城跡林業? もったいない伐採
高取城に出かけてきた。場所は吉野や明日香村に隣接した奈良県高取町である。知る人ゾ知る、日本3大山城の一つで、かつてテレビ番組で「日本最強の山城」認定を受け、それを町おこしネタにしている城(^^;)。
たしかにトンデモな山奥の高い峰に、なんでこんな大きな縄張りをしたんだ、というぐらいの巨大城郭である。天守閣も大小2つあったようだ。山城というより近世平城の規模と内容を誇る。
で、本丸の一角から下を覗き見たのだが……。こんなものが見えた。
なんだか丸太の山。それも細かく刻まれている。そこで現場まで下りる。
こんな感じ。直径80センチ級のスギを何本も伐ったのだろう。伐って刻んで、このように並べたのは、林業家の仕事だろうな。
デカい城跡でインカ遺跡並の石垣が幾重にも連なっているが、不思議なことにその石垣の上の郭などにはスギがぎっしり生えている。おそらく植林したのだろう。さらに、そのスギから種子が飛んだのか天然性のスギも多い。そして太く育ったものも少なくない。が、育てば、石垣を破壊するのである。それで伐採して史跡を守るわけだ。
こんな伐採木もあった。
これは直径1メートル級。長さもそこそこあって、材質もそこそこ。吉野に近いが並材だろう。でも太さと材積を考えたら悪くない。
それらが使われないまま、刻まれるののは残念だ。まあ、搬出が極めて難しいのは間違いないが。それに国有林で史跡となると、持ち出しも法的に難しいか。
もともと城跡に植林しちゃった時点で、どうなの?と思わぬでもないが、もったいないなあと感じたのであった。
余談ながら、先日明石城跡の石垣保護のための伐採が市民の反対で止められた(知事も素人判断して、止めさせた)が、知らないよ。樹木はどんどん育って石垣なんかすぐ破壊するからね。
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