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2021/11/26

Y!ニュース「地上権が消える?分収造林裁判で…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「地上権が消える?分収造林裁判でびっくりの判決」を執筆しました。

実は、この裁判の判決に関して某新聞社からコメントを求められたのがきっかけだ。その際は一般論としての分収造林の問題点や、山主の思い、逆に公社側の事情などを語ったのだが、そこで知ったのが判決理由にあった「契約が切れたら地上権も切れる」という裁判官の指摘。

これ、法理論上はどうか知らないが、これまでの林業慣行に大きな影響を与えるのではないか、と思ったのだ。もしかして、裁判官は立木法を知らなかったとか(笑)。

この判例が、全国に広く知れ渡ったら、林政が大きく動くきっかけになるかもしれない。ここで拡散しよう\(^o^)/。

 

ちなみに私自身は、今回の判決は絶妙な按配だと思っている。
山主からしたら、何十年も自分の山を占拠されたままで、何の利益も上げられない公社には愛想が尽きているから返してほしいのはわかる。しかし、公社が返すために造林地を皆伐しても、赤字が出るだけで利益は生まないだろうし、何より跡地が無残だ。はげ山にして返されても喜べない。再造林もできるかどうか。

そこで立木と地上権を山主に無条件で渡すことで、少なくてもはげ山にはならずに環境的にはよろしい。公社は隠れ負債が表に出るものの、それは造林コストであって伐採によるコストはかぶらなくて済む。この際だから、一気に清算に乗り出してもいいんじゃないか。公社の負債はほとんどが自治体の負債となるだろうから、トップの首は飛ぶだろうけど。。。
山主は、結局利益は得られなかったものの、自分の山として今後の運営を考えられる。もしかしたらチャンスをつかんで利益を出す山の使い方があるかもしれない。意欲とアイデア次第だ。

ある意味、今後が楽しみである。

 

 

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コメント

この裁判では、立木法が考慮されました。詳細は裁判記録を見ていただければわかると思います。地上権と立木法への記録があります。
 

そうでしたか。もちろん裁判官が立木法を知らなかったのでは、というのは冗談ですが、立木法の精神を知った上で、地上権と立木に関する権利が消滅したと判断したわけですね。

面白く思ったのは、実は地上権の消滅は原告・被告ともに求めていなかったことです。その点からも踏み込んだ判決でしょうね。

この裁判では地上権及び立木法は考慮されました。以下この裁判の経緯と私の分収造林事業に対しての意見を間単にのべます。

「裁判の経緯」

地上権:

 土地の使用を可能にするための権利。
今回は公社が立木を保有する為に設定され、有効期間は契約期間内に限定。

立木法:

 立木をこの法律の対象にするには、立木に所有者が解る様明認処理をするか、又は立木を不動産として登記しなければならない。

 この裁判は契約が終了したにも関わらず、、公社が契約で定められている全伐採を契約期間内に実施しなかったという状況下で行われた。要するに地主は土地の不法占拠であると主張し、公社は立木法があるので立木の所有権は公社にあると主張したのです。

一審では
 公社の主張が100%認められた。

二審では
 公社の立木の所有権が否定され、すべての立木の所有権は土地所有者にあるとの判断となった。しかし土地所有者が求めた公社の土地の不法占拠に対しての補償は認められなかった。

「分収造林事業についての意見」

 この分収造林事業自体は諸事情により、利益が見込めない様です。土地所有者が立木を得てもこの立木から利益を出すのは難しいし、公社にしても諸事情が好転しないと伐採を先延ばしするだけではこの事業に投資した資金の回収は難しいと思われます。森林は国の有益な財産であるとの考えの基で、今の時代に合う様に分収造林事業の内容を変更して、公社及び土地所有者の両者が少しでも利益を得られるようになればよいのですが。

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