絵画の力による地域づくり
京都府南丹市立文化博物館で「森と共に生きる」という特別展が開かれている。
私は、まだ足を運んでいないのだが、その目録というかパンフレットが送られてきた。
この展覧会の中心は、「知井地区を中心に」ということだが、ようするに芦生の森が舞台だ。京都大学の研究林であるが、同時に貴重な原生林として知られる。ただ原生林といっても古くから人の暮らしと結びついてきた地域でもある。
展覧会は神仏の世界から歴史的な古文書、民俗等々幅広く扱っているが、実は第2部は「芦生の森を描く」として絵画が並ぶ。
この企画が面白いのは、写真だけではなく絵画でこの地域の魅力を知らしめようとした点だ。
実は、私はその画家たちのスケッチ行に同行していたのである。そして皆さんのスケッチ風景をスケッチしていた(^o^)。
綿染み常々、「絵画による地域起こし」というのを提案している。写真ではなく、絵画だ。そしてアートでもない。あーとによる地域づくりは各地で行われていて、芸術祭などが開かれている。それはそれで面白いし、人を集める力もあるのだろうが、そうしたイベントではなく、地域の魅力を伝えるのは、写真より絵画の方が適しているのではないかと思っていたからだ。
もちろん高名な画家に描いてもらって、その風景画の価値か出たら、地域に注目が集まるだろう。フランスのバビルゾン村のように。今や印象派の前段階のバビルゾン派画家を生んだ村として人気だ。そこに描かれた田園風景が人気に拍車をかける。
が、それだけではダメだ。正直言って、絵画の価値ではなく描かれる風景の価値を世間に知らせるべきなのだ。それには写真より絵画にした方がよいと思う。よく植物図鑑などでも、写真よりイラストの方が植物の細部や特徴を描けてよくわかるというのと同じ意味だ。
だから無名の画家でもいいから、その村の美しい風景を発見してもらって何十枚と絵を描いてもらうといい。その絵によって村の魅力を伝えるのだ。あご足付きで画家を多数招いて、描いた絵を何枚か提供してもらう、なんて形の地域起こし手法はないか。画学生なら喜んで来てくれそうな気がする。そうした展覧会って素敵だろう。
このパンフレットにも、描いた絵からテキスタイルにしたものまであって、展開の面白さを感じる。
なんなら私を地域づくりアドバイザーとして招きたまえ(笑)。
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