植物進化の生き証人
週末のお休みの前には、こんな写真を。
わかるかな? これは何だ。何の実?
ちょっと見る向きを変えてアップで。この葉っぱはわかるだろう。
そう.ちょっといじけて見えるけど、イチョウの葉である。つまり、この実は銀杏というわけだ。ただし、よく見ればわかるとおり、イチョウの葉と融合している……というか、一体化している。
これを「お葉つきイチョウ」という。
イチョウは裸子植物であり、その点ではスギやヒノキと同じ裸子植物なのだが、より原始的でシダ植物から針葉樹に進化した初期の段階だと思われる。だから「生きた化石」と言われることもあるのだが、その状態をより鮮明に見せるのが、これ。
シダ植物は、葉(の裏)に、胞子をつけていることは知っているだろう。種子ではなく胞子なのだ。そしてイチョウは、シダの胞子から裸子の種子へと進化したわけだが、このイチョウの銀杏は、その様子を今に残す。だから、普通の銀杏のように枝の葉柄から稔らず、葉に稔る。
なかなか貴重なのだよ。これを見るために、結構な山登りをしたのであった。
« COP26の言葉尻をとらえる | トップページ | サルノコシカケと問い合わせ愚痴 »
「森林学・モノローグ」カテゴリの記事
- トランプ米大統領と、緑の植民地主義(2025.01.21)
- 阪神大震災、改めて思い出す(2025.01.17)
- 雪化粧。そして、うぴ子(2025.01.12)
- ジビエ嫌いのジビエ・ビジネス(2025.01.11)
- 森の奥で根っこを張る(2025.01.05)
コメント