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2021/09/02

農地にメガソーラー導入緩和?

このところメガソーラー問題に足を突っこんでしまっているが、また、こんな動きを発見。

農水省などは、荒廃農地を再生可能エネルギー、たいていは太陽光発電(以下、ソーラー)の用地に転用するための要件を緩和しようとしている。

現在は農山漁村再生可能エネルギー法というのがあって、市町村が定める再生エネルギー設備の整備区域を決めるようになっている。そこでは整備されて生産性の高い農地を「第1種農地」というが、そこで従来の規定では、
①生産条件が不利
②相当期間不耕作
③耕作者を確保することができず、今後耕作の見込みがない
という3条件がある農地をソーラーなどに転用することを認めていた。

ところが、これでは転用がなかなか進まないので、①と②の用件を撤廃しようとしている。③の今後耕作の見込みがないと判断されれば、第1種農地でもOK!にしようというわけだ。仮に土地が農業に適していても、つい最近まで耕作されていても、今後国策されないと認められたら転用できるわけだ。

ようするに放棄農地の多くは電気畑にできるようになる。ただガイドラインには、再生エネルギーを導入するために意図的に荒廃化させるようなモラルハザードを防ぐる規定も盛り込むそうだ。

またなし崩しに里山破壊か! と怒りの矛先を向けたくなるが、ここで少し立ち止まって考えてみたい。

実は私、ソーラー、つまり太陽光発電はそんなに嫌いではない。初期投資は少なめだし、複雑なプラントなどはいらないのだから、一般の参入障壁は低い。メンテナンスも少なめで、燃料もいらない。何より早急な脱炭素が求められる世界情勢の中で、火力発電を何に置き換えるかというと、原発はとんでもない、となれば再生可能エネルギーに行き着く。
このうちバイオマス発電は話にならない。常に燃料として莫大な木材を燃やし続けないと電気をつくれないのだから。全然脱炭素にならないのだ。これが熱利用なら、そこそこ理解するが発電にはまったく向いていない。地熱も水力も、場所が限定されるし適地は少ない。小水力は結構だが、やはり発電量としては大きくない。となると、風力かソーラーぐらいしか見込めない。

いずれにしろ再生可能エネルギーを完全否定したら、人類が必要とする電力の調達先が行き詰まる。省エネだ蓄電だ脱成長だというのもよいが、ゼロにはならない。ある程度の確保は必要となる。

問題は、それらを「どこに設置するか」だろう。太陽光や風のエネルギー密度は非常に低いので、広い面積にしないと満足のいく発電量にならない。ソーラーは、まずは建物など人工物の屋根が順当であるが、それだけでは面積が足りない。すると森林に目をつけられるわけだが、木を伐って脱炭素という馬鹿げた話はない。

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庭先に1枚だけのソーラーパネル(^_^) 

そこで放棄農地が注目される。個人的には農地にソーラーパネルが並ぶ景観は好きになれそうにないが、荒れてブッシュ状態だってよいとは思えない。景観や規模への配慮もあるが、どこかで許容範囲を見つけないといけないだろう。

たとえばドイツは再生可能エネルギーの施設建設のため森林を伐採した場合は、伐採面積の6倍の植林が義務づけられる。農地も、厳密に本当に放棄されているのか確認される。そんな規定を日本も決めるべきではないか。

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これは宮崎県の都城駅前。線路脇のスペースにびっしりとソーラーパネルが。そしてリニアモーターカーの実験線跡の高架にもパネルが並ぶ。JR九州は、なかなか熱心。こんな敷地で発電するなら大歓迎。

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コメント

 本当に耕作放棄されたところならソーラーで活用するのは問題ないと考えてはいます。しかし、食料自給率が問題視されている中で農耕地が減る政策が進められているのは不思議な感じもしますね。

日本の食料自給率は低いですが、世界的には食料余っていますからね。
日本の場合、そもそも農業の担い手がいないのに農地を確保しろとは言えないですね。。。

中国産太陽電池にうちて人道上の問題と、石炭使用で結局環境破壊としては破壊側なのではないかという問題がバイデン政権になってから指摘されています。jこれは、現状どう考えるべきなんでしょうか。

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