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森と林業と田舎の本

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2022年2月

2022/02/28

Y!ニュース「ウクライナ危機で、ウッドショックは…」を書いた理由

Yahoo!ニュースに「ウクライナ危機で、ウッドショックはどうなる?」を執筆しました。

2月は(Yahoo!ニュースを)1本しか書いていないし、まさかまさかで始まったロシアのウクライナ侵攻。思いはいっぱいあるし、言いたいことも書きたいこともいっぱいある。これは書かねば……と思ったが、私が国際情勢を語ってもあまり喜ばれないだろう。やはり「森林ジャーナリスト」の肩書に近づけるテーマとすれば、木材関係か。。。

となると、ウッドショックどうなる? なのである。……若干、安易(´_`)。

そこで各種データを集めて分析を試みる。しかし木材貿易って、裏がありすぎというか、闇の世界(笑)。表の数字だけでわからないことが多すぎる。おそらく気づかないところで、ロシア材は浸透していたのだろう。だいたい丸太輸入禁止と言いつつも、樹皮を剥いただけの丸太を加工材として輸入していたりする。そんな見えない部分の影響まで読むのは難しすぎる。

たとえば記事をアップしてから教えてくれる人がいたのだが、国産合板の中には、半分はロシア材使っている製品があったりする。しかもロシアのカラマツでなければ保てない性能もあるのだそうだ。それを輸入できなくなったら、どうなるか。またロシア材には森林認証FSCを取っているものが多い。これが入ってこないと代替品はなかなか手に入らない。

ウッドショック第2弾として合板の動きも少し調べたことがあるが、たしかに生産国が日本でも材料が国産とは限らず、外国産は熱帯木材なのかロシアなどの針葉樹なのか……。そして材料としての木材が足りなくなる・価格が上がる……以上にややこしいのは、やはり違法木材の動きだ。

これまで違法木材と言えば、東南アジアやアフリカ、中南米など熱帯諸国のイメージが強かったが、そこにロシア材の輸入も含まれると……追跡は厄介極まりない。しかも、単に違法というより経済制裁の抜け駆けとなると、相当イメージ悪い。クリーンウッド法が、もう少しまともだったらなあ、と思うのである。

 

 

 

2022/02/27

木器時代があった!『「木」から辿る人類史』

『「木」から辿る人類史』(ローランド・エノス著 NHK出版)。

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これ、発売後すぐに購入(21年9月)して、さっと半分ぐらい詠んだのだが、なぜかそこで止まって、ほかの本を読みだしたりして長く放置、年を越えてハッと我に帰って(^^;)、このほど読み終えた。近頃何かと流行りの人類史に樹木と木材の視点から切り込んでいて、なかなか面白いのだよ。(だったら、なぜ途中で投げ出した?)

目次は、こんな感じ。

第1部 木が人類の進化をもたらした(数百万年前~1万年前)
 第1章 樹上生活の遺産
 第2章 木から下りる
 第3章 体毛を失う
 第4章 道具を使う

第2部 木を利用して文明を築く(1万年前~西暦1600年)
 第5章 森を切り拓く
 第6章 金属の融解と製錬
 第7章 共同体を築く
 第8章 贅沢品のための木工
 第9章 まやかしの石造建築
 第10章 文明の停滞

第3部 産業化時代に変化した木材との関わり(西暦1600年~現代)
 第11章 薪や木炭に代わるもの
 第12章 一九世紀における木材
 第13章 現代世界における木材
 第4部 木の重要性と向き合う
 第14章 森林破壊の影響
 第15章 木との関係を修復する

一般に人類の文明は石器時代から始まるように語られる。これは旧石器時代と言われる原人の時代も含めてそうだ。だが、石は後世に残るからであって、その前に木の道具時代があったはずだ、木は腐るからわからないだけで! という主張から始まる。まさに木器時代。石を割って使う前に木のこん棒を使ったし、木の槍もあったはず。また火を使いだしたのも木材があってこそ。だから土器も木がなくてはつくれなかった。石器の槍だって柄は木製だし、何から何まで木のお世話になっているのだ。
そう言われれば、なるほど納得。(だったら、なぜ途中で投げ出した?)

そして石器から金属の時代に入っても、木材は欠かせない存在として文明を支え続ける。金属精錬には薪や炭が欠かせないし、石造建築だって木材の骨組みなしに建てられない。たとえば壮大なゴシック建築も、ほとんどが木造だった。なんとイギリスの古代遺跡ストーンヘンジも、元は木造だった可能性を示している。
さらに驚いたのは、イースター島の文明だ。一般にモアイ像をつくるために森林を破壊して船を失い、農地を失って滅んで行ったとされるのだが、よくよく調べると森林がなくなったのはヨーロッパ人が入ってかららしい。結局はヨーロッパ人が持ち込んだ疫病で、先住民はほとんど死に絶え、さらにヒツジが放されたことで森林植生を失った、というのだ。通説を否定するので、もう少し検証が必要だが、なかなかいい線を突いていると思う。

一方で木組みなどの技術の発展やエネルギー源としての価値を熱量計算までしている。歴史だけでなく理系技術の知識も遺憾なく発揮。やがて植林の発達などから林学・林業の発達過程とその限界も描く。そしてコンクリートなどの登場や気候変動対策でバイオマスエネルギーを利用することの矛盾……。果たして、現代社会は、木の復権の時代なのか。それとも破壊を続けるのか。

人類と木の利用に関する通史として、実に面白い(だったら、なぜ途中で挫折していたんだ)。

 

2022/02/26

ガソリン高騰と値引きモデル

ウクライナ危機で石油価格の高騰が予想されている。当然、ガソリン代も上がりそうだ。私は、主に自宅からもっとも近い、セルフのガソリンスタンドで入れているが、そこは県内でもかなり安い方の店だ。

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ちなみに現在はレギュラーガソリンが169円だけど、プリペイドカードを使うと166円。ただし常連(月に一度以上給油)すると、QRコードにより2円引きだ。それに私は5円割引カードを持っているので、合計7円引き。今日は159円で給油した。

この5円割引というのが曲者で、昨年末、車検をうちでしてくれたら最長2年間、ガソリン代5円引き/ℓにしますよ、という案内が来たのである。ちょうど車検時期を迎えていた私は、あっさり申し込んだ。おかげで市場価格から10円、通常の支払いと比べても7円引き。なかなかお得感がある。

で、どれだけ値引きになるか年間で考えてみた。私は約2週間に一度くらい給油していることから年間のガソリン消費量を推計し、それが5円引きなのだから、年間3000円~4000円ぐらい安くなった計算か。それを2年間とすると、その2倍の金額を値引きされたことになる。ガソリンスタンド側はこれだけの額を車検の請負いで元が採れると計算したのだろう。車検代でとくに暴利をむさぼっているようには感じなかった(それどころか1日車検で早かったし、ティッシュを段ボール箱ごとプレゼントされた)のだが、総体で利益が出る構造を築いていると見える。

今の時代、ガソリンや灯油、軽油だけを売るモノカルチャーでは利幅が薄くて商売にならないのだ。多様な販売品・サービスを絡めて顧客を囲い込むことで収益確保するビジネスモデルに移行している。これは他の業界でも一緒だろう。どんどん効率化という名で利益を削ぎ落としているから、単体では満足のいく利益を確保しづらい。そこで複合経営的にならざるを得ない。
もちろん、多角経営の仕方によってはコストを増やしてしまって元の子もないが、あの手この手が囲い込む。

