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森と林業と動物の本

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2021/08/24

グリーンパワー9月号に「皆伐をしない林業」

CTNF、EFM、VRH、RIL……。何の略号かわかるだろうか。

グリーンパワー9月号の記事からの抜粋だ。執筆は柴田晋吾・上智大教授。詳しくは、この写真の中から見つけてくれ。

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自然に近い林業、生体的森林管理、多様保残伐、影響低減伐採。ほかにCCF(常時被覆林業)というのもある。

ようするに皆伐をしない林業、森である状態を持続させる林業ということだ。その源流は恒続林。今や世界的な広がりを持ち出したというのである。個人的には、以前より気になっていたスロベニアの恒続林について触れていることがツボ。スロベニアの林業に関しては日本語文献がほとんどなくて、誰か調べてくれないかなあ、と思っていた。どうやらプロシルバという組織ができて、それが恒続林を推進したらしい。それはフランスやイギリスにも伝播したという。フランスでは不規則森林協会(AFI)が作られ、イギリスではプロキシバ・イギリスとなってCCFを推進した。

これらの森づくりと林業に共通するのは、皆伐をしないことのほか、異齢林であり、こまかな林分による異種混交の不規則な樹木の生え方にある。そして豊かな生態系を維持しながら、しっかり木材生産もすること。

……と、記事を読みながら内容を理解しようとしたが、なんだ、これを詳しく記した本「エコ・フォレスティング」を私は持っていて、以前読んだことに気づいた。十数年前に購入したんだ。すっかり忘れているよ。しかし、林野庁は皆伐推進の旗を下ろさないし、言い換えると十数年の間、日本は進歩していないのか。

ともあれ、日本林業は相変わらず世界の潮流から取り残されているなあ、と再確認?したのだが、いやいや、奈良県を始め、いくつかの地域では、恒続林をめざそうとしているではないか。かろうじて世界の動きの端の方に引っかかっている。これが救いかな。

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林業・林産業」カテゴリの記事

コメント

シカの個体数調整と国が森づくり方針変えない限り奈良の恒続林は空虚ですよ、あと奈良の恒続林の定義はどうしたんだっていうぐらい他の恒続林と定義ずれまくってますね、まあやってるふりする分にはいいかもしれませんけどね

こういうくだらん足を引っ張ることに生きがい感じてている手合いがいるから、みんな苦労するんですよ。

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