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森と林業の本

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2022/06/01

北海道フィンランドのセミナーに参加してみた

今週、そして今日は、「北海道フィンランドウィーク~林業デイ~」なんだそうだ。北海道でセミナーが開かれている。

そこに参加してみた。「にわかフィンランドおたく」としては外せないではないか。もちろんウェビナーだが、午後5時間にも及ぶ長場である。パソコンの前で結構自由に振る舞っていたが(ストレッチしたり、せんべいとお茶をバリバリかじったり……)、ヘトヘトになった。

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しかし、北海道がフィンランドと連携しているとは知らなかったな。ただ気候は近いし、人口も似ている(北海道528万人、フィンランド550万人)。国土面積や森林面積などは日本と似ているといわれるが、北海道に絞るとより近いのね。
奈良県が、スイスと似ていると言って提携したが、北海道はフィンランドにロールモデルを求めたわけか。

セミナーの内容は、林業一辺倒ばかりではないのだが、最初に紹介されるフィンランドの林業は、機械化などはるか昔から行われており、今やデジタル化が進んでいる。ハーベスタが樹木を伐った途端に、その丸太の材質が工場に送られて需要のマッチングが行われる……なんて聞くと、日本の林業の決定的な弱点である情報ブツギリ流通をあっさり超越している。さらに大型パネルでコンテナの箱を積み上げるような木造建築やバークにリグニンまで徹底利用。日本より少なめの人工林で、日本の2倍の木材生産ができるわけだ。林業産出額は、GDPの2割を占める。
もはや、人類がゼットンの超科学兵器に挑んでも無理だって、という気持ちになる(笑)。ウルトラマンに任せておこうよ。

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だが。だが、だよ。こんな効率的な林業をやっていたら、結局は木材の過剰伐採につながる(はずだ)。効率がよくて、利益率もよくて、木材利用が徹底的に行われて……いるががゆえに伐採しすぎてしまうのではなかろうか。伐採量は成長量を下回っており、持続的林業を行っている、とはいうけれど。

効率も過ぎたるは及ばざるがごとし。「必要」以上に生産して、後から新たな需要を作り出していこうとする発想は、自然界の摂理から外れていくような気がするのだよ。(セミナーが5時間も続くのも人間の体力集中力の摂理から外れていると思う。。。)

北海道北の森づくり学院は、フィンランドの学校と提携して、この機械化の体制を見習うのだそう。さて。

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コメント

フィンランドでは『流れ星銀河』が人気

フィンランドを含め北欧諸国ではアニメが繰り返しっ再放送している関係で大人気です。フィンランドの猟犬が日本犬に似ていて銀河の姿がたまたま身近だったせいもあるようです。
 いまだに連載が続いていますから新しいものとかを適当におみやげにもっていくとフィンランド人は喜びます。

フィンランド情報、詳しいですね。「にわかフィンランドおたく」としては、悔しい……。

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