それで思うのだが、世の中、分業化の弊害が出てきたのではないか。

もともと需要が伸び盛りの時代では、生産を分業化して効率アップを図る方が儲かる。しかし縮小局面では、分業によって各部門に情報格差が生まれ、それが効率を落としたり、ロスを出す。さらに部門ごとに利益の取り合いが起きて、自分のところを少しでも多くしたいと邪な思いが適正配分を怪しくなしてしまう。それは不信感を呼んで行き詰まりがちだ。挙げ句に分業の一角が崩れると、全体のビジネスが成り立たなくなる。

業界の縮小は、単に業者が減るだけではなく、多角経営できるか、分業していた部門が適切に協働できるか否かが生き残りの決め手のように思える。

なんのことかって? もちろん林業と木材流通のこと語っているんだよ( ̄∇ ̄) 。

 

 

2022/02/25

ロシア侵攻を聞きながらの授業

昨日のロシアのウクライナ侵攻。そのニュースを聞いたのは、吉野のフォレスターアカデミーだった。森林や林業について語る合間にスマホに流れてくる情報。雪降る窓の外を眺めながら、日本とウクライナの間に開いている2万キロぐらいの距離を考える。

ただ、まったく違う世界と言えるかどうか。実は吉野にもウクライナ人が住んでいる。それも川上村の奥の集落に。彼女は、このニュースを聞いて何を考えているだろうか。以前、川上村の秘祭を見学に行ったら、ウクライナ人がいたのでびっくりした(^^;)。ウクライナには大学に日本語学科もあるそうだ。そういえば吉野では、以前、観光案内所を訪れて名刺をもらったら、ギリシャ?的な名前で驚いた。明日香村でお寺の住職をしている外国人にも会ったことがある。意外と田舎にも外国人は多いのである。

地球の裏側で見知らぬ少年が交通事故に遭ったと聞いても興味はわかないが、その少年は日本が好きでメール交換していたら。あるいは少年のおじいさんが日系人で、自分の故郷出身だったら。いきなり身近になるだろう。遠い外国も、人脈によって引き寄せられる。世界は狭く、密接になっていると感じる。

そんな中、私はアカデミーで林業を論じる(^^;)。

内容はともかく、私の狙いは学生を悩ませること。答を求めるのではなく、自分で考える癖をつくること。それも長期的な視線で考えること。自分の進路、林業の未来を考えてくれ。政府は何も考えていないみたいだけど。自分の立場しか考えないみたいだけど。

ところで、ウクライナのゼレンスキー大統領の外交下手は前から感じていた。わざわざロシアを怒らせることばかりしているのだ。クリミア奪還を声高に唱えたり、親露派を政権から追放したり。(アメリカも望んでいない)NATO加盟を持ち出したり。
日本も近隣の北朝鮮がミサイルをぶっ放したら大騒ぎするし、アメリカも喉元のキューバにミサイルが配備されたら慌てふためいて海上封鎖まで行った。ウクライナにミサイルが配備されたらロシアも怒るだろう。とはいえ、プーチン大統領も意外と外交下手を感じる。瀬戸際外交のはずが瀬戸際でなくしてしまっている。その点、北朝鮮の方が上手い。
もっと練達の外交通はいないのか。このままでは落としどころがまったく見えない。

そこで、あえてロシアをこんな切り口で眺めてみた。「ロシアは世界で最大級の軍事力を持つ」という言葉が気になったのだ。たしかにアメリカに次ぐと言われているが……。

ロシアの国力をGDPで調べてみる。世界の名目GDP 国別ランキング・推移(IMF)

単位は米ドルだが、1兆4785億7000万ドル。世界11位だ。これは10位の韓国より1割以上劣る。意外なほど小さかった。ちなみに日本は5兆ドルを越えて世界第3位である。アメリカは21兆ドル、中国は14兆ドル。なおウクライナは55位。1553億ドルとロシアの10分の1だ。

ロシアの経済は、ほとんどが石油とか天然ガスなど1次産品に依存しており、脆弱だ。そして、これから西側の経済制裁が始まる。将来的には破綻しかねない。中国がそれに取って代わって支えられるとは思えない。こんな財政だと、戦争の継続は厳しい。

軍事費を調べると、2019年版ではあるが、440億ドルしかなかった。アメリカは7160億ドル。ちなみに日本は470億ドルでロシアを抜いていた (@_@)。まあ、軍事力は金額だけではないが、核兵器に頼るしかないのは北朝鮮なみ。世界の軍事力ランキングトップ25

ゼレンスキーは、そしてプーチンは、長期的視点を持っていたのだろうか? 侵攻後の落としどころを考えているのか? 目先の感情と損得で動いたのではないか? それでは日本の林業の二の舞を踏むぞ。

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アカデミーで授業

 

 

2022/02/24

西本願寺の沓石

京都に行ったのだが、約束の時間までわずかに……10分~15分早い。そんなときに目に入ったのが西本願寺。この境内を歩くだけで時間潰しになるかと参拝した。

と思って入ったのは、西本願寺の隣というか敷地に食い込んだ形で立地する興正寺であった(^^;)。間違うなよ……。この寺、宗派も西本願寺(真宗本願寺派)と微妙に違って真宗興正派。真宗もたくさんに分裂して一体いくつあるんだ。

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でも、立派な紅梅を見ることができた。

改めて西本願寺に参拝する。東大寺大仏殿に匹敵するような巨大木造建築である阿弥陀堂、御影堂は国宝であるが、ふと目に入ったのが、柱を支える沓石。

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沓石とは、礎石の上に柱を乗せるためにある石なのだが、木製であった。。。

説明書きによると、もともとざくろの木でつくられたという。ただ江戸末期の修復の際に、木製だと傷みやすいからと石に換えたものの、見た目は昔どおりと木で覆ったのだそうだ。そう記されていたら、覗きたくなる。

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たしかに隙間から、中の石が見える。それにしてもざくろの木とは、どんな木材なのか。よほど硬いのか……気になるところである。

 

2022/02/23

ウクライナ情勢で思い出すフィンランド冬戦争

ロシアが、ウクライナ東部の2地域に独立承認し派兵を決定した。これまで瀬戸際外交を展開しつつ、最後の落としどころを睨んでいるのではないかと思えていたが、その一線を越えた可能性がある。何やら不穏な空気が漂っている。

それで思い出したのが、フィンランドの冬戦争だ。日本ではほとんど知られていないし、表現もソ連-フィンランド戦争と呼ばれがちである。

これは第2次世界大戦勃発直後(1939年11月30日)にソ連軍45万人がフィンランドに攻め込んで始まった戦争だ。圧倒的な戦力差で3日で終わると思われたが、フィンランドは厳冬の中ゲリラ戦と焦土作戦で迎え撃った。結果として4ヶ月間でソ連軍の損害はフィンランド側の10倍以上となっても占領できなかった。フィンランド2万6000人、ソ連12万8000人の犠牲を出したが、だが、人口370万人のフィンランドにはこれが限界だった。講和条約が結ばれ、国土の1割、それも工業地帯が割譲され、莫大な賠償金が課される。

だが、このソ連の侵略にナチスドイツは不信感を覚え、ソ連との不可侵条約を破るきっかけとなったとされる。独ソ戦が始まると、フィンランドはドイツと手を結び、失地回復をめざして再び戦った。これは継続戦争と呼ばれる。そこで一時割譲した領土を取り戻したのだが、ドイツの崩壊を前に44年9月に停戦したら、今度はドイツ軍と戦うはめになる……。結果として、より多くの領土を奪われる結果となった。

このような戦いを繰り広げて独立を維持した国の外交を「フィンランド化」と揶揄すべきではない。むしろバルト3国と違ってソ連邦への編入を阻止したのである。ただ戦後も、フィンランドはソ連に、そしてロシアに領土を割譲したままだ。そして賠償金を支払わなくてはならなかった。

