企業版ふるさと納税でカーボンニュートラル?
Yahoo!ニュースに「ヤフー!ジャパンがカーボンニュートラルを推進する市町村にふるさと納税をした」的なニュースが載っていた。
ものすごく手前味噌的な記事なのだが、企業がふるさと納税? という点に興味を持ったのだが……。
もう少し具体的に紹介すると、まず企業版ふるさと納税とは、「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業」のこと。地方公共団体が行なう地域づくりの取り組みに対して企業が寄付をすると、法人関係税が税額控除される制度である。2016年より開始していた(全然、知らなかった!)のだが、参加する地方公共団体は46道府県1,185市町村と、ほとんどだ。
ヤフージャパンは、「Yahoo! JAPAN 地域カーボンニュートラル促進プロジェクト」を立ち上げて、この制度を利用してカーボンニュートラルに向けた取り組みに対して支援を行なうことにしていた。その第1弾の寄付先を決めたというのだ。それは北海道三笠市、宮城県、埼玉県、神奈川県平塚市、新潟県、山梨県、三重県尾鷲市、鹿児島県大崎町の8つの地方公共団体。寄付は総額2,5億円になる。
それぞれの取り組み内容は、リンク先を読んでくれ。海岸防災林の適正管理、藻場造成、尾鷲ヒノキ市有林の若返り、なんてのもある。
企業版のふるさと納税というのも面白いが、そのテーマにカーボンニュートラルを選ぶというのも今風。
ここで記しておくと、私はふるさと納税というのが大嫌いだ。これって、ようするに返礼品合戦になったことからもわかるとおり、誰も寄付する自治体を「ふるさと」なんぞと思っていない。欲得ずくで選んでいるだけだ。そもそも税金を自治体間で取り合う仕組みというのも情けないが、他自治体の税金をたくさん横取りできたと自慢している自治体も反吐が出る。
本当に「ふるさと」のように思い入れがある土地か、あるいはその自治体のなんらかの取り組みや事情に賛同して行うものだろう。付け加えると、微々たる個人の納税額から返礼品を出すのも馬鹿げている。
その点、企業版なら返礼品もないし、ちゃんとテーマによって選ばれる。また金額も小さくない。とくにヤフーは、審査のポイントとして「脱炭素に対する直接的なインパクトがあるか」「独自性。地域性があるか」「横展開可能なモデルとなりうるか」の3点を掲げている。アイデア勝負的な面もあって、自治体の体力とは関係なく競える。なかなか天晴れだ。(ヨイショ!)
日本では、気候変動対策に関する民間の動きは緩慢だ。こんな形で推進するのも手かもしれない。
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