長官が技官と事務官が交互の理由
官僚人事なんぞ、興味はないのだが……。
林野庁は、6月28日付けで幹部人事異動を発令した。昨年(2021年)7月から長官をつとめてきた天羽隆氏が退職し、次長の織田央氏が長官に昇格。次長には林政部長の森重樹氏が就いた。
林野庁長官が1年で交代した。通常3年と聞くが、それが2年になったりもしていたのは見聞きしていた。で、今回は1年。
何を基準に、誰が決めているのか。一応、人事権は内閣府にあるのだろうけど。
1年だと、まったく何もできないだろう。やったように見えるのは、その前からの引き継ぎ案件だろうから、当人の手がけたものと言えない。まあ、長官の肩書をつけるための就任なのかなあ。退職金も増えるだろうし。あんまり就いた職に入れ込むと飛ばされる、とも聞く。
新長官の一応の経歴は、「東大農卒。88年農水省に入り、林野庁森林整備部長、国有林野部長などを経て21年4月次長。59歳。長崎県出身。」とのこと。農学部卒ということは、技官なのか。前職天羽氏は事務官だったから、一応は事務官(法学部出身)と技官(理工系出身)が交互に勤めるという慣例は続いているよう。
戦前は、すべて事務官出身者が要職に就いていたと聞くが、GHQが林野関係には技官が勤めるべし、と指導したらしい。それでしばらく技官出身者が林野長官になるのが続いていた。技官がトップになれる希有な部署とも聞く。が、いつからだったか、交互交代になった。そのうち事務官一択になるかも。
やっぱりハゲタカならぬ外資、いや進駐軍がいないと変わらないのかなあ。で、いなくなると、こそっと、もとに戻す。。。
ちなみに同時に農水事務次官も変わっている。枝元真徹事務次官が退任し、後任に横山紳官房長を、官房長には渡辺毅水産庁漁政部長が就く。なお女性初の農林水産審議官である新井ゆたか氏は消費者庁長官に転任。女性が農水関係の幹部にはならなかったか。
ま、どうでもいいか。
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役員人事は政治学・行政学の研究対象です。ポストのぐるぐるまさし、長い目でみると一種の共有化で団体としての利益の最適化をはかっているのでしょう。ムラ社会ではよくあります。
投稿: 岡本哲 | 2022/06/30 11:11
役員人事は政治学・行政学の研究対象です。ポストのぐるぐるまさし、長い目でみると一種の共有化で団体としての利益の最適化をはかっているのでしょう。ムラ社会ではよくあります。
投稿: 岡本哲 | 2022/06/30 11:15
官僚の人事が政治学や行政学のテーマになっているんですね(笑)。
たしかに、何のため、という面が見えてこない。理由は後付けで、慣習的に短期間でグルグル回しているだけに思える。情報体験の共有化と言っても、専門分野をつくらず低次元で留まってしまいがちでしょう。しかも視点が短期間で長期計画がつくれない・つくっても次の担当が無視する。
投稿: 田中淳夫 | 2022/06/30 21:50