しかし国土を蹂躙されたフィンランドにとって、その経済力は残されていない。そこで全土の森林を皆伐して木材を売った収入を当てることになる。それが現在に続くフィンランドの林業構造を形作った。フィンランドの林業は戦後生まれといえるかもしれない、日本と同じく。

フィンランドの林業には、冬戦争の影響が色濃く残る。そして、それは森林全体を覆う影である。

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冬戦争 ウィキペディアより。

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フィンランドの林業は、皆伐一斉造林、そして拡大造林。大量生産型だ。

 

 

2022/02/22

動物の「かわいい」を追求する

先日訪れた東京で、日比谷公園前ぐらいだったか、なんだか大きなのぼりと看板を立てて、チラシを配っている一団を見かけた。そして渡されるままにチラシ(というかカード)を受け取ったのだが……それがネコの保護運動のものだった(´_`)。

それもJFEスチールの敷地である東京湾の島にネコが多数閉じ込められているからちゃんと餌と水をやれ、冬なんだから暖かい寝床を……とかなんとか極めて局所的な運動。それも、今そこに虐待されて殺されているわけでもないネコなのである。こんな運動のために何十人も集結して、のぼりを立ててカラーのカードを印刷するお金もかけるのか。

2022年2月22日はネコの日だそうで、テレビも新聞もネコ特集ばかり組んでいる。私も便乗しようかなと思ったのだが、つい私が思い出すネコのエピソードはこんなことになってしまう。

私が『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』と『獣害列島』を執筆した際に、シカとともにネコと人間の関係を探る手がかりとして、各地のネコ島を訪ねる計画を立てた。ネコというか野生とペットの合間を見極めようという発想であった。ちなみにネコはペットになるが、遺伝子は野生のときとほとんど変化していない。つまり野生動物のままペットになったという希有な動物である。その点でも、ネコについて追求したのである。

だがコロナ禍で外に取材に出ることも諦めざるを得なくなったのだが……。それで文献としてかなりの動物の本を読んだのだが、その中にはネコの本も何冊か混じっている。たとえば、これ。

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さすがアメリカ。こうした研究もしている。残念ながら日本ではネコの研究を探すと、「かわいい」ネコの生態ばかりなのである。こちらの分野に手を付けようという研究者はいないのか。そこで「かわいい」正体を探ろうとして、こんな本も読んだ。

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……結局、人にとっての「かわいい」という感情の発生源はつきとめられなかった。その代わり「アニマルウェルフェア」についても勉強した。これを真正面からは取り上げたのは、かなり早いはずだ。さらにその奥にさらに広がる「ノンヒューマン・パーソンズ」の思想を紹介したのはも、その筋の運動家や専門家を抜きにしたら、私がかなり早いことを自負している。

害獣の駆除にもアニマルウェルフェア

ノンヒューマン・パーソンズ~動物に“人格”が認められる時代がやってきた

ほかにドミトリ・ベリャーエフのキツネの家畜化実験も示唆に富んでいる。人にはなつかないキツネを何世代もかけて人になつく性格に変えていく実験だ。結果として、「かわいい」キツネが誕生した。

調べると、最初は2017年だった。ここまで突き詰めて、ネコを論じられる。ネコ様ネコ様と騒ぐなら、これぐらい調べて理論武装してからにしたまえ(笑)。

ちなみに、我が家の庭にはネコが異常に出没しており、その数は10匹を超える。どんどん子どもを産んでいるのか、常に小ネコが混じり、似た顔のネコがうろちょろしている。そのうちネコイラズを撒いてやりたい……。

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2022/02/21

日本では過熱しない「カーボンクレジット」

今、世界中でカーボンクレジットが“過熱”しているそうだ。ようするに二酸化炭素の吸収源として森林が注目され、排出枠を取引する動きが進んでいるわけである。環境貢献は、今や企業の一大戦略となりつつある。だから森林取得を含む森林への投資が盛んになってきた。

たとえば、アメリカのJPモルガン・アセット・マネジメントは21年、運用額53億ドル(約6100億円)に上る森林投資専門の米キャンベル・グローバルを買収した。世界に約69万ヘクタールの森林を管理する同社を買収し、ESG(環境・社会・企業統治)投資を進める。
 温暖化ガスの排出と森林などによる吸収との差し引きでマイナスまで落とす「カーボンネガティブ」の実現に向け、業種の垣根を越えた様々な大企業が希少資産としての「森林」に触手を伸ばす。
日経新聞 森林崩壊 第1回荒ぶる放置林)

この記事は、3回連載だそうで、主に国内の林業を扱う予定のようだが、ここで海外の動きに触れている。まあ、ちょっと国内林業の描き方には気に食わないところもあるが(笑)。

ともあれ、世界中では森林に投資が集まっているのである。

そして日本の住友林業も、国内外の森林運営に投資するファンドを設立する。ファンドを通じて取得した自然林や人工林を保護・運用して、出資分に応じてカーボンクレジットを配分する仕組みを構築するために動き出した。事業で大量の二酸化炭素を排出する航空会社や海運大手などの出資を見込む。

住友林業は、国内に森林4.8万ヘクタールを保有するが、実はインドネシアやパプアニューギニア、ニュージーランドなどに計23.1万ヘクタールの森林を管理・保有している。それを30年までには50万ヘクタールまで引き上げる計画だという。新たに取得する森林の資産規模は1000億円程度で、欧米の航空会社やエネルギー企業の出資と購入が見込まれている。

自然林として保護するためには、違法伐採や農園への転用をさせないで、その面積や樹種などに応じて二酸化炭素吸収量と炭素固定量を正確に測定しなけれはならない。そこで認証機関と提携するほか、IHIと人工衛星からの画像や気象情報、地上の観測機器のデータなどを基に森林を管理するシステム構築をして、本当に排出量削減の実効性があるクレジットするという。


……という状態なのだが、住林という日本の会社ながら、ほとんど日本国内の森林が話題にならない。
国内に持っている山でカーボンクレジットは進んでいない。

なぜだろうね。ここで私の推測を書くのは面倒だから止めるが、ようするに日本は国土の7割を森林だと自慢しつつ、使い物にならないわけだ。前述の日経の記事にも、こんな一節がある。

国際的な基準に従うと、手入れがなされ一定の日照などを確保できる森林でなければ、実は「二酸化炭素(CO2)吸収源」としても認められないのだ。「すでに国内の人工林約1000万ヘクタールのうち、2割程度は吸収源に算入できない」。

伐採後の造林が計画的に進んでいない「造林未済地」は17年度に約1万1400ヘクタールとなり、3年前から3割増えた。

それにしても、この記事の中のグラフは面白い。こんなに騒ぎながら、実際の森林の吸収量は落ちているんだから。林野庁は、これを高樹齢化した森林のせいにしたがるが、そりゃないだろう。たかだか60年程度で高樹齢も糞もない。

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ようするに木を伐りすぎた。二酸化炭素を吸収してくれる木を減らしたのだから吸収源も減ったということ。この10年、日本の森林は二酸化炭素を吸収させない方向に進んできた。いわゆる「卵を産むニワトリを殺しすぎた」状態。カーボンクレジットが成り立たないはずである。森林に投資しようというファンドが現れないはずである。

この点を整理して、ちゃんとクレジットとして成立する面積(1万ヘクタール単位ぐらい?)を100年以上保全し続ける契約をしたら、投資家も動くのではないか。

 

2022/02/20

奈良の伊太祁󠄀曽神社

奈良の大宇陀を訪れた。そこで宇陀松山城跡に登ろうかと思ったが、まずはその手前の春日神社に参拝。

すると、その隅に、こんな祠が。

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祠はしょぼい(^^;)、もとい渋い、いや簡素だが、後ろの2本のスギの木が立派だ。

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根元は、このように癒着しているが、これほどの大木になるまでどちらも枯れずに育ったこともすごい。どちらも樹齢百数十年にはなるだろう。

伊太祁󠄀曽神社とあった。イタキソと読むが、これって、和歌山市にある伊太祁󠄀曽神社の分祀だとある。

イタキソとは、スサノオの子の五十猛命(いたけるのみこと)を祀っていて、高天原から持ってきていた木の種子を、妹の大屋津姫命・都麻津姫命とともに日本中に撒いて青山をつくったとされる神様。最後に木の国こと紀伊の国に祀られた。そして木の神様、植樹の神様になったという。だから木材関係者のお参りが多いのだが、なぜ宇陀に?

