太陽光発電建設の現場
昨日、平群のメガソーラー建設予定地を遠目に眺めた写真を載せたが、ふと思いついて現場をちゃんと見に行こうと考えた。
今度は、事前に地図をしっかり見て、進入ルートを見つける。思えば、ここにはハイキング道が伸びているのだ。里道(りどう)は、簡単に破壊もできないはず。道路法は適用されないが、公共の道だからだ。そこを探せば、ちゃんと侵入、もとい進入、通行できる。
まあ「工事中につき立入禁止」の標識はあったが、工事が止まっているのはわかっているのだし、あくまで里道を通るんだい! と強行突破。
すると、入り口は緑に包まれた道だったが、すぐになかなか見応えのある景色が広がっていた。
48ヘクタールとはこんなに広かったか。しかも残置森林(3分の1。16ヘクタール)がほとんど見当たらずごっそり伐ってある。(境界線などに残した部分で3分の1に達するか疑問。)
それに地図では、比較的なだらかに見えたのだが、結構な高低差があり、谷も深い。急斜面も多い。これではソーラーパネルの設置できる場所は限られてしまうだろう。ただ谷を埋めている様子がある。単に樹木を伐採した跡地にソーラーパネルを並べる計画ではなく、かなり地形改変を行うつもりだったのではないか。それ自体、法的に可能なのかどうか。地形を変えるほどの土工には制限が多いはずだ。それに、工事量が増えたらコストも増えるから、利益はそれを上回るような算段があったに違いない。20年間のFITで稼ぐ手立てには裏があるはずだ。
それにしても作業道が縦横無尽。山肌を削って土壌をはぎ取っているから、今後を考えると緑化も大変だ。森の再生も難しくなる。
一目で連想したのは、あの宮崎で見た盗伐現場だ。他人の山の盗伐ゆえに荒っぽい施業だったが、あそこと似た感じ。ただ盗伐面積は、一カ所1~2ヘクタールが多いが、ここは48ヘクタール……。遠くまで行かなくても、地元でこんな景色が見られるとはなあ……。
あえて違いを指摘すれば、意外と伐った樹木は、まとめて積み上げていたことだ。枝条は谷に落としているので、これは危険と感じたが、丸太の部分はわりとしっかり選り分けている。おそらくバイオマス発電所に持っていくつもりではないか。
伐って儲けて、跡地にソーラーで儲けて。でも、排水はかなり危なっかしい。土壌をはぎ取っているから、大雨が降ると流出する土砂は大量に出るだろう。
えげつない自然破壊の土地だ。これが全国各地に広がっているのだなあ。
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