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森と林業の本

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2022/03/23

古墳の植生を覗きたい

最近はできる限り毎日ウォーキングするよう心がけている(ようするに散歩)が、このほど歩いたのは奈良市北部の佐紀路の五社神古墳を巡るコース。

推定長267メートルもの巨大前方後円墳だが、宮内庁は狭城盾列池上陵(さきのたたなみのいけのえのみささぎ)」として第14代仲哀天皇の皇后である神功皇后の墓と治定している。なんと70年間も大和王権に君臨して実質政務を執っていたという不思議な女性だ。ただ天皇ではないおかげ?で、この古墳は発掘調査が行われている。

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実際、この古墳には、わりと入り口がいくつもあるんだよね。もちろん、柵はあってすぐに乗り越えられる……いや、私は乗り越えていないが、わりと簡単な柵で、しかも奥へ続く道も見える。あの森の中には道があるらしい。

天皇陵は、安寧のためとやらで発掘もできないが、ここなの発掘記録は貴重だろう。実際、埴輪なども発掘されたようだ。

考古学的なことはおいておき、古墳の生物調査は行われていないのだろうか。古墳、とくに天皇陵は神聖不可侵……と思われがちだが、実は江戸時代までそんなことはなく、どこの古墳も地元民が入って木々や草の収穫をしていたようだ。なかには畑を作っていたケースもある。

明治になって立入禁止になり、わざわざ植林も行うようになるのだが、その後は基本的に手を付けていないはず。ならば植生遷移の見本地として貴重だと思うのだが。

100年、150年も放置されているのだから「潜在自然植生」とやらも成立しているかもしれないし、そうでなくても自然に周辺から種子が飛んできて成立した植生って興味ある。もしかしたらレフュージア(生物種の退避地)として、地域では絶滅している希少な草木や昆虫種などが、古墳丘の中に繁殖している可能性だってある。

発掘のように地面を掘り返すわけじゃないんだから、宮内庁もOKしてくれないか。

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こちらは近くのウワナベ古墳。この地域最大の古墳だが、応神天皇の娘、仁徳天皇の皇后である八田皇女の陵墓参考地となっている。で、こちらも発掘調査は行われた。

よく見てほしいのだが、この木々、どう見てもヒノキだろう。しかも植林した様子がありあり。古墳の中に植林して、どうするつもりなんだろう。木材を収穫するつもりだったのか、あるいは植える苗がスギとかヒノキのような針葉樹しかなかったからなのか。

 

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