ダイソーのヒノキオイルの成分は?
百円均一ショップであるダイソーが、国産ヒノキオイルを出した、という。
これまでもアロマオイルは売っていたが、それは合成香料で、本物のヒノキなどから絞り出したエッセンシャルオイルではなかったはずだ。だが、今回は、明確に「国産ヒノキから」と書かれている。なんでもStandard Products by DAISO という店で販売しているらしい。
まさか、ヒノキオイルが100円で??? 通常数千円するんじゃないのか、と驚いたが、値段は550円だった。それにしても安い。
だが、よく見ると4ミリミットル瓶である。なるほど、それならギリギリ採算は合うか。なお香りは、オレンジ、シダーウッドヴァージニア、ティートゥリー&ユーカリ、ユーカリ、柑橘ブレンド、プレーンとある。主に福井県の木材のほか、東京檜原村や四万十ヒノキを使うらしい。販売価格からすると、原価はどのくらいだろう。多分、厳しい取引条件があったに違いない(^^;)が、逃げずに契約に至っただけでも、ほかの林業地に差がついた。
しかし、ダイソーがなんでまた……。実はヒノキオイルだけではなかった。アロマブロックやスモークチップ、カトラリー(箸)などの17アイテムもあった。全国のダイソーで扱うぐらいになれば面白い。そうなると莫大な量が必要だ。オイルはともかく、ほかの箸やブロックなどなら可能ではないか。価格は300円とか、やはり安い。
そんなに売れるとも儲かるとも思える商品ではないが、やはり環境配慮を掲げている。しかし4ミリミットルのオイルは何に使うのだろう……まあ、アロマテラピーの入門編かね。最近は、ヒノキの香りのコロナウイルスへの抗ウイルス作用も指摘されているが……。
ちなみにヒノキには、ヒノキチオールはほとんど含まれていない。もともと発見されたのはタイワンヒノキからで、日本のヒノキにはないのだ。むしろ青森ヒバによく含まれている。ただ木曽檜には若干含まれているというから、ヒノキの品種とか育ち方にも生成に関わるのかもしれない。まあ福井県や高知県のヒノキには含まれていないだろう。
つまりヒノキオイルの成分はヒノキチオールではなく、αピネンなどである。これはヒノキ以外の木にも含まれている。
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高知のヒノキにもヒノキチオールが入っているという研究報告があります。
最初に確認されたのが木曽檜だったというだけで、どこのヒノキにも存在するのではないかと思います。
投稿: Ken | 2021/09/22 08:52
正確に記せば、どこのヒノキでも微量は含まれているようです。葉ではなく幹かな?
木曽ヒノキは少し多くて、ヒバはかなり多い。筆が走ったところはありますが、ヒノキオイルの香りはヒノキチオールではなくて、ほかの成分でしょう。(ヒノキオールというのもあって、ヒノキチオールとどう違うのかよく知らない。)
投稿: 田中淳夫 | 2021/09/22 08:59
凄い!
良く精油の事まで調べてますね!
普段は産廃扱いされる枝葉の使い道で研究されてるのですが!
日本では檜の扱いは檜信仰と言っても良いくらい掲げられてますが、世界とは言わずアジア方面だけにでも檜の良さを分かって貰って檜の需要が伸びればもう少しくらい林業界も楽になるかなーって思う今日この頃です。
投稿: 山師10年目 | 2021/11/03 19:58