海につなげる割り箸の矛盾
中日新聞にこんな記事があった(引用は転載されたdmenuニュース)。
おお、割り箸見直しか。それにしても海とつなげるとはなかなかの力業。
しかし……。
三河湾に生息するウナギなどの海洋生物を守ろうと、日本財団(東京)が推進する「海と日本プロジェクト」の県実行委は、国産スギの間伐材を用いた割り箸を作り、県内の飲食店に配布している。森林を育成することで川の栄養分を活性化させ、豊かな海洋環境を整えることが狙いだ。
とある。が、そこに持ち出したのが、森林の広葉樹の落ち葉が堆積してできた腐葉土に含まれる「フルボ酸」なのである。まあ、ここまではいい。目をつぶる(笑)。が、実行委の丸崎敏夫委員長(61)は「(腐葉土に必要な落ち葉のない)スギなどの針葉樹林が山に増えすぎたことで、三河湾ではウナギだけでなく、アサリなども減少している」と指摘する。
この指摘はどうかなあ。スギだって落葉するでしょ。スギ林の中を歩けば、いっぱい落葉がたまっている。本当は森を歩いていない証拠。あまりに頭の中だけの森を描いている。そしてウナギやアサリが減っている原因をフルボ酸に決めつけるのも問題あり。私は、別の原因を疑う。とくにウナギは、なにより採りすぎということを隠してはダメだ。シラスウナギを根こそぎ採取したら、そりゃ減るわ。アサリも、まずは砂地が必要だけど、砂防ダムのため砂が激減しているし。
それにスギがダメといいつつ、スギの割り箸を配布するというのは、スギを減らそうという意味?スギを伐採して広葉樹の森にする中で、伐ったスギを割り箸に? その発想では、いつか割り箸の材料がなくなることを願っているのか。
とりあえず「海と日本プロジェクト」は、愛知県内のスギなどの針葉樹の間伐材を用いた割り箸を2万膳製作。東三河を中心に、うなぎ屋や鮮魚関連の飲食店に配布しているそうだ。
どこで製作したのか。。。最近、割り箸づくりをしたいという町が現れたり、わりと再注目されているのか。私も呼ばれてアドバイス?しているが、割り箸づくりはそんなに簡単じゃない。
なんか、割り箸を見直してくれるのはいいんだけど、もやもや感が残るねえ。
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