切り株の上のロストワールド
ふと見かけた切り株をパチリ。
何の木かわからないが、伐られて?その切り口が腐食して、樹皮面と芯だけが残って内部は腐り落ちた……というところだろうか。
ちなみに以前「切り株の上の生態系」シリーズというのをやっていて、切り株の面にいろいろな植物・菌類が生育しているのを撮っていた。切り株は地面より少し高いので、周辺の植生などの生態系とはちょっとだけ隔絶した場所である。そこで偶然のように飛んできた種子やす胞子などが発芽して育ち、そこに昆虫なども集まり、新たな生態系をつくっているのが面白かったのである。
これなど切り面が落ち込んで内部に別世界が広がっているかのよう。
思えば、周囲より高く競り上がっていて隔絶されていると言えば、ギアナ高地。そこを舞台にコナン・ドイルが執筆したのが「ロストワールド」である。そして実際には世界各地に地面が陥没して深さが100メートルを越すような穴が開いている世界もある。そこもロストワールドと呼ばれるのだが、恐竜はともかく見慣れぬ生命体の宝庫とされ、動物も植物も珍種・新種が見つかっている。
この切り株も、小さいながら競り上がって、その中で陥没しているのだから、二重のロストワールドだ。ちなみにそうした世界も地球上には見つかっている。たとえば八丈島の八丈富士の噴火口などは、登った山の頂上が噴火口として陥没していて、その中に森林ができている。ほかにもボルネオ島のキナバル山にも、標高4000メートル級の尾根に深い垂直の谷があり、その下には森林がある。
昔、探検に行きたかったんだけどなあ。それでソロモン諸島のシンボ島のパツキオ火山にも火口洞窟があると知って、出かけたのであった。
これ、なんとか火口を下りて底から上を見上げたところ。直径60メートル、深さは10数メートルぐらいか。今思えば、切り株の穴から見上げると、こんな景色なのかしらん(笑)。この底より、さらに洞窟をもぐって火口深く侵入したのであった。そこで見つけたのは……!!
一説によると、体長数メートルの馬の顔をした巨大コウモリであった!!(「伝説になった日本人」より)
当時は夢があったよなあ。悲惨だけど、楽しかったなあ。ミクロであっても、隔絶しているところには別世界が広がるのである。
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