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森と林業と田舎の本

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2021/10/08

新内閣の中で興味の湧く大臣は

岸田新内閣が始動した。さして期待するものがあるわけではないが、ちと興味を引く大臣と言えば、後藤茂之厚生労働大臣である。というのも会ったことがあるのだ。ただし、20年ぐらい前の話。その時、彼は(旧)民主党の代議士だった(^^;)。

現在の姿をテレビを見ると、わりとスマート?だが、当時は腹が出ていて、恰幅のよい姿のイメージがあった。今なら私も負けていないけど(^^;)。せっかくだから、顔写真を。オフィシャルHPから拝借。

P228

おそらく今の彼にとって最大のテーマはコロナ対策だろうが、私はてっきり、後藤氏を農林族かと思っていた(笑)。

一応、経歴を追うと、東京出身で東京大学法学部を卒業後、大蔵省に入局、そして米国ブラウン大学経済学部大学院に留学し修士号を取得。選挙で初当選したのは2000年(新進党⇒民主党)だが、2003年に自民党へ鞍替え。以後、国土交通大臣政務官、法務副大臣、衆議院厚生労働委員長、そして厚生労働大臣と歩んでいる。つまり法務や経済、国交省、最近になって福祉医療……が専門だが、全然農林関係ではない。
多少とも森林に関係する肩書は、所有者不明土地等に関する特命委員会幹事長と、地球温暖化防止のための森林吸収源対策PT事務局長だろうか。

それなのに勘違いしていたのは、民主党主催の林業勉強会の講師として呼ばれたから。その時の主催者が後藤代議士だったと記憶する。また選挙区は長野4区と木曽林業の本場ではないか。地盤が林業地だから林業政策にも熱心なのだろうと思っていた。もっとも、当時は新人だったから、なんでも首を突っこんでいたのかもしれない。私を講師にしたのは、林野庁内の人の推薦とか言っていた。へえ~。

著作で言えば、『「森を守れ」は森を殺す』、『伐って燃やせば「森は守れる」』、『日本の森はなぜ危機なのか』当たりを執筆出版していた頃だ。

で、そこで私は何を話したのか。当時はまだ林業に絶望しておらず(笑)、いかに林業を建て直すか、というのが主題であった。ただ、切り口は今と同じで、補助金がいかに林業を腐らせたか、また日本の森は十分に育っているのだから「伐採規制で守る」のではなく、ちゃんと経済ベースで木材を伐って、高く売れる商品開発をすることが林業再生に肝心だ……という話をしたと記憶する。

これ、当時は意外な意見だったようで、その場でも妙な反響?を呼んだ。会場がシ~ンとしてしまったのである(笑)。
「てっきり森を守るために、もっと税金投入を」と言うと思ったのに……という感想が、列席している国会議員から出たほどだ。実際、当時は切り捨て間伐が主流で、森林保全のための間伐だからと、伐った木を売ることさえ忌避されていたのである。とくに野党としては自然保護推進の方が売り文句になったのだろう。

ただ後藤氏は終わってから「これならやれるな!」とやたら喜んでいたのだった。正直、税金で森を守れと言われても将来が見えないし、効果も出にくい。しっかりビジネスしなさい、と言われた方が政策に結びつきやすいし、効果も短期間に出ると思ったのだろう。

ま、その後、この勉強会に出ていたメンバーの多くが自民党に移るか、知事に転出、あるいは落選して(´Д`)消えて行ったから、何か政策にまとめたようには思えない。ただ、その後菅直人代議士を中心として、まったく別の方向から「林業の産業化」政策が提案されていく。それが森林再生プランへとなって政権を取ってから推進されていくのだが……。まっ、私の影響は微塵もないと思う。

その後、自民党政権にもどってからも、「林業の産業化」という部分は強まる一方だ。自然を破壊しても金になればいい、補助金額より純益が少なくても売上を大きく見せたら成長産業ということにする、というのが現在の林業ではあるまいか。

しかし、結局は搬出間伐にも補助金をつけるなど、金のバラマキは強化されこそすれ、全然ビジネスにはなっていない。高付加価値商品どころか、燃やすのも燃料という商品だと促進する有様。私の主張とは似て非なる、いや正反対とも言える、まったくベクトルの違う方向に進んでしまった。

まっ、今の後藤大臣にはコロナ対策に頑張ってほしいが、たまには森林・林業政策も考えてくれたまえ(なぜか、上から目線)。

 

 

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