宇陀も林業地と言えばそうなんだが……しかも勧進されたのは平成5年とあって、そんなに昔じゃない。林業も下火の頃に祀ったのは、やはり林業振興も神頼み? いや、この2本のスギにあやかろうということか。

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同じ宇陀市には、こんなスギもある。八つ房杉。8つの幹があるというが、八岐大蛇を想起させる。ただ、これも1本の木ではなく癒着らしい。伝説では今を去ること2600ン十年前に(神武天皇に)植えられたというのだが、ま、それはともかく(^^;)。私は樹齢500年くらいじゃないかと睨んでいるが、それでもたいしたものだ。

今の時代、伊太祁󠄀曽神社を各地に祀った方がいいんじゃないか。植樹は早く始めないと先が長いのだから。

2022/02/19

日経に『虚構の森』評

なんということでしょう!

今度は日経新聞の書評欄に『虚構の森』が取り上げられた。短評ながら、根幹を押さえた紹介で、感謝。

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実は、北海道の友人より連絡があって知った。教わらなかったら気づかなかっただろう。

紙面では、こんな感じ。

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日経読者に届くかなあ。書評というのは、ある程度重なるものなんだな、と合点。実は近くラジオ出演も決まった。ここで何を話せるのかわからないが、わたしはいかに『虚構の森』話をツッコムかを考える(笑)。こちらは、またご紹介させていただこう。

 

2022/02/18

奈良新聞に『虚構の森』評

奈良新聞に、奈良まほろばソムリエの鉄田憲男さんが、『虚構の森』を紹介していただいた。

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ありがとうございます。でも、こんなに詳しく引用されたら、本を買わなくても内容がわかった気持ちになるじゃないか(笑)と思ってしまいました。

本書を執筆する際に、もっとも心がけたというか、気にしたのは、一般人は何に興味を引くか、という点である。私がいくら面白いと思っても、読者がそう思わなかったら通じない。本書を手にとる時点で、ある程度の選別はされているとしても、読み始めて面白く感じなかったら途中で止めてしまうだろう。一方で、書きたいこと、伝えたいことも厳然とあるし、それを説明する過程で論文などの引用も必要だから小難しくなるのも覚悟しなければならない。

そのせめぎ合いの結果としての『虚構の森』である。論文を引用するにしても、いかに読みやすく、わかりやすく、関心を引くキーワードを見つけるか。

この奈良新聞の記事を読んで、なるほど、こういう点に驚いてくれているんだな、おや私がつまんないと思って書いたところを引用しているよ(^^;)とか、ここに引っかかったか!と……私もいろいろ考えてしまう。今後の参考にさせていただこう。

驚きの感覚、センスオブワンダーが大切だなあ、と改めて思ったのである。

 

2022/02/17

今頃振り返る、割り箸論争

久しぶりというか、割り箸のことが朝日新聞に掲載された。

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割り箸輸入量の激減を紹介しているのだが、昨秋に、このブログでも紹介したとおり。

コロナ禍の割り箸事情 

Y!ニュース「割り箸こそSDGsなアイテム。…」を書いた裏事情

ただし、数字は違う。拙ブログでは、竹箸が37.2億膳、木箸(その他に分類)は104.5億膳。合わせて141.7億膳。 こちらは、昨秋に昨年の統計として紹介したのだから2020年。この新聞記事は、138億膳としているが、これは2021年か。さらに4億膳ほど減ったことになる。コロナ禍だけに原因を求めていいのかどうか。テイクアウトの場合、箸はどうなっているのかも気になる。

記事で気になるのは、東大の井上雅文教授の研究で、割り箸(端材、間伐材、輸入)とプラ箸の環境負荷(主に温室効果ガス)を比較していることだ。ここでは端材割り箸がもっとも優秀としている。二番手が間伐材割り箸で、次がプラ箸。中国輸入割り箸がもっとも悪いという結果。
ちなみに間伐材というのは語弊を招くが、おそらく細い丸太をみかん割にして箸にする製造法のことだろう。プラ箸を3番手にしているが、洗浄による水質の悪化などの環境負荷も加えたら別の数字も出るかもかれない。さらに塗り箸(木製)はどうなるか。漆塗りはほとんどなく、多くは石油系塗料だと思うが。

この手のデータは、もっと世間に訴えるべき材料ではないか。

私も、これからは割り箸にこだわらず箸全般に目を配りたい。

 

 

2022/02/16

『虚構の森』サライ評

サライ3月号に『虚構の森』の書評が出た。

一応、字面はぼやかしておくが……読めなくはない(笑)。

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サライと言えば、小学館の(現在は)月刊誌だ。テーマは趣味のうんちく雑誌と思えばよいか。旅やグルメなども大きいが、わりとオタク的……いや専門的な知識も含まれる。私も、大昔に一、二度ぐらい執筆したことがあるような記憶があるのだが、何を書いたかちょっと思い出せない。いや、本当に書いたのかな? 当時はビーパルに毎号記事を書いていて、その編集部の隣がサライとかダイム、デニム、ラピタだった。編集者も異動で隣席に移った。だから、それらの雑誌の仕事が舞い込むこともあったのである。今はなき雑誌も多いが、サライは生き残っている。

さて、この書評には著者が「地球温暖化否定」の陰謀論者ではないと書いてくれている。これは有り難い(笑)。実際、地球温暖化否定とか地球環境問題を鼻で笑う人、さらに新型コロナウイルスのワクチン否定論者などが、拙著を評価してくれるケースがあるもので。

いわゆる「ポリティカル・コレクトネス」(政治的正しさ)を嫌う一群がいるのと同じく、環境問題版のコレクトネスを憎悪する人々がいる。脱炭素とか脱プラスチック、あるいは森林破壊反対運動……などを毛嫌いする。ただ感情的な反発だけでは恥ずかしいのか、そんなのは嘘だ、という理論的根拠を求めて、なぜか拙著に目をつける。

まともに読めば違うことがわかるはずなんだけどね。

最後に「自分に都合のよい情報」に惑わされるな、とも書いてくれている。これ、SNSではとくに感じることである。

2022/02/15

書評「ノーコスト林業のすすめ」

『ノーコスト林業のすすめ』(荻大陸著 日本林業調査会刊)を読んだ。

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注目は、著者である。荻大陸氏は、林業経済学が専門の成美大学教授だった人で、現在は森林・林業問題リサーチャー……という肩書になっている。が、私的には村尾行一(愛媛大学客員教授)氏の一番弟子、と言ったイメージが強い。村尾氏は、昨夏みまかられたが、その思想・理論をもっとも強く受け継ぐ人と私は思っている。

実際、東大時代は村尾氏のゼミに属して、一緒に各地の調査に出かけていた。村尾氏の著作は多数あるが、そのデータなどの多くは荻氏とともに集めて研究したものなのである。実際、本書も読んでいいると、文体が村尾節に酷似しているとなつかしく感じたほどだ。
私も、取材では幾度もお世話になってきている。焼畑から始まって中国への木材輸出まで。

