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森と林業と田舎の本

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2022/01/23

CO2の森林吸収分は減り続けていた!

林野庁が「森林によるCO2の吸収量の算定方法について」うだうだと書いているが(笑)、もっと面白い記事があった。

日経の「王子HD、森林を「宝の山」に 温暖化ガス50%相殺へ」である。タイトルだけ読むと、王子製紙の提灯記事ぽいのだが(いや提灯記事そのものなのだが)、その中にこんな文言がある。

日本では19年度にCO2換算で約12億トンの温暖化ガスが発生し、この約4%にあたる4300万トンを森林が吸収した。だが政府が掲げるCO2吸収量は30年度に3800万トンと直近のピークだった14年度比で約3割減る見通しだ。

そう、吸収量は減っているのだ。その理由を樹齢40~50年の伸び盛りの木を伐って植えていないため循環サイクルが停滞している……としている。前半は笑止だが、後半の伐ったのに植えていないという点は事実だ。つまり、伐採ばかりして植えていないのだ。政府が、木を伐って燃やしたり使うこともCO2削減になるよ、と音頭を取って上げた挙げ句、伐るだけで植えない現象が全国に広がった。伐った面積の7割以上が植えないまま、ってどういうこと?

さらに衝撃的なのが、その次。

森林のCO2吸収量の評価方法そのものにも課題がある。王子HDは第三者機関のお墨付きを得て森林吸収量を算定している。だが算出した数値はあくまでも自主的な取り組みに使うもので、国に報告するような公式な排出量には計上できない。みずほリサーチ&テクノロジーズの内藤氏は、そもそも吸収量の評価についての世界的な統一基準がないことで「企業ごとに算定手法が異なっている」と課題を指摘する。

え、世界的な基準がないのか……。どの国も、どの企業も、言ったもん勝ち?

経済産業省は企業がCO2排出量を売買できる新たな取引市場「GX(グリーントランスフォーメーション)リーグ」の制度設計に乗り出した。森林吸収量がどう組み入れられるかはまだ分からないが、排出枠として売買できるようになる可能性もある。

締めくくりは、なんとか希望を持たせるようなことを書いているが、経産省頼み(^o^)。だいたい国内で森林吸収量をうんぬん言ってもねえ。しかし、記事広告の中にも、結構ためになる情報があるわい。

Photo_20220123223101

 

だいたい石油価格が上がったと大騒ぎしているが、本来なら喜ぶべきでしょ。それで化石燃料の使用量が減るのなら。そして再生可能エネルギーに転換が進むのなら。それなのに、政府が補助金出してガソリン代を下げようとしたり、アメリカなどから備蓄分を放出して価格を下げさせようとしたり。全然、CO2削減とか脱炭素に本気じゃないことがよくわかる。

 

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政策・行政関係」カテゴリの記事

コメント

日本国温室効果ガスインベントリ報告書にCO2吸収の計算方法は書かれていて、どこの企業もこれを参考にしてはいると思うのですが…というかこれを使用していなければ、一体どうやって計算しているのでしょう…まさか、本当に言ったもの勝ち…?

https://www.nies.go.jp/gio/aboutghg/index.html

和文の357枚目に記載されています

私も日経の記事を読んで驚いたわけで、明快に説明できませんが、日本の計算方法と海外各国の計算方法は違うということでしょう。
王子製紙は海外の第三者機関の計算式を使っているようですから。おそらく王子は海外の森林も吸収源として所有か契約しているので、そちらを選んだのでしょう。
どちらがより正確なのか判定できませんが、それぞれの計算方法にも言い分があるはずです。しかし、国の方法で計算していないと削減量を計上できないのも困るし、誤差が気になるところです。

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