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森と林業の本

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2022/06/28

「ハゲタカ」を見る

今日は身体がだるく動かん。暑さ?過労?更年期障害? いや2日前の過度な山歩きの後遺症か。

というわけで、だらだら過ごす。そこでテレビで録画されていたドラマを見る。NHKBSの「ハゲタカ」再放送だ。
実は録画を設定したわけではない。勝手に録画されていた。多分、過去に設定した番組のコードと同じ放送だったのだろう。レコーダーを見たら、あれ?という感じ。以前も見たと思うが…。

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せっかくだから見てみた。舞台は2000年前後。不良債権に悩む日本経済に外資ファンドが入ってきて壊れかけた会社を買いたたく物語だ。初放送も十数年前だろう。ストーリーに既視感はあるが、引き込まれる。今は亡き役者も何人かいる。しかし、こんなに夢中になったドラマは久しぶりだ。

1話から4話まで見た。すごいよなあ。

乱脈経営の会社に、日本のメインバンクの介入を蹴散らしてバッタバッタと切り込む外資。気持ちいい~。気がつけば、視点はハゲタカ側になっていた。間違っても傾いた会社や、うだうだした銀行側ではない。ハゲタカ頑張れ! の気分になってしまう。

考えてみれば、ファンドの目的は、傾いた会社を安く買って、経営を立て直してから高く売ること。乱脈経営をした経営陣を生き残らせることが目的ではない。言い換えると、会社経営そのもののプロなのだ。それのどこが悪かろう。外資を嫌うこと自体が時代錯誤だ。「儲けることしか考えていない」という批判ほど的外れはない。日本の銀行も、自身の儲けのため中小企業とたたき潰しているではないか。

しかし、ドラマが20年経っても古く感じないのは、日本社会が20年止まっていることを示しているか。今日も東芝に「物言う株主(外資系ファンド)」が取締役に入ったことがニュースになっているが、何を騒いでいるのだ。傾いた東芝にはよい薬だろう。

ハゲタカやハイエナは、屍肉あさりをするから嫌われがちだが、生態系の中では必要な役割だ。屍肉をそのまま残すのは物質循環を滞らせる。森の中の掃除屋であり、分解者である。社会で言えば、リサイクル産業みたいなものか。

ただ面白く思ったのは、第4話で出てきた日本型のカリスマ経営者と言葉だ。「(今の状態が悪くて)何とかしたいと思うのなら、何もしないことだ」とか……。これ、ドラマの流れとは別に、真実かもしれない。傾いた経営はそのまま倒した方がいいのではないか、と思う。立て直そうともがくのは、つまらないエネルギーを使う気がした。でも、日本は、それもイヤなんだよなあ。少しだけ改善する。でも最善の手は尽くせない。腐った根元は残す。潰さないけど、完全再生もしない。ずるずると、だらだらと、傾いたまま続く。

何が言いたいかというと、日本の林業界はまさにそれだな、ということ(笑)。外資が入ってきて、すっきりさせてくれないか。食えない屍肉かもしれないが。

 

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