目次を紹介するが、詳しいものはJ-FICのサイトへ。こちらでは「はじめに」も読める。

はじめに 
第1章 日本の林業はコストをかけなかった
  〈コラム〉切り札は国民を“休ませる”こと
第2章 もともと間伐はしていなかった 
  〈コラム〉芯持柱と芯去柱 
第3章 生産目標にとらわれない林業へ 
  〈コラム〉製材乾燥から丸太乾燥へ 
第4章 焼畑に対する誤解と偏見を解く 
  〈コラム〉農業と人口増 
第5章 売れる国産材製品とは?─東濃檜が残した成果と教訓─ 
  〈コラム〉ノーコスト林業を阻むカベ 
終章──現役の製品銘柄 
おわりに 

 

さて、ここでいうノーコストとは、近年流行りの低コストとか植えない林業ではない。むしろ日本伝統の林業、戦前までは当たり前にやっていた林業だ。つまり補助金なんかなくても経営できており、十分な利益を出していた状況を指す。それは無駄な切り捨て間伐などはせず、すべての伐採は収入につなげており、常に売れる商品づくりをしていた林業と言ってもよい。

この点は、戦後の日本の林業史をなぞるようなもので、著者の前著『国産材はなぜ売れなかったのか』でも書かれているし、村尾氏の本でも繰り返し登場する。
私もそうした本を何冊も書いている(『だれが日本の「森」を殺すのか』、『森林異変』とか『森と日本人の1500年』など)が、私の場合は一般向きにかみ砕いており、その分説明を端折ったり細かなデータは抜いて書いたりしている。もし、林業および木材産業により詳しく接している、もしくは自身が関わっている人なら、プロ向きの本書をお勧めする。業界誌紙の能天気な記事しか読んでいなかった人には耳の痛い人も多いだろう(^^;)が、きっと目が覚めるだろう。

たとえば間伐材とは何か、という点では、間伐はそもそも収穫なのであって、保育になったのは戦後だという。2章冒頭で建築家の隈研吾氏の言葉を引用して、間伐に関する世間の誤解を指摘しているが、それは先日Yahoo!ニュースに私が記したのと同じ趣旨だ。
さらに芯持ち材も同じ。本来は芯去材だったものが、戦後は芯持にしないと柱が取れなかった事情を知らずに論じてもむなしい。含水率25%ぐらいで乾燥材扱いすることの不合理さもよくわかる。集成材では13%以下にしないと使えないのに、25%で出荷されても困る。また阪神大震災前は集成材を二流扱いしていたのに、今や集成材の方が強度が高いと人気になり、無垢材は半製品扱い……。

そのうえで最新事情にも触れている。一つは広葉樹材の需要増。そして「売り物にならない樹種はない」。これこそ恒続林の思想にもつながると言えるだろう。(あ、ここは月末のフォレスターアカデミーの講義で話そうかな……。)

最後に、東濃檜のブランド化を通じて「当たり前のこと」をするだけで優秀とされる日本の林業の現実を見つめて、それを絶望するかチャンスとするかを自分に問い掛けてほしい。もちろん私は「絶望」だけどね(笑)。

 

 

2022/02/14

北欧林業は見かけ倒れ?

スウェーデン、フィンランド……北欧諸国の林業というと、なぜか憧れを抱く人(林業関係者)が多い。

面積は日本とさして変わらず、森林率も同様。そこで林業大国として知られるからだ。フィンランドにはケスラという大手林業機械会社がある。日本にはホワイトウッドなど北欧材が入ってきて、北欧住宅、スウェーデンハウスなんて名前の住宅メーカーもある。ログハウスも北欧式がわりと人気だ。森と湖の国……というイメージは強い。

もちろん気候や地形などの条件が違うので、スウェーデン式をそのまま日本に持ち込もうとする動きはさほどないかと思うが、研究者や業界関係者の視察団などが多く北欧を訪れる。何を参考にしようというのだろう。日本の皆伐林業を批判すると「北欧だってやっている。それでも北欧は豊かな森があり、健全な林業が営まれている」という“反論”が出る。

本当に北欧の林業は優れているのだろうか。疑問に思った一つは、林地施肥だ。つまりスウェーデンなどでは林業地で肥料を撒いて木を育てていることだ。飛行機で大量に肥料を撒き、樹々を急激に太らせハーベスターで伐採するのだそうだ。

日本でも戦後の一時期、少しでも早く木を育てて伐期を縮めようと施肥が行われたことがあった。わざわざ急斜面の林地にまで肥料を……ときには人糞を撒いたのだそうだ。当時はヘリやドローンもないから人力である。

結果は散々なもので、肥料をやったところだけ徒長成長をして、無駄に枝が伸びたり、幹の強度が弱くなったり、虫害が発生したり……労多くして益少なし、いやマイナスだとされ施肥林業は消えてしまった。

スウェーデンの林地施肥で面白いのは、林地の生産力が高いところに施すこと。とくに伐採予定の10年くらい前にリン酸,窒素などの肥料を与えるというもの。あえて伐採前に急激に成長させ、立木の材積を増やして(経済的価値を高める)から伐採するのだ。貧栄養の泥炭地ではやらないという。日本的感覚だと反対のような気がするが……。
ちなみにフィンランドでは、湿地に水路を縦横無尽に掘って灌漑し、乾燥させてから植林し、肥料を撒くそうだ。当然、湿地の生態系は破壊されてしまう。

亜寒帯で寒いだけに木々の成長は遅いはず。伐期も100~120年と聞いた覚えがある。それでも持続的で生長量より伐採量は少ないというが、それは肥料で太らせているから可能なのかもしれない。
また皆伐施業には、地元でも反対運動が起きているそうである。決して、みんなが納得しているわけではなかった。

そんな育て方をした木々は木材としてどうなんだろう。軟弱な材質になるに違いない。用途の多くが製紙用だから、さほど材質にこだわることはないのかもしれないが。あるいは徹底的に乾燥させ、含水率9%まで下げたら、ブヨブヨに育った材を引き締めるのか。

最高級の木材は、立ち枯れ木なんだそうだ。立ち枯れてから100年200年もそのままの木をシルバーパインと読んで建材としては重宝するらしい。銘木級の扱いで、もはや「幻の木」と呼ぶ。日本に輸出しているのは、どちらの木材だろう。

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フィンランドの森。ケスラからいただいたデータに入っていた。



2022/02/13

Y!ニュース「建築のコンビニおにぎり?…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「建築のコンビニおにぎり?大型パネルが林業を振興する理由」を執筆しました。

ひょんなことから知った大型パネル事情を記事にしたわけだが、これを建築業界事情にはしたくなかった。私もそうした事情に興味はないし、Yahoo!ニュースでも私のカテゴリーは「第一次産業」とか生物科学なんで、はみ出してしまう。そもそも建築工法の話では、Yahoo!ニュースの読者の興味からも遠いだろう。

そこで冒頭に書いたのがコンビニおにぎりだ(^_^) 。

コンビニのおにぎりは、私も以前から興味があったのだ。米で売れないものがおにぎりにすると売れる「価値」の変化も考察に値すると思っている。それに、今やおにぎりは、コンビニの客寄せ商品から外せない。ほかにスイーツや弁当など食べ物系が重要なのである。その商品開発の努力をほかの業界も真似るべきだろう。私も、この際コンビニ・ジャーナリストという肩書を名乗ってやるか。

すると面白いことが起きた。Twitterで、「コンビニニュース速報」などコンビニ業界のアカウントがリツイートしてくれるのだ。タイトルにコンビニと入っていると、自動検索しているのかねえ。でも、実際に中身を読んだらガッカリするだろうな。

