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森と林業と田舎の本

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2022/06/26

シカ生息数変動の理由

「季刊 森林総研」という森林総研が発行している広報誌があるが、57号はシカ特集。

季刊 森林総研 No.57 シカと森の現在

そこに掲載されているグラフ。

Photo_20220626220001自家

同様の研究データは、私も『獣害列島』で使わせてもらったが、なかなかの急勾配が香ばしい。
ようするに幕末~明治時代より生息数の急減少が始まり、昭和の30年代ぐらいか、戦後の急増ぶりが激しい。つまり大正時代より40~50年間が谷底でシカの数は極めて少なかったというわけだ。そして現在は江戸時代より多いと推定されている。

これが獣害の度合いにも影響しているのは間違いない。ただ、この増減を「乱獲」で減り、「雌シカ保護と農山村の過疎化」で増えた、と説明しているのはいま一つ納得いかない。

ここで研究者に喧嘩売るわけではないが、それぞれの要因はあるとしてもより根源的には森林の質と量の変化ではないのか。

森林を面積で見るのではなく、蓄積とか生物多様性で見たら、幕末~昭和前期は極めてすさんでいた。森といってもスカスカで若木しかなかったり、常に刈り取りと火入れがされていたからだ。それがシカ(およびその他の野生動物)の生息に影響を与えないはずはない。
森が豊かであったら、人間が狩猟しようとしても、森の中に逃げ込んだ動物は簡単に捕獲できない。そもそも明治時代に狩猟が盛んになったと言えるのか。毛皮は軍需物資であったが、狩猟だけでなく養殖もされていた。乱獲以前に生息数が減っている説明も必要だろう。
そして農山村の過疎化は森林の回復と表裏一体のはずで、過疎化したから捕獲できなかった……と考えるのは本末転倒ではないのか。

あ、やっぱり喧嘩売ってるな(笑)。

 

 

 

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ナラシカ・動物・獣害」カテゴリの記事

コメント

山間部の豪雪が減ったことも大きいのではないかと思ってます。このレポートは狩猟の影響ばかり強調し過ぎではないでしょうか?

東北などでは豪雪の影響もあったかと思いますが、九州など元から雪の少なかったところでも増えていますね。北海道も今も冬の寒気は強いけど、増えている。
そう考えると、狩猟の影響は二次的なものと感じますね。

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