ガソリン高騰と値引きモデル
ウクライナ危機で石油価格の高騰が予想されている。当然、ガソリン代も上がりそうだ。私は、主に自宅からもっとも近い、セルフのガソリンスタンドで入れているが、そこは県内でもかなり安い方の店だ。
ちなみに現在はレギュラーガソリンが169円だけど、プリペイドカードを使うと166円。ただし常連(月に一度以上給油)すると、QRコードにより2円引きだ。それに私は5円割引カードを持っているので、合計7円引き。今日は159円で給油した。
この5円割引というのが曲者で、昨年末、車検をうちでしてくれたら最長2年間、ガソリン代5円引き/ℓにしますよ、という案内が来たのである。ちょうど車検時期を迎えていた私は、あっさり申し込んだ。おかげで市場価格から10円、通常の支払いと比べても7円引き。なかなかお得感がある。
で、どれだけ値引きになるか年間で考えてみた。私は約2週間に一度くらい給油していることから年間のガソリン消費量を推計し、それが5円引きなのだから、年間3000円~4000円ぐらい安くなった計算か。それを2年間とすると、その2倍の金額を値引きされたことになる。ガソリンスタンド側はこれだけの額を車検の請負いで元が採れると計算したのだろう。車検代でとくに暴利をむさぼっているようには感じなかった(それどころか1日車検で早かったし、ティッシュを段ボール箱ごとプレゼントされた)のだが、総体で利益が出る構造を築いていると見える。
今の時代、ガソリンや灯油、軽油だけを売るモノカルチャーでは利幅が薄くて商売にならないのだ。多様な販売品・サービスを絡めて顧客を囲い込むことで収益確保するビジネスモデルに移行している。これは他の業界でも一緒だろう。どんどん効率化という名で利益を削ぎ落としているから、単体では満足のいく利益を確保しづらい。そこで複合経営的にならざるを得ない。
もちろん、多角経営の仕方によってはコストを増やしてしまって元の子もないが、あの手この手が囲い込む。
それで思うのだが、世の中、分業化の弊害が出てきたのではないか。
もともと需要が伸び盛りの時代では、生産を分業化して効率アップを図る方が儲かる。しかし縮小局面では、分業によって各部門に情報格差が生まれ、それが効率を落としたり、ロスを出す。さらに部門ごとに利益の取り合いが起きて、自分のところを少しでも多くしたいと邪な思いが適正配分を怪しくなしてしまう。それは不信感を呼んで行き詰まりがちだ。挙げ句に分業の一角が崩れると、全体のビジネスが成り立たなくなる。
業界の縮小は、単に業者が減るだけではなく、多角経営できるか、分業していた部門が適切に協働できるか否かが生き残りの決め手のように思える。
なんのことかって? もちろん林業と木材流通のこと語っているんだよ( ̄∇ ̄) 。
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