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森と林業の本

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2021/09/05

クラフトコーラ流行り

いまどき、クラフトコーラが流行っているのだそうだ。クラフトビールにクラフトジン、などクラフト流行りの中で、コーラも登場?

そもそも「クラフト~」とは何か。 「職人が作る〇〇〇」、「手作りの〇〇〇」といった意味合いで「独立性」「地域性」などがキーワードとなっている、そうだ。少量生産とか個性を前面に出して大手メーカーじゃないことを売り物にするような品か。

実は奈良県には、このクラフトコーラが次々と登場している。

「大和コーラ」に「キハダコーラ」、「おにみみコーラ」……。そこにコカコーラボトラーズが奈良デザインボトルなんぞも発売して……。

簡単に紹介すると、 曽爾村観光振興公社が今年4月1日に出したのが「大和コーラ」。きび砂糖、ヤマトタチバナ、レモン、ヤマトトウキ(曽爾産)、キハダ、クローブ、オールスパイス、コーラナッツ、カルダモン、シナモン、その他スパイス類で味付け。
ポニーの里ファーム(奈良県高市郡高取町)が今年3月31日(水)に発売したのが、「湧き水のキハダコーラ」。和漢伝統薬「陀羅尼助」を模して、キハダの実、紫ウコンスパイスをブレンド。レモンとカボスも合わせている。

「おにみみコーラ」は、「おにみみ」という風邪薬を製造する端壮(たんそう)薬品工業が製造。カルダモン、クローブ、スターアニス(ハッカク)、クコの実などの香辛料や生薬を使っている。香辛料の種類や配合を季節ごとに変えているそうだ。

ほか元祖といわれる「伊良コーラ」や、このところ売り出し中のて「岐阜コーラ」、日本酒・八海山の甘麹で作った「UMAMI COLA」。全国に広がっているらしい。ようするに流行になっている。売れるなら結構。価格はいずれも1000円以上するが、希釈して飲むらしい。もはや清涼飲料水というより健康飲料か。黒酢ドリンクに近いかも(^^;)。どこがコーラなのかわからない。

では、なぜコーラなのか。 世界最初はコカコーラだが、これはコカとコーラの実を入れていたという伝説がある。コカイン入れて飲んだら元気……だったわけである。ま、今はどちらも使っていない。ただ薬草を入れた飲料水だった。だから薬草(ハーブ、スパイス)を入れたらコーラと呼ぶのだろうか。

たしかに奈良は明治時代まで薬草栽培と販売の「薬種」ビジネスが盛んだったところで、薬草飲料であるコーラに向いているのかもしれない。奈良漢方のメッカ・プロジェクトというのもあったし(笑)。

しかし薬として販売するのは敷居が高い。薬事法があるからだ。そこで飲料水にしてしまっているのだろう。

そこで連想するのが、クラフトジンである。

私はジンが好きで、クラフトジンブームが起きたときも、さまざまなご当地クラフトジンを試し飲みした。いずれも、不味くはない。美味しいと言っても文句はない。が、今はどれも飲まない。なぜならジンとは思えぬ味になっていたからだ。

ジンは、ボタニカルと呼ぶ植物性の香り原料をアルコールに浸漬させてつくるスピリッツだが、一つ絶対的条件がある。ジンのボタニカルで欠かせないのはジェニパーベリーである。日本名はネズの実。この香りが基本なのだ。

ところが、日本のクラフトジンは、ご当地を意識しすぎて、ご当地ボダニカルを必死に選んでいる。日本製だからユズだクロモジだ、サンショウにショウガ、緑茶まである。そしてヒノキなども。それが不味いわけではない。しかし、その分ジェニパーを軽んじている(と私は感じる)。もしかして、ジェニパーを入れないでジンを名乗っているものもあったのではないか? あまり奇をてらいすぎると本質を忘れる。

だが、私はジェニパーベリーの香りがないのをジンとは思わない。

結局、私が行き着いたというか、もどってきたのはシップ・スミスだった。とくにVJOP。

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これは通常のロンドンドライジンの3倍のジェニパーが入っている。だから「Very Junipery Over Proof Gin」 だそう(^^;)。でも、ジンだ~!と声を上げたくなる香りと味だ。しかも57度という度数。炭酸で割るだけでいい。

これだって、少量生産だし、職人芸的なつくりだからクラフトジンの仲間かもしれない。ちなみにイギリスの醸造所だが、サントリーが買収したから日本の会社でもある。

クラフトコーラも、よ~く本質を考えて展開してね。

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コメント

おにみみコーラ、飲みました。
注文して2か月待ちました。……味はなんとも(^^;)。

ジンも、薬草を付け込んだものと思えば、コーラと同じでしょうか。

コカコーラは昔、コカの実を使っていたというのは都市伝説みたいですよ。

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