とはいえ、マニアックな業界の話題をいかに一般の人の興味に引きつけるかはいつも苦労する。そして、たいていは徒労に終わる……。

ちなみに大型パネルの動向については、今後もウォッチしていこうと思う。大型パネルというのはそっけなすぎて名が体を表していないが、ようは木造軸組大型パネルなのである。オーダーメイド・パネルでもいいか。こうした建築業界の辺縁の動きが、いつか中枢に反響し林業界をも揺るがすかもしれないから、安易に見過ごせない。いつか「ああ、それはとうの昔に把握していたよ」と言って威張るために。

 

2022/02/12

森の中のレール

森の中……というか、正確にはササの中……いや、もっと正確に言えば里山の耕さなくなって周りにササが繁ってしまった畑跡、という気がするが、そこを覗くと妙なものが。

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これ、どう見ても鉄道模型用のミニレール。これがNゲージなのかOゲージなのか、いろいろ種類があるらしく、私にはチンプンカンプンなのだが、わりと大きい縮尺の鉄道模型用だろう。

この土地の持ち主なのか、あるいは借りているのかしらないが、どうせ耕していない土地なら趣味の世界の場所に、というところか。

なかなかよい利用法かもしれない。多分、この手の空間を欲しがっている人はたくさんいるはず。家の中だけでは限度があるし、また常時設置はできずに片づけなくてはならなくなったら面白くない。そして趣味としての利用なら金に糸目はつけないはず(⌒ー⌒)。野外だからジオラマをつくるのは雨風に当たってもよいような本格派にしないと難しいかもしれないが、逆に言えば周りの自然のレイアウトをそのまま使えば本物ぽい。思い存分走らせる場所がつくれる。また、いざとなったら撤去も簡単。

すでに鉄オタ向きのレンタルレイアウト(のスタジオ)があるらしいが、放棄農地などは、この手の利用法を考えてレンタルする商売ができるのではないかなぁ。

 

2022/02/11

日本林業は「法隆寺以来」持続的?

おバカな記事を読んでしまった……。

林野庁が、国際熱帯木材機関(ITTO)を通じて木材生産国での「日本型木材利用システム」の普及支援を始めたのだという。

この、日本型木材利用システムってなんだ? どうも持続的な林業と木材利用を意味している書きっぷりなんだが……。

まず長期間育成して収益を上げられる体制を構築する戦略や、公共建築物木材利用促進法によって低層の公共建築物の木造化を進め、国内消費を促進するためのネットワークづくり。官民で連携して消費拡大への取り組みの経験を踏まえ、協議会設立や利用促進に向けた国家戦略づくりなど。。。

木材生産国(これ、東南アジア諸国を指しているらしい)で都市化が進む中、国内では建築物などに木材が十分活用されていない傾向があり、「早く収入が欲しくて木材が二束三文で買いたたかれる」ので、適正価格で売る仕掛けづくり……。

おいおい。その問題点は、そのまま日本に通じる。補助金と税金で建てる公共建築に法外な木造建築を増やした経験でも伝えるつもりか。林業打ち止めのつもりで木を全部伐って二束三文の金を得て、そのまま再造林せずに放置する林業やっているのはどこの国だ。育ててる待て数百万円かけてつくった森をバイオマス燃料に叩き売りしているのはどこの林業だ。

すでに昨年はベトナムでスタートしており、今年はあと2カ国で始めるというのだが……。
日本よりひどい林業やっている国を見つけて説教垂れるのかい。いっそのこと、ベトナムが短期間に立ち上げて世界中に輸出を成功させた家具産業の極意を教えてもらった方がいいのではないか。

極めつけは、「日本はずっと前から森林の『持続的利用国』。法隆寺以来だ」と来年のG7サミット(日本が議長国)で、紹介したいと林野庁幹部が言ったらしい。

どうして法隆寺が森林の持続的利用なのかわからん。こんなこと国際会議で口にすると、恥をかきそうだ。

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そもそも1400年前、法隆寺を建てる木材をどこから調達したのかわかっていない。ただ当時の輸送能力からすると、遠くではなく近隣の生駒山系か金剛山系だろう。(大和川上流部の飛鳥は、すでにはげ山だった。)そして、これらの山に今は巨木の森はない。江戸時代には木の生えていない草山になっていた。回復したのは戦後だ。全然持続させていない。

ブラタモ「法隆寺」編で考える木材の出所

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これは森林・林業白書に載せている「循環型林業」イメージ図で、これがお好きらしくて林野庁関連の資料にはアチコチに登場する。

だが私は、これが循環型とはとても思えない。環を描いているようでも、その途中で皆伐して森がなくなっているのだから。すぐに再造林したとしても、最低限の森らしくなるのに10年ぐらいはかかる。その間は草原みたいなもので、別の生態系になってしまう。そこに棲んでいた動物や昆虫、草本性植物や苔、シダ、地衣類……などは近所に避難する別の森が残っていればよいが、滅んでしまった可能性がある。一度滅べば、樹木が繁ってももどってこない。そのほか二酸化炭素吸収や木材商品などの描き方にも違和感はあるが、突っこまないでおこう。

 

スギやヒノキ、(ベトナムの)アカシアの木を使ったデザインコンテストもやるとか。まあ、これぐらいが関の山かな。

 

 

2022/02/10

はぐれシカの素性は?

たまに市街地にシカが出没して大騒ぎ、というニュースが放映されるが、奈良では通用しない。

奈良公園とその周辺を歩くと、シカを見かけてもたいした感慨もなく、日常の風景となっている。私もすっかり奈良県民だ……。

が、こんなところでも見かけてしまった。

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これは奈良市でも北の端、京都府に非常に近い住宅街。そこを車を走らせていると、目に入ったのであわてて止めて撮影したもの。奈良公園から何キロ離れているだろうか。途中の道のりを考えても、緑地帯があるわけでもなく……。しかも1頭だからはぐれシカのよう。なんで、こんな住宅と住宅の間の空き地まで入ってきたんだろうね。しかも雨が降っているのに。意外と遠出が好きなのである。

奈良のシカは、記録では大阪の御堂筋で見つかったことがある(角きり跡があったので奈良のシカで間違いないとされる)。もっとも、それは終戦直後で、焼け野原だったから今より野生動物が市街地に侵入しやすかったのか。しかし県境の生駒山地のどこを超えたのかは不明だ。当時は食料難で奈良公園でも密猟が行われたというから、逃げ出したのかもしれない。

一方で、近年は外部から奈良公園へ侵入するシカもいるそうだ。奈良公園に入ってしまえば「神の鹿」になれるから。もしかして写真のシカも、京都の山から下りてきた野性シカかもしれない。京都で追われて、奈良に入ればいきなり神鹿だもんなあ。保護されて、鹿せんべいもらえると知っていれば……。

私も紀伊半島のど真ん中で、完全に野生のシカと出会ったことがあるが、悠然と歩いていた。人間を怖いと思っていない。大台ヶ原でも、人に食べ物をねだるシカがいた。結構すれている。

シカは、人馴れしやすいのである。幾度か人と遭遇して危険なことはなかったら、なめてかかるのだよ。

 

2022/02/09

カイワレの作り方・「やりがい搾取」の農業論

新潮新書の『「やりがい搾取」の農業論』(野口憲一著)を読む。

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本書は、著者の前著『1本5000円のレンコンがバカ売れする理由』の続編だ。「レンコン」本の第1章が、「やり甲斐搾取が農業を潰す」だから前著の1章を拡大したと言えるかもしれない。でも、このタイトルでなんとなく内容がわかったような気になってしまう(^^;)。

目次を紹介。もっと詳しいものは新潮社のサイトへ飛んでくれ。

はじめに
第1章 構造化された「豊作貧乏」
第2章 農家からの搾取の上に成り立つ有機農業
第3章 植物工場も「農業」である
第4章 日本人の仕事観が「やりがい搾取」を生む
第5章 ロマネ・コンティに「美味しさ」は必要ない
第6章 金にならないものこそ金にせよ
おわりに
参考文献

