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森と林業と田舎の本

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2022/01/11

来年度予算案に脱炭素ファンドの設立

 来年度の予算案で、「脱炭素化事業支援機構(仮称)」なる株式会社が登場するらしい。つくるのは環境省。

ようするにファンドなのだが、「地球温暖化対策では、民間企業による脱炭素事業を後押しするため、新たなファンドを創設する。再生可能エネルギー導 入や森林保全、プラスチックのリサイクルなど温室効果ガスの削減につながる幅広いプロジェクトを出資により支援」とある。2050年までに温室効果ガス排出をゼロにする政府目標達成のため、環境相が認可する株式会社として設置するそうだ。

国が財政投融資の仕組みで200億円を出資し、さらに地域金融機関などからの出資や融資も集め、合計1000億円程度の事業規模にする。

これだけなら、ふ~ん、で済ますところなのだが、その中に「森林保全支援」項目も入っていたから、さてどんな事業を考えているのかと探ってみた。

すると……。

Photo_20220111212201 

「投資対象イメージ③」からちょっと抜き出すと、
■間伐や植林を実施し国内森林を保全。木材として、又は間伐材等をバイオマス燃料として販売。さらに、木材の廃材(建設廃材)も、バイオマスエネルギーとして供給。
■木材販売、間伐等、売電、さらに建設廃材の処理委託料や売電等により収益化。
■現状、投下資金の回収期間が長期で投資ハードルが高く、民間投資の実績が乏しい。
■自然資本としての森林保全に関心の高い建設業界・商社等からの出資が期待される。
■約7.5億円、温室効果ガス削減効果:年間約8,800 トン
■約210億円(林業成長産業化地域28地域に横展開)

まあ、ありきたりというか、とくに新しさのない事業イメージ。すでに数々の補助金があるのではないか。そもそも木材販売がまともに利益を生み出していない現実をどう変えるかのビジネスプランがない。あえて言えば「建設廃材の処理委託料」が新しい? でも、間伐が炭素固定に結びつくとか、バイオマス発電がカーボンニュートラルという嘘をそのまま採用されても困る。

ちなみに林野庁の予算案はどうなっているか。なかなか脱炭素項目が見つからなかった。

カーボンニュートラル実現に向けた国民運動展開対策」というのがあるのだが、中身は「エリートツリー等の成長の良い苗木の普及、森林空間利用の促進、建築物等での木材利用拡大の機運醸成、身近な木材利用やエシカル消費等を普及啓発する「木づかい運動」の促進等の取組を支援」と、どこが脱炭素なんだか。これまでの項目と一片たりとも変わらんではないか。
ただ補正の方に、ウッドショック対策が入っていた。木材供給の「ボトルネックといわれていた部分」である乾燥施設の能力向上などに関し、従来講じてきた加工施設の整備経費の支援を優先的に採択するとか……。ちなみにウッドショック自体は、すでに「木材自体は手に入るようになっている」としているのだから、なんのこっちゃ。価格が高止まりしているのは歓迎すべきではないか。

令和4年度予算案、それなりに目を向けておかないと、トンデモ予算が押し込められるかもよ。



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コメント

環境省の天下り先、いわば退官OBのリサイクルが目的なんですね。内容は問わない、とにかく部屋(ポスト)女(秘書)車がほしいだけ・・

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