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森と林業の本

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2022/02/25

ロシア侵攻を聞きながらの授業

昨日のロシアのウクライナ侵攻。そのニュースを聞いたのは、吉野のフォレスターアカデミーだった。森林や林業について語る合間にスマホに流れてくる情報。雪降る窓の外を眺めながら、日本とウクライナの間に開いている2万キロぐらいの距離を考える。

ただ、まったく違う世界と言えるかどうか。実は吉野にもウクライナ人が住んでいる。それも川上村の奥の集落に。彼女は、このニュースを聞いて何を考えているだろうか。以前、川上村の秘祭を見学に行ったら、ウクライナ人がいたのでびっくりした(^^;)。ウクライナには大学に日本語学科もあるそうだ。そういえば吉野では、以前、観光案内所を訪れて名刺をもらったら、ギリシャ?的な名前で驚いた。明日香村でお寺の住職をしている外国人にも会ったことがある。意外と田舎にも外国人は多いのである。

地球の裏側で見知らぬ少年が交通事故に遭ったと聞いても興味はわかないが、その少年は日本が好きでメール交換していたら。あるいは少年のおじいさんが日系人で、自分の故郷出身だったら。いきなり身近になるだろう。遠い外国も、人脈によって引き寄せられる。世界は狭く、密接になっていると感じる。

そんな中、私はアカデミーで林業を論じる(^^;)。

内容はともかく、私の狙いは学生を悩ませること。答を求めるのではなく、自分で考える癖をつくること。それも長期的な視線で考えること。自分の進路、林業の未来を考えてくれ。政府は何も考えていないみたいだけど。自分の立場しか考えないみたいだけど。

ところで、ウクライナのゼレンスキー大統領の外交下手は前から感じていた。わざわざロシアを怒らせることばかりしているのだ。クリミア奪還を声高に唱えたり、親露派を政権から追放したり。(アメリカも望んでいない)NATO加盟を持ち出したり。
日本も近隣の北朝鮮がミサイルをぶっ放したら大騒ぎするし、アメリカも喉元のキューバにミサイルが配備されたら慌てふためいて海上封鎖まで行った。ウクライナにミサイルが配備されたらロシアも怒るだろう。とはいえ、プーチン大統領も意外と外交下手を感じる。瀬戸際外交のはずが瀬戸際でなくしてしまっている。その点、北朝鮮の方が上手い。
もっと練達の外交通はいないのか。このままでは落としどころがまったく見えない。

そこで、あえてロシアをこんな切り口で眺めてみた。「ロシアは世界で最大級の軍事力を持つ」という言葉が気になったのだ。たしかにアメリカに次ぐと言われているが……。

ロシアの国力をGDPで調べてみる。世界の名目GDP 国別ランキング・推移(IMF)

単位は米ドルだが、1兆4785億7000万ドル。世界11位だ。これは10位の韓国より1割以上劣る。意外なほど小さかった。ちなみに日本は5兆ドルを越えて世界第3位である。アメリカは21兆ドル、中国は14兆ドル。なおウクライナは55位。1553億ドルとロシアの10分の1だ。

ロシアの経済は、ほとんどが石油とか天然ガスなど1次産品に依存しており、脆弱だ。そして、これから西側の経済制裁が始まる。将来的には破綻しかねない。中国がそれに取って代わって支えられるとは思えない。こんな財政だと、戦争の継続は厳しい。

軍事費を調べると、2019年版ではあるが、440億ドルしかなかった。アメリカは7160億ドル。ちなみに日本は470億ドルでロシアを抜いていた (@_@)。まあ、軍事力は金額だけではないが、核兵器に頼るしかないのは北朝鮮なみ。世界の軍事力ランキングトップ25

ゼレンスキーは、そしてプーチンは、長期的視点を持っていたのだろうか? 侵攻後の落としどころを考えているのか? 目先の感情と損得で動いたのではないか? それでは日本の林業の二の舞を踏むぞ。

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アカデミーで授業

 

 

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