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森と林業と田舎の本

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2021/06/25

奈良県でメガソーラー建設にガイドラインを

以前に紹介した生駒山のメガソーラー計画。急展開を見せた。事実上、県が工事を差し止めたのだ。

これは生駒市の南隣の平群町で48ヘクタールの山林を切り開いて建設予定だったメガソーラーを巡る問題だ。事業主は,東京の会社になっているが、資本をたどるとアメリカのファンドであることがわかっている。アメリカが日本の森を奪おうとした、という言い方もできるかな。

実は、昨年にこの計画を知った後に地元の反対運動を行う人々にも会ったのだが、その時の取組としては、止める手だてがなかなか見つからないとのことだった。私もそう思っていた。

そもそも敷地の買収は終わっている。県の許認可も下りた。平群町も問題意識なし。何より立地する地元住民が了解している……法的な面からは止めようがないのだ。

ところが、今年の3月に住民が工事差し止めを求めて提訴した。それも住民1000人が原告となる大きな裁判である。これは、何か突破口が見つかったのかと思っていたが、(そもそも1000人もの原告を集めただけでも、大健闘である。昨年まで会員は数人だったのだから。)

そして、いよいよ裁判が始まるか……と思っていたところに、荒井知事が県議会の答弁で、業者が提出した設計内容に誤りがあったことから、工事の停止を指示したことを明らかにしたのである。そして業者に対し、法令の基準に適合するまでは工事の再開を認めないことなどを通告した。

では、具体的に何が設計内容に誤りなのか。一言で言えば、林地開発申請書の中身が虚偽だらけだったのだ。

詳しい内容は、平群のメガソーラーを考える会のホームページを。

ある意味、敵失である。法的には差し止めできないと思えたのに、向こうが怪しげな違法行為をしたのだから。もちろん、それを見破った点は、よくぞ調べたと言えるだろう。なかなか素人には難しいことだ。

当面、工事も止まるだろう。果たして申請書を合法的につくり直してくるかどうか。結構難しいのではないか。生活道路の問題まであるから、どんどん大規模工事と保障が膨れ上がって利益が減るとなると、投げ出すかもしれない。
ただ、すでに現地では伐採がかなりの面積で進んでいる。幾度か私も現地を確認しようと近くまで行ったのだが、なかなか登り口がわからず、遠目に見るだけに終わっている。だが、また挑戦してみたい。
山は、伐採されて土が剥き出し状態だが、そこそこ手を入れて土砂の流亡を抑えたら5年で緑に覆われて、10年ぐらいで見られる雑木林になるのてはないかな。

Photo_20210625212301
Googlemapで見ると、ちょうと伐採直後らしい状況が写っていた。木を伐採した跡である。

私が注目したいのは、単に平群町の一件に留まらない様子である点だ。

荒井知事は、メガソーラー設置に関する県独自のガイドラインを今年度中に策定する考えを示したのだ。

これは大きい。ガイドラインというからには、何らかの規制条項となるだろう。真っ当な基準を決めたら山林を破壊するメガソーラー計画の大半を止めることができるだろう。すでに各地の自治体が、太陽光発電所の建設を規制する条例づくりが進んでいる。
広く住民の同意が必要なのはいうまでもないが、私的には、少なくても1ヘクタール以上の規模には規制が必要だと思う。そもそも山林を切り開くのでは、防災面からの問題のほか、生物多様性も破壊する。そして、何のための再生可能エネルギーかと考えから、逆に二酸化炭素の排出を増やすことになる山林破壊は脱炭素に逆行する。いずれも国際公約違反なのである。

むしろ心配なのは、国の動きだ。肝心の環境省はアセスメントなどを緩めて推進する方向だ。二酸化炭素の排出を2030年までに46%削減を公約してしまったからには、机上の数字だけでも辻褄合わせしようとするだろう。するとメガソーラーにバイオマス発電、そして風力発電を相当増やさないといけない。しかし実態は逆効果だ。いずれも森林を破壊して、二酸化炭素排出を増やしかねないのである。

遠からず国と自治体がぶつかるかもしれない。

 

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