 

で、私が目を見張ったのは、3章だ。植物工場のカイワレ生産を紹介しているのだが、これが感動的なのだ。なんとなくイメージにあるような無人の工場で大量生産……という世界ではない。担当者のあくなき努力が見事なカイワレを生み出しているのである。

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実際、写真を見てもらったらわかるが、伸びたカイワレ(ダイコンの芽)の長さがほとんど揃っている。これはボタン押せばできる代物ではなかった。徹底的な観察ときめの細かな対応があってこその品質維持なのであった。(取材しているのは三和農林。)

そして農業の本質は「変化への対応」であり、育つ環境へどのように対応するか……決してLEDの人口光だけで育つわけではなく、自然光が大切という。種子一つ一つの性質も違う。だからカイワレと「会話」できる感性が必要なのだ。いかに美しい野菜をつくるかという気持ちがないと駄目だという。そして失敗する植物工場とは、そんな感性によるソフトがない工場だそうである。

その姿勢を褒め称えているかと思いきや、この章の最後の1行で「このような農家と消費者が共有する価値観こそが、実は農家にやりがい搾取をしてしまう原因なのです。」と結ばれる。

その後は一気にマーケティング哲学的?な章に移る。そこでは消費者は味なんかよりブランドを買っていることを示す。だからレンコンが5000円(その後1万円とか、5万円のレンコンづくりもしているそうだ。)で飛ぶように売れるのだ。

著者は農家でありつつ、民俗学者だとあるが、むしろ社会学者、哲学者かもしれない。その理論は読む価値が大いにあるよ。

林業、木材もまったく同じ構造に陥っている。私が木材の価値は情報だ、見た目が9割(以上)だと言い続けているのにピタリと符合する。

改めて、農林業のあり方を考えるのにぴったりだろう。

2022/02/08

日本版「退耕環林」はどうなる?

中国には「退耕環林」という言葉がある。これは黄土高原などであまりに農地を広げてしまい黄砂発生など環境破壊になっている地域で、農地を森林にもどそうというものだ。

これと同じことを日本でも行うことになりそうだ。

農林水産省は新年度予算案に農山漁村振興交付金の「最適土地利用対策」に森林化を加えることを決めた模様だ。「最適土地利用対策」とは、市町村などが農地を活用・低コストで維持するための取り組みを国が交付金で支援する仕組み。

現在は、土地利用の計画策定費用のほか、家畜のレンタル代などを支援していた。家畜レンタルというのは、放棄農地への雑草対策をかねた放牧のことだろう。

ところが今度は、農地として維持しづらく将来も利用の見込みがない土地は、森林に還すのも有効利用の一つと考えるというのだ。そのための植林を支援するのも追加するという。

木の苗の購入費や草刈りなど管理費用を全額国費(事業開始年度は上限250万円)で、土地整備などの費用は事業費(1区当たり上限200万円)の2分の1を支援する。ただ採択されるには、市町村や地域協議会が最長5年間の土地利用計画を提出することが条件としている。また植林に当たって農地転用許可が必要らしい。このところはよくわからない(というか、まだ細かく決まっていないのではないか)。

おそらく、これは棚田や段々畑などの山間部の放棄農地を対象としていて、植えるのもセンダンなどの早生樹種を考えているのだろう。センダンなら20年ぐらいで幹直径が30センチぐらいに成長し、しかも材質はケヤキなどの代替になる。ただ施肥が必要だし、それなりの剪定なども行うので山の斜面ではなく、平坦な農地に植える方が向いているとされる。

農水省は、植林により農地に森林が接近すると、鳥獣の隠れ家になって被害の出る懸念が強まるため、間隔を空けて木を植えろとか、妙な注文を付けている。

まあ、早生樹なら早く成長するので、間隔を開けないといけないのはわかるが、獣害を持ち出すのはどうか。むしろ放棄してブッシュになっているところが鳥獣の隠れ家となり、木々を生やして、人も出入りするようになる方が被害防止につながるように思う。

農地で林業! という狙いどおりになるのか。 

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棚田の放棄地に植林されたセンダン。これは植えて1年目。(兵庫県)

 

2022/02/07

ホッケの将来から森を憂える

ふと寄ったお店の鮮魚コーナー(いや干物コーナーか)で見かけたホッケ。ちょっと目を引きつけられた。

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3枚399円とは安い、ではない。その小ささ。20センチくらいしかないのではないか。近年、大型ホッケが滅多に見なくなり、小型化が気になっていたが、さすがにここまで小さいと、別物だろう。身厚なホッケを食す楽しみはない。こんなの一人で1枚とか2枚食べたって、満足できるのか。
そういや隣のサンマの干物も小さい。こちらは3枚299円とさらに安い。

近年はホッケもサンマも不漁だ不漁だと騒がれているが、少しでも量を稼ごうと、幼魚まで漁獲している。だが成熟していない魚を獲ってしまえば、再生産(繁殖)できなくなり、より数は減っていく。不味くなる。価格は落ちる。
サバも、地球の裏側から運ばれるノルウェーサバの方が近海物より美味しい。だって大型で脂がのっているから。国産近海物は小さくて脂がのる前の若輩である。そんな魚を食べても見劣りする。それにノルウェーサバは、単に大きいだけでなく、冷凍技術も進歩しているから長時間・長距離輸送しても味は落ちていない。消費者にとっては鮮度や距離よりも味だ。

今、漁業に必要なのは養殖ではなくて、禁漁だろう。幸い魚類のほとんどは、ほんの5年10年も禁漁にすれば生息数は回復する。それさえ待てないというのは、あまりに近視眼、目先しか考えていない証拠だ。日本の水産業が衰退して当然である。

これを林業に当てはめたら、単に若木(この場合、スギなら40~60年生)を伐るというよりも皆伐で森林蓄積をゼロにすることと同義だろう。再造林率が3割と低い上に、植えても数十年待たねばならない点は、どんどん森林生産力を減らしていることになる。しかも脂ののっていない若魚の味がイマイチなのと同じで、若木の材質もイマイチで高値にはなりにくい。あげくにチップにしたり燃料にしたり。木材生産量を増やしても利益は伸びない一因だ。

価格調整の手段は,何より出荷調整。言い換えると伐採量を調整すべきだろう。ウッドショックは、木材価格を上げる方法を教えてくれたようなものだ。不足したら値段は上がる。B材C材も安売りしないで、加工に工夫してA材と同じように使いだす。これを意図的に行うことだ。

でも、漁師が幼魚も水揚げするように、林業家も少しの高値で我先へと木材を生産して、結果的に価格を落としているんだろうな。 

 

2022/02/06

我がゴルフ場論、再燃人気

私はちくま新書から『割り箸はもったいない?』と『ゴルフ場は自然がいっぱい』の2冊を出しているのだが、このところ、どちらも再燃気味。

割り箸関係は、すでに紹介したが、昨秋Yahoo!ニュースに書くなどしてから、SDGs関連で何かと問い合わせが来るようになった。

そこに、ゴルフ場関係も昨年から急に取り上げられるようになったのである。

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ゴルフ場に自然はあるか? つくられた「里山」の真実』は、電子本。『ゴルフ場は自然がいっぱい』の改訂版である。
この本は、環境面からゴルフ場里山論を唱えた画期的(笑)な本で、おそらくこの点からゴルフ場批判を論理的に蹴散らし、ゴルフ場の可能性を示した初めての本であり、論だと自負している。ただ、ゴルフ人口そのものが不景気と高齢化による減少が進む中で人気がしぼみがちで、本書も忘れられつつあった。

