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森と林業の本

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2022/05/24

アーボリカルチャの先駆「木おろし」

香川に徳島、そして淡路島と巡って忙しいというか疲れているのに、あえて出かけたのが、国立民族学博物館。

前々から行こうと思いつつ、何かと雑用にまぎれて後回しにしていたら、もはや目当ての企画展が終わってしまう (゚o゚;) と気づいて、無理して行ってきた。

「焼畑~佐々木高明の見た五木村、そして世界へ」である。焼畑の世界には、まだ未練があるのだ(^^;)。

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これは主に五木村の焼畑を追いかけた佐々木高明の研究を紹介しているのだが、それについてはまた別の機会に。それよりも、焼き畑から若干離れるが、五木村にあった林業技術「木おろし」に驚かされた。

これは、大木などを切り倒さずに枝を打つことで焼畑を行う面積を確保する方法なのだが、人が木に登って枝を切り落としていく。が、それをいちいち登ったり下りたりするのは大変なので、次々と木から木へと飛び移りながら行うのである。朝登ったら夕まで下りてこない、なんてこともあったそうだ。そして使うのがロープではなく、返しのつけた木の竹竿。

ピンとこないかもしれないが、古文書の絵にも残されている。

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そして、会場にはミニチュアのジオラマがつくられていた。

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これって、今の特殊伐採、いやアーボリカルチャに近い。アーボリでは、枝だけ伐ることも多い。

まあ、今のロープテクニックを駆使したアーボリのような安全性はないのだが、伝統的な木登り・木渡り施業技術だろう。ぶり縄だけではなかったのである。むしろ棒で行うことに驚嘆する。
しかも、展示によると「木おろし」に近い木登りして枝打ちをする技術は世界中にあるらしい。日本だけではないという。大木を根元から伐るばかりが能ではないのだ。

調べてみると、なんと動画が残されていた。民族文化映像研究所の記録フィルムである。

なお、この展示では、焼畑とSDGsを関連づける説明もあった。焼畑は、森を焼くから自然破壊的に見られるが、実は木を伐って燃やして作物を育てた後は放置して元にもどす循環がある。常畑のようにいったん森を切り開いたら元に戻さず農地を続けるよりサーキュラーエコノミーであり、自然に優しいのである。私が追求したい焼畑は、こちらの世界観だなあ。
蛇足ながら、久しぶりに行った民族学博物館。結構、展示が変わっていてまごついたわ。そして、焼畑コーナーにやたら熱く、詳しく焼畑を解説している見学者がいて、どうも研究者かな。思わず口を挟みたくなった(笑)。

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