誰が植えた、キショウブ
いつもの生駒山の森林公園を歩いた。ほとんど定点観測的にしているのだが、ふと湿地の一角にショウブを見かける。
見た通り、黄色い花が咲いている。これまで見かけなかったな、と思ったら「キショウブ」という標識が。へえ、黄色のショウブもあるんだ……と軽く流したのだが。
後で知った。なんとキショウブは外来種、それも園芸品種だというのだ。
キショウブは、ヨーロッパから西アジア原産。そして1897年に園芸植物として日本に渡来したということまでわかっている。現在は北海道から九州まで野生化しているそうだ。園芸品種と聞くとひ弱なイメージもあるのだが、繁殖力が非常に強いらしく、水辺や湿地、水田脇に野生化し、林縁など湿地以外の場所にもよく生育して、勝手に広がっていくらしい。
環境省は、すでに「生態系被害防止外来種」に選んでおり、しかも対策の必要性が高い「重点対策外来種」に指定した。在来種を駆逐してしまったり、同じアヤメ科のカキツバタ(準絶滅危惧種)などと交雑してしまう可能性もあるという。
わりと原色に近い鮮やかな黄色い花は、たしかに違和感もあったのだが、美しいから嫌いな人はいないだろう。それだけに厄介だ。
……ところで。なぜ、このキショウブがいきなり群生していたのだろうか。
やはり植えたのだろうなあ。勝手に生えてきたとか、好事家が植えたというよりは、公園管理者(今はどこが指定管理者だったっけ)が苗を植えた、それも今年いきなりの群生だから、そこそこの数の苗を植えたように思う。
これまでも、ハンゲショウとかミズバショウが急に生えてきたので植えたんだろうなあ、とは思っていたが、いずれも在来種だ。しかも、どちらかと言えば生育環境に繊細な種であって、一度植えたらどんどん生えますぜ、という種類ではない。多分世話をしないと,徐々に雑草に負けていくだろう。だが、今回のキショウブは逆に……?
公園と言っても、自然環境を保った森林公園だから、あんまり外来種をわざわざ植えるのはまずくはないか。
まあ、きれいなんだけど(´_`)。悩みどころだ。
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