『林業遺産』にダークな遺産を
東京の三省堂書店で見かけた本。
その名も『林業遺産』(東京大学出版会)。
思わず手にとって、「資料用に購入しようかなあ」と思って価格を見ると、6930円。すぐ書棚に戻しました(笑)。
というわけで購入しても、読んでもいないのだが、一応目次を紹介しておく。
【主要目次】
序章 林業遺産とは何か(柴崎茂光)
第I部 林業遺産の概要
1章 林業遺産の分類と価値(平野悠一郎)
2章 林業史からみた林業遺産(脇野 博)
3章 林業遺産の分布状況(柴崎茂光・深町加津枝・奥山洋一郎・八巻一成・奥 敬一)
4章 林業遺産における森林博物館の意義(奥山洋一郎)
第II部 林業遺産の保全と活用
5章 北海道の林業遺産の特長と活用(八巻一成)
6章 屋久島の林業遺産と文化・歴史的価値の変遷(柴崎茂光)
7章 森林鉄道の現況と保存の諸形態(武田 泉)
8章 森林鉄道を活用した地域振興(奥山洋一郎)
9章 越前オウレン栽培技術の文化的価値(奥 敬一)
10章 北山林業地域の景観変遷と新たな価値(深町加津枝)
11章 ウルシ生産と漆掻き技術の継承(林 雅秀)
12章 史料遺産「林政文庫」の保全と利用(竹本太郎)
終章 持続的な林業遺産の保全と活用を目指して(柴崎茂光・八巻一成)
日本森林学会が認定するもので、拙ブログでも折に触れて林業遺産に指定されたものを紹介しているが、すでに45が選ばれているらしい。ただし2020年まで。昨年は、コロナ禍で調査選定できなかったのかな。ただし、候補は応募から選ぶようだから、地元の有志が資料やら何やらを揃えて提出しなければ審査対象にもならないみたい。(詳しくは知らない。)
また、林政資料はあるものの、今もそれを実践している土地がある、あるいは名残が見られる……とは限らない。資料だけで終わったものも遺産になっている。
だから逆に、身近な林業関係の資料を元に応募してみるといいのではないか。地図で見ると、中国や九州はまだ手薄い。切り口変えたら、なんでも貴重に見えるヾ(- -;)。
ただし、どこまで増やすかだよなあ。毎年幾つか認定していたら、遺産とするものが、そんなにたくさんあるのだろうか思ってしまう。
いっそ、失敗して自然破壊をした林業のようなダーク遺産も認定したら斬新かも。ネタはいっぱいある。大規模皆伐地とか。複層林施業地とか。数千万円の補助金で購入して、年間稼働日数4日だけの林業機械とか(^^;)。
ダークツーリズムと提携して、「人はいかにして自然を破壊せりしや」を学んでもらうと、遺産も大いに役立つのではないかねえ。
ま、そんなことを思いついたのは、高すぎて手の出せない本への恨みか(^_^;)。
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