里山を襲う「竹害」
このところ、東京に行ったり、自宅での用が多くて、なかなかタナカ山林に足を運べなかった。
この季節、竹の伸びが早いから頻繁に行ってタケノコ堀りをしなければならないのである。今年は成り年らしく、かなりの数のタケノコが伸びる可能性がある。過去、100本以上掘ったこともある。竹林ではなく雑木林なのに。
もちろん、全部食べるのは不可能だが、周囲に配るなり、掘って捨てることさえあるのだが、とにかく掘らないとタケノコは竹となり、静かに勢力を拡大する。竹が林立して葉を広げたら日陰が増えて枯れる木も出るだろう。土の養分を吸い取って樹勢を弱める可能性もあるだろう。広葉樹が竹に静かに置き換わっていく。そして気がつけば雑木林が竹林に変わってしまうのだ……。もはや侵略ドラマ並なのである。
そこで、今日は久しぶりにタナカ山林に駆けつけたのだが……掘る時間はないので様子を見る程度のつもりだったが……。
なんと一面に丈が1メートル以上のタケノコ(というのか?)が林立している。なかには2メートル以上のものもある。これはマズい。掘るよりも何よりも、伸びたタケノコもどきを蹴り倒す。まだ柔らかいので、一撃で折れるのがちょっと楽しい。蹴る次は、パンチ!も浴びせる。突き、蹴り、体当たり!!!
かなり成敗した。まだ頭頂部を出しただけのタケノコもかなり見つけたが、掘るヒマがない。こちらは明日以降の楽しみに取っておこう。
そして、かつてデッキを築いたところに行く。以前は、このデッキを元に森遊びをしていたのだが、時代とともに古くなり、腐ってきたので解体中の代物だ。このまま土に帰すことも考えているのだが……。ぎゃ。
デッキの板を突き破っているタケノコがあった……。板はもともと腐って釘も緩んでいたのだが、見事に突き抜けるとは。
それに背後に見えるさらに伸びたタケノコ、いや、もはや竹は、高さ3メートルを超えているぞ。
根元を見ると太い。棹は直径20センチ級だ。
こうなると、竹害と名付けてもいいのではないか。新たな自然被害を「竹害」として宣言する。せっかくだから商標登録しようか(なんで?)。
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今晩わ。「虚構の森」を拝読しました。森に関してのジャーナリスティックなところが大変気に入りました。本での終わりにの「行列の後ろを見るために」とはじめにの「そして伝えたかったのは」が真実を伝える気持ちがよくわかり共感します。
人間の知らないことが多くあるのはわかります。歴史の中で築いてきた科学は、知らないことを知りたいという人間の資質・性から出てきているので生きている限りその欲望は無くならないように思います。
ただ最近の科学では日常生活での肌で感じる科学と、人間の知り得た知識での数学で極小から極大までを知ることになりました。その日常と数学でのギャップをまだうまく埋めることができないのと、それを制御することができないのが問題だと考えています。
田中さんのこれからの記事を楽しみにすることにしました。ありがとうございます。
投稿: 田中 淳一 | 2022/05/03 21:56
拙著をお読みいただきありがとうございます。
ひたすら文献を読みながら書き上げた『虚構の森』ですが、その合間に身体感覚を取り戻すために森を歩き自然界の営みを肌で感じていました。その融合作品とお思いください。
そんな中にタケノコ堀りもあるのですが……(^_^) 。
投稿: 田中淳夫 | 2022/05/03 23:32