ところが……。

まずは、昨年11月に栃木のゴルフ場での講演依頼があった。ゴルフ場敷地内の森林を整備するNPOがあって、そこがゴルフクラブと連携協定を結んだのだ。おかげでゴルフ場内のホテルに宿泊v(^0^)し、ゴルフ場の野外で講演。なかなか面白い経験だった。

さらに、そことは関係なく、別のゴルフ場勤務の人から拙著を読んで感激したとの手紙を受け取った。その人もゴルフ場内の自然に目覚め、なんとゴルフ場を使った乗馬クラブを運営しているとか。

さらにゴルフ雑誌から取材の依頼。これは対面の予定が土壇場でzoomになってしまったのだが……。

そこにまた別のゴルフ雑誌から、10年以上前に書いたゴルフ場に関する記事を、今度出版するゴルフの本に収録したいという連絡が入り、大幅に加筆修正して渡した。おそらく来月出版されるだろう。ゴルフダイジェスト社のチョイス選書シリーズ「3分間教養」というのだそうである。

そして締めは、『ゴルフ場に自然はあるか? つくられた「里山」の真実』の印税が今頃振り込まれた\(^o^)/。これ、電子本なのでまとまって支払われるのではなく、売れた分だけたまに振り込まれる。まあ、わずかだが、もう出版後長く経つので売れなくなっているだろうと思っていたから「お小遣いがもらえた」的に嬉しい。電子本には、こういうこともある。

ちなみに割り箸に関しても、昨日さる関係筋から連絡があり、今度面会することになった。それが新たな動きになるかどうか。。。

割り箸本に、ゴルフ場本。なんだかリバイバル人気だ。どちらも続編書こうか(笑)。

でも、筑摩新書からは「再版しましょう!」といった話は来ないなあ。。。

2022/02/05

明治神宮の森の切り株

明治神宮を訪れて目立ったのは、林内にかなりの切り株があったことだ。大規模な?伐採が行われたに違いない。

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3_20220205110701 芯は幾つあるんだ?

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極めつけは、この切り株。道の真ん中にある大木が伐られたらしい。

なぜ伐られたのか。別に確認したわけではないが、まず理由の一つは虫害だろう。断面をよく観ると虫の穿孔が見つかる。ナラ枯れぽいのもあった。ほかに風倒の恐れありと見られたものもあるのではないか。

明治神宮の森は人が手を入れずに原生状態と言われるが、そんなことはなく、ちゃんと整備されているのである。

で、伐られた木はどうなるか。売店では箸や木のグッズも売られていたが……。

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南参道の入り口付近にある「杜のテラス」。これは、神宮内で伐られた木を使って建てたそうだ。施工はオークヴィレッジ。実は、BS11「next company」で共演しました(^^;)。

 

2022/02/04

明治神宮一の鳥居建て替え

東京では、午前中に空き時間があった。お昼からは約束を入れたのだが、午前中は人に会いにくい。とくにコロナ禍では……。格別の用もないのに訪ねにくいのだ。それに人と会えば話すし神経を張るから気ぜわしいし本番の午後の予定に響く。かと言って、ホテルでダラダラしていても仕方ないし、どこか行くところはないか……。

しかし見学する施設や買い物ずくような店は、たいてい10時、10時半開館開店ばかり。それでは、移動時間も含めると昼までの時間が少ない。どこか遠くでなくて時間をゆったり過ごせるところ……と思って地図を見たら明治神宮があった。

明治神宮は折に触れて参拝している。その度に森の様子を見て遷移を感じられる。

というわけで向かった。が、こんな様子であった。

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この写真を見て気づくか。元はこうであった。(2012年撮影)

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一の鳥居がなくなっている。そうなのだ。実はこれを見るのも目的として思いついていた。一の鳥居の建て替えが始まっているのだ。前の鳥居がそんなに傷んでいたのかとも思うが、あの巨大鳥居を建て替えるシーンを見られたら、あるいは新しい鳥居を目にしてみたい。

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明治神宮鎮座一〇〇年祭だったのだね。その仕上げが鳥居建て替えである。

なんとか見られないかと覗き込む。

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木々の隙間から見えるのは、撤去された一の鳥居の台座部分か。

春には新しい鳥居が設置されるのだろう。その鳥居は、吉野杉でつくられたもののはずだ。6年も前から準備を進めてきた。

明治神宮の鳥居建て替えに立ちふさがる難問

ついにスギによる鳥居が誕生する。それはそれで楽しみである。

2022/02/03

4日間の東京遠征と落とし穴

オミクロンの海を泳ぐように、4日間の東京遠征、終わりました(^^;)。

なんだかんだで忙しかった……というか、忙しく動き回っていた。たっぷりコロナウイルスを吸い込んだかもなあ。

初日は、すでに報告したようにBS11の番組に出演。残念ながら放送時は酒に酔って見るのを忘れてしまった。あわててテレビのチャンネルを合わせたらちょうど終わるところだったという……。収録なんだけど、生扱いで、まったく編集なしで放送する。CM時間もそのまま空ける。というので、それなりの準備をしていたのだが、なんと時間がなくなり(おそらく5分以上)、最後の「提言」まとめ部分がカット。いきなり、「あと30秒でまとめてください」と示されたので焦ったのであった。

ところでスタジオでは、バックがグリーン。だが放映時には、本棚などが並んでニュース番組らしいスタジオが映っていたはずだ。なるほど、合成だったのか。だからグリーンのものを身の回りにつけないでくれと言われていたのだ。

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そしてモクコレ講演も、スタジオからのライブ発信。こちらはバッチリ時間内に収めてみせた。こちらはアーカイブも見られるようだ。

モクコレ・セミナープログラム

ただ味気ないのお。青山のスタジオに入ると、放送関係者は、モクコレとは基本的に関係ない中継スタッフという感じで、てきぱきと中継し、終わったらさっと解散なのであった。会場参加者もいないし、同じ講演者とも出会わない。

今回の収穫は、こうした仕事とは別に帰る前に寄った、国立科学博物館で見かけた展示。

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なんと日本には世界最古の落とし穴があるのだ。それも何百と。愛鷹山、箱根山麓には3万年前の落とし穴の遺跡がたくさん見つかっているのだという。落とし穴猟というのが、一般化していたことに感動。ここが私の琴線に触れた(笑)。

ちなみに私が落ちた穴は、腰痛を引き起こしたことかな。。。。

 

2022/02/02

植物園で考えた

パロボラッチョという名前のようだ。日本的にはトックリヤシと名付けた方がわかりやすい。

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大坂の鶴見緑地にある咲くやこの花館(植物園)にあったのだが、思わずこの木の断面はどうなっているのか、そして材質はどうなのか気になる。ヤシの仲間だから、一般の木々のような材ではないだろうが、繊維質で硬ければ使い道はあるかも……そしてこの形を利用したら、なんか素敵なインテリアにならないか……と考えてしまった。

こんな発想で眺めてしまうのは、もはや悪い癖。病気だわ。

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ちなみに先日まで、ここでは「POPなキノコ展」が開かれていたのだが、文字通りポップであった(笑)。あまりキノコについて学術的に展示しているというよりは、キノコグッズが多数展示販売されているのだ。キノコ標本よりキノコアートの方がメイン。

今どきの博物展示も、試行錯誤しているのかしらん(^_^) 。

 

 

2022/02/01

私の職場

ふと何気なく、スマホで地図を見て、現在位置の周辺を繰っていたら、私の職場が出現した(゚д゚)。

Photo_20220128114601

車で10分て、、、道ないし。でも生駒の山麓公園の近くなのか。ここは最近行っていないように思うのだが。

ちなみに私の「本当の」職場で発見した木。

20220127_135336

どんな経歴でこんな風に曲がったのか。そして立ち直ったのか。その生きざま?を考えるのも私の仕事(^^;)。

 

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