とは、あくまで用材であり、広葉樹材は針葉樹材より硬くて人気があり高く売れるからなのだが、今の政府の主張はそうではない。(はっきり打ち出してはいないが)あきらかに広葉樹材のバイオマス利用を指向している。
そう、バイオマス発電所はたくさんつくったものの燃料不足、つまり燃やす木材が足りないのだ。そこで人工林の針葉樹材ではなく、里山林や天然林を伐って燃料にすればいいんだ、日本の森林の6割は広葉樹林なんだ、人工林の針葉樹材にこだわることはないんだ、伐っても萌芽更新してくれるから再造林の心配もいらない、広葉樹を全部チップにして燃やそう……!(と叫んでいる某者の姿が私の脳裏に浮かんだ。)

おぞましい発想である。そもそも天然林と二次林の区別もせずに、施業方法だってほぼ皆伐方式だろう。

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某地の広葉樹チップ工場

「広葉樹林のまちづくり」というきれいな言葉に騙されるな。今でも使い道のほとんどは、製紙チップ(ならまだましだが)か、燃料チップだ。もし本気で広葉樹材の利用を考えるのなら、専門の伐採技術を確立させ、木工産業と組み合わせなくては成り立たない。そこまで考えて「広葉樹利用」を言わないと、バイオマス業界に飲み込まれるよ。

 

2021/06/02

森林林業白書R2の読みどころは「逆転人生」!

森林林業白書令和2年度版が発行された。

毎年白書を読んで、荒探し、もとい、読みどころ、つまり重要な論点を探すのだが、それも飽きてきた。もう、それほどの林業に対する熱意もなく……とはいえ勉強のためにもおいおいやるとして、今年に関しては、一発で指摘できる読みどころがある。

それは、コラム。

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林業用トラックの開発について紹介されている。この点については以下の記事を。

ネットの声が悪路走行用の新型トラックを生み出した!

実は、この白書の原稿は、記事の試乗披露会の際にはできていてゲラを見せていただいていた。とりあえず注目はされているみたいだ。短いので詳しい事情については私の記事の方を読んでいただいた方がわかると思うが、なかなかドラマチックな展開の上に完成したのだ。

新型トラックが旧型より(悪路走行では)性能が劣るところから始まり、それが林業界を苦しめて廃業の危機も起きたこと。そこから自動車メーカーの意地を見せて開発に取り組んだこと……なかなか感動的だろう。

この話、NHKの『逆転人生』で採用してくれないかなあ、と思っているv(^0^)。最近、この番組はネタ切れの気配があるから提案したら飛びつきそうに思うのだけど。誰か、関係者知らない?

 

 

2021/06/01

表彰、受けました

本日、大阪府大東市消防本部で、表彰を受けました。

これは4月2日に生駒山北端の飯盛山で、私が山火事を発見、通報した件に関してです。

当時は、まあ、ボヤだし。。。と思って忘れかけていたところに連絡があって「表彰したい」と言われたので有り難く受けたのだけど、なんにろ緊急事態宣言真っ盛り。5月連休が明けたら、といいつつ、また延長で延びたものの、もういい! やる! ということで本日となった次第です(笑)。

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ま、そんなに大袈裟なものではないけど。それでも雑談の中で、山火事は、いったん広がったら簡単には消せなくて1週間2週間と続くこともあるので初期の通報は有り難かったと感謝された。たしかに当日は風が強かったので、飛び火の可能性はあっただろう。しかも私自身の経験でも、炎を斜面下で確認してから電話で通報して場所を説明しているうち(5分くらい)に上まで火が昇ってきたので、延焼は早い。
大規模に燃え広がったら夜も昼もなく消火に従事しなければならなかった、と聞いて、そうか、厳しい労働を多少とも軽減する面でも役に立ったのかもしれない、と思う。

表彰というのは、その事績を記録・記憶に残す意味もあるのだろうけど、同時に世間への広報の役割もあるのかと思う。私も森林ジャーナリストなるものが存在することを世間に知ってもらえるチャンスとも捉えているv(^0^)。



 

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