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森と林業の本

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2021/08/22

世界最古の植樹、仏vs日本

こんな記事がある。

「パリ最古の木」が教えてくれること

元ネタはナショナルジオグラフィックのようだ。

「パリ最古の木」だ。プレートには、1601年に植えられたとある。ニセアカシア(Robinia pseudoacacia)という木で、原産地は米国のアパラチア山脈だ。
 さまざまな理由から、1601年という数字は疑わしい。しかし、17世紀初頭、歴代フランス王の庭師だったジャン・ロバンによって植えられたことは確かなようだ。

17世紀初頭というのは、1600年の始め頃だから1600~1620年ぐらいの感覚で捉えたらよいかな。

いずれにしろ、樹齢は400年に達していると見ていいだろう。人が植えたとわかる木で、この寿命はなかなかのものだ。ただ早生樹とも言えるニセアカシアが、そんなに長寿だろうか、という疑問はある。もしかして、もうそろそろ…(゚д゚)。

ちなみに日本では、400年越えの植林木がいくつかある。

有名なのは鳥取県智頭町の「慶長杉」。誰が植えたかわからないが、慶長年間に植えたと伝わる。元号の慶長は、1596年から1615年に使われたから、この間に植えられたことになる。これが現在残るのは24本

ほかに奈良県吉野の川上村にある「歴史の証人 」。村有林にスギ、ヒノキが混在しているが、樹齢260年から400年超のスギやヒノキが生えている。現在残るのは、約400年生のスギが3本、300年生スギが7本、300年生ヒノキが52本。つまり3本のスギ樹齢400年前後というわけだ。こちらの根拠ははっきり知らないが、書き付けがあるらしい。

ほかにも記録だけは人が植えたと記された古い神社の境内の木々などはあるが、今もその木が残っている可能性となると、なかなか難しいようだ。天然生の超寿命の樹木は数多い(屋久杉など)が、人が植えたとわかる木では、この400年前後が限界か。

パリの木は、それに並ぶか、より古いことになる。この調子だと、もっと古く植えられて今も頑張って生きている木は、案外残されているのかもしれない。

2_20210822164501慶長杉

25_20210822211601歴史の証人

 

 

 

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

ええ、日本にも400年越えの植林木があるなんて
かなりすごいですね
江戸は評価していませんでしたが色々再発見があるんですね!

ありがとうこざいます。まだまだ探せば古い植林木はあるかもしれません。

まだ出てくるかもしれないとは・・・
江戸の森林学は意外にも豊かだったのでしょうか

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