朝日の割り箸記事で考える「割り箸復権の時代」
本日の朝日新聞別刷beに吉野割り箸の紹介があった。それも見開きド~ン!という記事。
ま、この画像では読めないだろうから、一部を拡大。
この記事では箸の始まりを考察しているのだが、そこで取り上げるのが江戸時代の『守貞謾稿』に記される「引裂箸」という言葉に言及している。またか……とうんざり。これ、古い資料に繰り返し載っていることの孫引きなのだ。さらに吉野に箸づくりを持ちこんだ人物として杉浦宗庵も紹介しているが、この人物は実在さえ疑われている。私は『割り箸はもったいない?』でだねえ……
と思っていたら、別項に「読む」として箸に関する資料を紹介していた。そこに載せていた。
『割り箸はもったいない?』について、わりと詳しく紹介している。そして私が見つけた『守貞謾稿』より100年ぐらい古い「わりばし」という記述のある商家の出納簿も、一応紹介している。これを定説としないのは残念だ。それに、『割り箸はもったいない?』は絶版で、ここでいくら紹介してくれても売れないという点でも残念(^^;)。
ところで、割り箸は吉野杉からつくる樽丸(樽の材料)の余材であることを伝え、後半ではへSDGsに合致するんじゃないか、という声にも触れている。私も、持続可能だなんだとSDGsと持ち上げるのなら、もっと割り箸に注目せよ、しかもコロナ禍で衛生概念も問われているんだから、もってこいじゃないか……と幾度も主張しているんだが、なかなか動きがない。こうした記事でも火付け役にならないか……という気持ちになる。
そろそろ割り箸復権、の狼煙を上げられないかなあ。『割り箸はもったいない?』も復権じゃなく復刻しないかなあ。
そうだ、第2弾を書くか (゚o゚;) ! 『割り箸はSDGs!』とか。『希望の割り箸」とか。
もう一点。文中に「吉野の山は杉と檜の混合林で」とある。混合林ではなく混交林だろうが、これ、今ではあまり見られない。でも戦前まではスギとヒノキを混ぜて植えるのが普通だった。こうした変化も読み取ってほしい。
« 林野庁の「盗伐」調査結果 | トップページ | クラフトコーラ流行り »
「割り箸」カテゴリの記事
- ローズウッドの箸(2024.07.16)
- RF1の惣菜に国産割り箸(2024.02.05)
- ファミマのフォークと割り箸(2024.01.23)
- 割り箸グレードアップ(2023.05.20)
- Y!ニュース「割り箸が熱い!……」を書いた裏事情(2023.03.13)
毎度興味深く読んでいます。
昔、十津川村の谷瀬の吊り橋に行った事があります。高い所が好きでは無い私は、家族の嘲笑の中、必死の思いで往復しました。
その生還祝い(笑)に併設の土産物屋さんで吉野杉の箸…ん?吉野の杉の箸を購入しました。かなりリーゾナブルな価格で、大量購入してしまいました。杉の箸は食物を挟み口の中へ運ぶ時、舌先に触れる感覚と味が心地良いのです。輸入箸を舐めた時に感じる漂白剤のエグさが無いのです。当然料理の味が良くなります。洗えば何回か使えますし、最後には野外焼肉の焚き付けとなりサーマル利用ができます。
吊り橋の端で箸を買った話でした。
国産材バンザイ!
投稿: 山のオヤジ | 2021/09/04 23:35
我が家も吉野杉箸です。全然食べ物のつかみ心地、味が変わってしまう。4、5膳を取っかえ引っかえ1か月くらい使っているので、だいたい1膳当たり1週間ぐらい使う計算になる。菜箸代わりに汚れ物調理にも使えるし、最後は焚き火材料として楽しめる。
100膳ぐらい入った大袋で500円ぐらいだから、一膳5円くらいですかね。これを7日間使うとすれば(1日2回使うとすれば)1円以下になるんだが。
これを高いと文句言わないでほしい。
投稿: 田中淳夫 | 2021/09/05 12:22
国民の皆様に、吉野杉をはじめ国産材の割り箸を使うと、食事の味が格段に上がる事を実感してもらいたいですね。
ついでに言わせて頂くと、爪楊枝も国産のシラカバが味が良いです。包装は松や桧の経木が良いし、買い物カゴは昔ながらの籐でしょう。
木材を使って使って使いまくって頂きたい!
投稿: 山のオヤジ | 2021/09/05 22:06
国産シラカバの爪楊枝とは、なかなかレアなものを手に入れていますなあ。(^^;)
投稿: 田中淳夫 | 2021/09/08 11:22
割り箸がSDGs! その発想はなかったです。
あくまで国産割り箸が、ということですか。たしかに今の飲食店で出されるのはほとんどプラスチック箸だから、おかしいですね。ストローまで追放しているのに箸を残すのは。
これからお店でも割り箸を要求しましょう!
投稿: 黒田 | 2021/09/10 08:52
割り箸は、単に林業振興とか、木づかいという前に、気持ちいいですよ。食べ心地も肌(指)さわりも。
割り箸の復権で、世界に広めたい。
投稿: 田中淳夫 | 2021/09/10 09:00