林野庁の「盗伐」調査結果
林野庁が行った無断伐採の相談件数が公表された。令和2年の1月から12月までの期間に、森林所有者に無断で立木の伐採が行われ、市町村又は都道府県に情報提供や相談等があった事案について、都道府県を通じて調査を行ったもの。
いまさらだから、こんなに少ないの? と思ってしまう。私の元にも何件か「盗伐にあった!」という情報提供が寄せられているのだが、はたして含まれているかな? 私の聞いたものでは、森林組合が山主に無断どころか伐採届さえ出さずに伐ってしまったとか。。。相談を受けたと言っても警察が無視したら数に入らないのかもしれない。宮崎県では、被害届をほとんど受理しないそうである。
加えて、「盗伐」ではなく、境界線がわからなくて「誤伐」だという言い分をどこまで信じるているのか。
まあ、林野庁としては、淡々と数字を公表したということなのだろう。
一応、このように記している。
林野庁では、平成31年3月に関係通知の改正等を行い、都道府県や市町村、警察庁等と連携しながら、無断伐採の未然防止に向けた対策の強化に取り組んでいます。
また、これらの対策に加えて、衛星画像を活用して伐採状況を監視するプログラムの試行版を令和2年12月に全都道府県・市町村に提供したところであり、同プログラムを活用した伐採状況の監視が進むよう、更なる普及・改良を進めていくこととしています。
ところで、これは報道発表だから、今後、果たしてどこのマスコミが取り上げるかという課題がある。せっかく発表しても、ほとんど知る人がいないのでは可哀相……だから、私も取り上げるのだけど(笑)。
私がとくに興味を持つのは業界紙・誌だ。林業の業界を扱う専門紙・誌なのだから、林野庁の発表した項目はしっかり報道してほしい。ちゃんと記事にするかどうか……私がすべてをチェックすることは不可能というかしたくもないのだが、それは義務だと思うのだが。
そもそもこんな広報発表ではなく、盗伐問題そのものを論じてどんどん報道すべきだろう。業界の一大事である。ただ寡聞にして業界紙が盗伐を取り上げたという話を聞いたことがない……。ぜひとも現地取材をして、被害者の声はもちろん、できれば盗伐業者の直撃ルポでも載せてほしいのだが。
ま、無理だろうな。しょせんは……(笑)。
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